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学会員インタビュー⑦優駿さん

天海春香学会Vol.4出版記念として、"学会員"の皆様へインタビューを行う当企画。
今回は優駿さんのインタビューをお届けいたします。

聞き手:スタントン/ペチマ
文:そにっぴー


プレゼン大会の経験

――優駿さんは何回も天海春香学会にご参加いただいております。ありがとうございます。今回のVol.4もご参加されていますが、Vol.4が発表されてすぐに参加するぞ~となったのですか。それとも色々考えられましたか。

優駿:
前のVol.2、Vol.3の段階では(企画が)出た段階で出ようとはなったけれど、今回に関してはちょっと間を置いて、でも結局は出ようと思った次第です。それまでとは違って、考える余裕が必要だったかな。他の参加者がどんな感じかも様子を見ながら探っていました。

――それはどういう理由でしょうか。

優駿:
出る前提ではいたのですが、書けるかなあ、どうかなあ、という不安なところがありました。

――それでもご参加いただき、リーダー・天海春香に関する文章を書いていただきました。Vol.3のインタビューを見返しますと、Vol.4で書きたいものは何ですかと質問しましたら、ONE FOR ALL(以下OFA)か、それ以外ならムビマスやアニマスに焦点を当てたものを書いてみたいと仰っていました。今回の文章はまさにそれだなあと思っていました。

――次に春香学会の企画があるとしたら、何を書きたいですか。

優駿:
「これで決定!」っていうのはまだなくって、白紙だね。それこそ今回はワンフォーオールのことを書こうとして頓挫してしまって、白紙に戻してしまってますし。ワンフォーオール以外でいうと、もしやるんだったら、ムビマスに焦点を当てたもの、ムビマスというかアニマスを含めた、ムビマスをメインにしたものを特に書いてみたいな。

https://note.com/a_harukagakkai/n/n98f118b6940f#6BEcu

優駿:
結局はムビマスの方を選びました。本来はOFAを題材にしたものを書こうと思ってたのだけど、ちょっと違うなあと思って諦めました。なのでVol.4ではムビマス一択でしたね。

――ムビマス然りアニマス然り、他の参加者も様々な文章を書いていますが、優駿さんはリーダーに焦点を当てていましたね。これはどういう経緯で考えられたのでしょうか。

優駿:
いずれかはやろうと思ってたのもあるけど、春香学会ができる2、3年くらい前に、名古屋にアニメグッズの買取販売をやっているお店が主催するアイマスのオフ会がありました。それに参加したとき、プレゼン大会みたいなものをやることになりました。楽曲だったりアイドルだったり、中には制作陣――イノタクとかフェチ川さんとか――ピンポイントなプレゼンもある中で、そこで少しだけ発表したのがムビマス春香のことでした。しかしその時は直前にプレゼン大会をやりますと言われたから、あまり文章やプレゼンの用意ができませんでした。それの延長線上をガチでやってみたいな、と思った先に、ここ(天海春香学会)でやりたいと思ったのがきっかけです。

――なるほど。そのときの構想をガチらせたものが今回の文章なのでしょうか。

優駿:
いえ、その時はプロットみたいなものも無かったんです。パワーポイントを作る猛者もいれば、その時の俺のように急に突貫工事で用意した人もいました。プレゼン大会もその1回だけだったから、その後はプレゼンや論文みたいなものにほぼ関わりが無かったんです。だからVol.4をやるってなったときに、初めて(アイデアを)文章化しました。

何度でも向き合って気づくこと

――作品の内容についてお伺いします。リーダーの話をするにあたっての素材集めは、文章を書き始めてから色々と考えたのでしょうか。

優駿:
そうですね、まずは映像を見ないことには全く分からんので、文章を書くパソコンがあって、その前にテレビがあって、早送りしたり巻き戻ししたり、というのをずっと繰り返しました。これ締切は(2023年の)5月だったじゃないですか。その頃まで(原稿が)長引いていて、その中で九州に旅行に行ってたんだけど、その時間も使って、パソコンのブルーレイプレイヤーを見ながら映像を見て、文章を書いて……というのをやっていました。

――ありがとうございます。私もアニマスやゲームに関して、文章を作ろうと思って見返すと、新しい発見があったりします。今回、優駿さんは新しい発見はありましたか。

優駿:
うーん、ムビマス自体は何回も見ているから、基本的なところは見ないでも思い出せます。だけど、いざリーダーを観察するということを含めると、見方が変わってくるのかなと思います。言ってるセリフは分かってても、その(リーダーの)要素も含めて考えてみると、同じセリフでもなんだかちょっと重みとか思考が変わってくるんだなあと今回感じたかな。巻き戻したり早送りしたりして、同じところを何回も見返すわけだから、その言葉がずーっと頭の中によぎってくるんだよね。その後のシーンがどっか飛んじゃう(笑)ここまで春香に重点を置いてムビマスを見たのは初めてかもしれない。今までだと、「劇場版アイドルマスター・輝きの向こう側へ」という全体しか見てなかったけど、ひとりのアイドルをピンポイントに考えるとだいぶ違うよなあって感じました。

