丸亀製麺への香川県民の憤りを言語化してみた

時事ネタを書きます。

今日のTwitterのTLのトレンドは「丸亀製麺」でした。
きっかけは香川県民が丸亀製麺に対して不快な感情を持っている、という以下のツイートがバズったこと。

https://twitter.com/REMIMAX/status/1173075769913774080?s=19

讃岐うどんチェーン店の丸亀製麺の運営が兵庫県の会社で香川県民によく思われていない、というのはネット上では度々話題になりますが、今回「讃岐うどんブームの火付け役」として知る人ぞ知る功労者である「麺通団の田尾団長」が口を割ったというのが私には大きいことだと思います。

前提として、筆者の身内が香川に住んでいて、筆者も年5回くらいのペースで50軒くらいは回っていること、筆者が学生時代に東京で地方創生の勉強をかじってたこと、香川には思い入れはあれど特に住んだこともなく関係者の話を直接聞いたわけではないこと、丸亀製麺は決して嫌いじゃなく普通に食べること、これを前提に書いていきます。

まず、香川に行くと驚くことは、うどんが市民の生活に定着していることです。
誇張ではなく、県道で高松市から郊外に向かうとコンビニの数よりうどん屋の数が多いエリアがあります。
また、これも誇張ではなく、少なくない県民が週に5杯程度はうどんを食べています。
価格の安さも特徴で、多くのお店ではかけ小が300円しない。天ぷらなどトッピングしても500円行くかいかないかくらいで食べられるお気軽なファストフードなのです。

麺通団の田尾さんは、こういった地域に根付いた固有の文化としての「香川県民の生活に即した讃岐うどん」というところに着目して、讃岐うどんをご当地グルメとして啓蒙していったというふうに筆者は聞いています。(著書を読んだりしたわけではないのだが)
それこそ「徳島の阿波踊り」「高知のよさこい」とかの「地域のお祭り」と同じ文脈に乗せても差し支えないくらい、「その地域を象徴するもの」なんですよね。

食べ物としての讃岐うどんはたかがうどんだけど、文化としての「讃岐うどん」はその地域固有のものであり、
それを県外のよく分からん業者に文化剽窃されることに、おそらく彼らは怒っているのであり、
「じゃあ本物の讃岐うどんは何処で食えるんだ」って問いに「香川に来い」としか答えられないんですよね。
しかも「地域の文脈を大切にする」ことを主眼に置いて動いている人たちは、地域の個性を奪う「ロードサイドのチェーン店舗」を敵視する傾向が強いので、
ロードサイドチェーンの筆頭にも挙げられる丸亀製麺へのヘイトは大きくなることは想像に難くいないわけです。

とはいえ、TLで議論を眺めている人たちの多くはこんな背景は知らないだろうし、そこはモヤモヤしますよね。

最後に知り合いの香川県民の言っていた象徴的なコメントを載せて締めます。
「いやそりゃよそ者に地元の地名名乗られるのはなんか癪なんだけどさ、現地の水準に近いうどんを現地と同じ値段で関東で食べられる店って丸亀くらいしかないし仕方無いんや」
現実に妥協してる彼の発言は5年前くらいのものだけど示唆に富んでると思う。

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