やはり厚木にはすべてがある

#やはり厚木にはすべてがある
本年に入り、X(旧Twitter)にて何度かこのハッシュタグを付けてポストをしている。

これは厚木市の書籍編集者 杉本健太郎氏の言葉であり、氏の写真集のタイトルでもあるが、
私自身、「厚木にはすべてがある」と前々から思っていた。


赤池 志紀、198X年厚木市にて出生。
横浜を名乗る横畑市経由・都の南の木造ジャングル育ち。

幼少期に過ごしたこの街に戻りたいと強く思い始めたのは、かれこれ20年も前のことである。

初めて再訪したのは高校生の頃。
当時2ちゃんねるのアーケード板にあった「ギタドラセッション募集スレ」という場所で一緒にGuitarFreaksとDrummaniaを遊ぶ仲間を募り、神奈川県のゲームセンターを数か所巡っていた。
そこである時、本厚木で遊ぶ機会があり再訪することになった。

久方ぶりに訪れた街は長崎屋・丸井・パルコDUEがなくなっており、少し寂しくなったように見えたが、あつぎ大通りにあったYOU遊Stationという店舗に衝撃を受ける。
そこはインターネットカフェ・ゲーム・カラオケ・ビリヤード・ダーツ・ボウリングがあるアミューズメント施設で、入場料を払えば遊び放題というお店だった。

この素晴らしき楽園で遊ぶために、私は都内の家からしばしば訪問した。

高校を卒業すると深夜にも出かけるようになり、休みの日には深夜23時に8時間ナイトパックで入店。
メンテナンスでゲームの通信ができなくなる5時から7時の間に一時退店し隣のめしや丼(現やよい軒)で食事をし、
7時に再度8時間パックで入店し15時には帰る、などということもしていた。

私が住んでいた七沢にも行った。
厚木で知り合った友人に誘われ、ZUND-BARへ。
当時の私は二郎や家系のような味が濃いラーメンしか食べず、淡麗系のものは敬遠していたのだが、ここで食べたラーメンの味に感動し、それから塩ラーメンも食べ始めるようになる。

七沢にある黄金井酒造のお酒、盛升も愛飲している。
私は普段から「純米辛口盛升は命の水」と言い、家に常備している。
(今も飲みながら文章を作っています)

この後も私は幾度となく、「里帰り」「クニに帰る」と称して厚木に訪問するようになった。

23区近郊に住んでいた友人を深夜に呼び出してYOU遊Stationに行った時も、
Quest of Dというゲームで普段厚木から参加していた友人と協力プレイをした時も、
相模原に住んでいた友人とダーツをやった時も、
忙しない日々に疲れ果てて癒しを求めて森林や温泉に行った時も、
何度も何度も、片道1時間以上かけて厚木へと行った。

外から見ただけだが、厚木恵心病院にも行った。
少し足を伸ばして宮ヶ瀬にも行った。
サンクトガーレンのタップルームができた際も何度か通った。
鮎も、豚も、酒もやった。

私は、私が望むすべてがあるこの街に住みたかった。

2022年、クニに帰るための行動を起こすことにした。
1年後に移住をすると決め、用意周到に準備をした。
そして2023年の夏、念願の厚木市転居を果たした。

厚木市に転入してから半年ちょっと経った。
環境の変化にもなれてきた。
お酒は美味しいし、鮎も豚もラーメンも美味しい。
本厚木駅周辺は再開発を控え転換期にあるがそれでも賑やかで、少し駅から離れれば雄大な自然もある。
新たな出会いもあり、これから更に勢い付くであろう文化を知ることもできた。
東京の人の多さに疲弊した私にとって癒しの場所である、ほどよくのどかでほどよくにぎやかなこの街で、私は今、この拙い文章を綴っています。

やはり厚木にはすべてがあった。

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