――確かに、作品を作品として楽しむときと、作品から要素を抜き出そうと思って観察するときとは結構違ったりします。

リーダーの資質 ~自身の経験から~

――今回の文章は、あくまで春香がリーダーとしてどんなことを心掛けていたのだろうとか、どういう心理状態でいたのだろうとか、そういうことにフォーカスされていたので、優駿さんご自身の意見が入っていない論文的な文章だったと思います。優駿さん個人の感想として、天海春香ってリーダーに向いていると思いますか? もしくは、リーダーにしたいと思いますか?

優駿:
向いてる・向いていないは置いておいて、結論としてはリーダーにしたい存在だと思います。
俺、高校まで野球やってたんよ。中学校2年生の夏に、3年生が引退して、次のキャプテンを決めようとするじゃん。俺と同じ世代は16人おったんよ。これといってキャプテンにずば抜けて向いているという奴が1人もおらんかった。ただ8月末には地元のリーグ戦があって、それまでにキャプテンを決めなければならない。遅くとも10月の新人戦、秋の地区大会みたいなものまでには決めなければならない。で、苦肉の策として、夏休みの期間中に日替わりでキャプテンを付けて、それを見てからキャプテンを決めようってなった。俺も1日だけキャプテンをやったのだけど、まあ周りから陰口で「お前キャプテン向いてないなあ」とか言われてグサグサ刺さって。俺だって次の練習に向けてああしろとか、ネットとかボールとか用意しとけよとか言ってるんだけど、それでも(今まで)そういうのを言ってきた人間は実力がある奴だったから、練習でも全く言う事を聞かなくて。俺はその時何とも思わんかったし、監督に愚痴を言うようなことでもなかったのだけど、次に練習やろうかってときに監督が全員集めて、「お前ら、キャプテンの言う事も聞けや」って(笑)すげえ怒ってた。
文章を書いててそのときのことがすごく浮かんできた。結局キャプテンに選ばれたのは、エースや4番のような実力のある奴じゃなくて、控えキャッチャーだった。実力としてはスタメン組に劣るけど、やっぱりチームをしっかりまとめるような奴だった。
それを春香に当てはめるとするなら、春香ってダンスや歌のパラメーターは五分五分みたいな感じで。前回のインタビューでも言ったけど……

――ニュートラル、と仰っていました。

――あなたって天海春香とは。

優駿:
ニュートラルかな。春香って真ん中のポジションなんだよね。ニンテンドー64のスティックと同じで、ちゃんと真ん中にいないと収まりが悪い感じ笑。

https://note.com/a_harukagakkai/n/n98f118b6940f#ODZCh

優駿:
そういうこと。仮にどっちかに偏ったとしても、6:4くらいまでなら許容範囲なんよ。それが7:3や8:2とかに能力がずば抜けても、ずば抜けてるだけじゃなあ。例えば千早や美希とかにまとめる能力があるかと言ったら、それは話が別なのかなと。
春香の場合だと、能力は言ってしまえば平凡だけど、ニュートラルな能力値でも、人をまとめる力があるなと思います。だって、人をまとめる力って、別に実力があってもなくても別の話じゃない。野球だったら、4番エースほどの球速が無くてもキャプテンにはなれる。春香みたいな人をリーダーにさせたいなって思います。
(自分)野球やってたって言ってなかったかな。

――競馬好きのあんちゃんと思っていました(笑)

優駿:
(笑)まあ野球やってたといっても運動音痴なんだけどね。野球で基本的な動作ができるくらいなので、野球とかには誘わないでほしい(笑)

――私(スタントン)は小学校の頃ソフトボール部でして、今でも草野球に助っ人で参加してたりするんで、是非機会があったらキャッチボールやバッセンでも。

優駿:
キャッチボールは壊滅的だけど、バッセンなら行けます!

いつも細かいとこばかりすみません、いやほんと。

――(そにっぴー)今までVol.1~4と文章を書いて頂きました。今まで参加者の皆様には、論文の作法等に従ってたくさん文章の修正をお願いしており、正直申し訳なく思っています。しかし今回の優駿さんの文章は、今までに比べてかなり修正が少なくて、上から目線で恐縮ですがすごく上達したなと感じました。

優駿:
え、そうなん??


修正依頼の例(Vol.3時)

――(そにっぴー)何か意識したことはあったんですか?

優駿:
いや、まったくまったくまったく!

――(そにっぴー)そうなんですね……もしかしたら無意識に、今までの指摘を吸い取っていただいていたのかもしれません。読みやすくて面白い文章を出していただいたと思います、ありがとうございます。

――(そにっぴー)リーダーの話は、今までの学会誌でも他の方が書いてたりしていました。何かそういうのを参考にはされましたか?

優駿:
いえ、単純にムビマスを見ながらだけで書いてきました。他の参加者が書かれた文献とかを参考にして、というのは無かったかな。

――(そにっぴー)分かりました。すると、純粋に作品から受けた印象やご自身の経験が根底にあると思うので、それはそれでひとつ大事な文章だと思います。

他の方の作品について

――学会誌Vol.4全体について、他の方の作品は読まれましたか。

優駿:
全部は見返しきれてないですけど、目次を見てて「ほうほうほう……」となった文章から見ています。
俺の次に登場する司令官さん(等身大天海春香で打線組んだwww)。「ええ……?」って……ようこんな企画考えましたなって思います(笑)以前Vol.2のときに司令官さんが等身大POPの話(6年に渡って等身大の天海春香と向き合ってみて)をしていましたが、それで打線を組んで、わざわざポジションまで付けてくれるなんて……よう考えますな(笑)
それこそ4番で登場するSUNRICH COLORFULの等身大アクスタは納得できるポジションです。もし俺が打順組むんだったらまた時間が欲しいからここでは言わないけど、4番についてはこれで固定でしょう。俺自身もSUNRICH COLORFULで等身大アクスタのツイートをしたらバズってしまったこともあったしね。

――他に面白かった作品はありますか。

優駿:
ちゃんとした感想はまた読んでいかないと言えないけど、いくつか気になる作品はあります。
まずなかやまさんの文献(大喜利企画#ミリポンから見る天海春香の魅力と役割)は気になる。

優駿:
実際なかやまさんの大喜利(ミリポン)はたまに参加しています。いつも思うのは、大喜利のテーマはどういう手順でどういう風に決めてるのかなって、毎週金曜日に思います。誰かの誕生日みたいな節目はそれに合わせたお題が出てくるのだけど、裏側を聞いてみたいですね。

優駿:
あとは特集イラストで良いなあと思ったのは、とりむねにくさんの千早と一緒に映っている(春香の)イラスト。

優駿:
春香と千早がこういう感じに映るのはあまり無いというか、だいたいこういうイラストって雪歩と真のイメージなんですよ。とりむねにくさんにそういう思惑があるかは分からないけど俺はそう思いました、すごく良いと思います。(とりむねにくさんが好きな)宝塚感というかミュージカル感が出ていて、とても新鮮でした。すぐにイメージが湧くというのも良いことですね

春香とジュリア

――Vol.4のタイトルにちなんで"Haruka with…"ということで、春香と誰かで見たい絡みはありますか。

優駿:
ミリオンライブの担当に限るけど、静香とジュリアかな。特に静香はLegend Girls!!で絡みがあるけど、ジュリアと春香ってあんまりイメージが湧かないかな。どんな感じになるんだろうっていうのは気になります。

――ライブでは、2017年ハッチポッチでの『I Want』の共演がありますが……あとは『CHEER UP! HEARTS UP!』イベントコミュでの絡みがありますね。かわいいのを恥ずかしがるジュリアをからかう春香が見られます。こういうイタズラ路線の春香はアリですか?

優駿:
イタズラかあ、確かにそれもアリかもしれんね。春香ってあんまりイタズラするキャラじゃないかもしれんけど、それはそれで

――実際はジュリアを励ましているところもありつつ、イジるところもありつつなので、新鮮な絡みが見ていけるかもしれませんね。

痛ユニの記事?

――もし次の天海春香学会があるとしたら、どういう話が書きたいですか。

優駿:
ちょっと司令官さんと被るけど、これって春香にまつわる”モノ”でもいいんだよね。俺って春香の痛ユニ(フォーム)持ってて、それを作るまでの経緯を言ったことが無いから、そのこと書いてもいいなら書きたいと思います。ユニフォームに載ってる春香について、なぜそのイラストを選んだとか。

――痛ユニの作り方が気になる方もいると思います、是非お願いしたいですね。

優駿:
痛ユニ作ってる人はたくさんいるし、10着以上作っている人もいるけど、まだ持っていない人の指標になれればと思います。

ミリオン以降のリーダー性について

――(ペチマ)ミリオンライブのリコッタのように、春香が中心となって動いているユニットもあります。ミリオンでの春香のリーダー性や、アニメの春香とミリオンの春香の違いとかについて書かれる予定はありますか?

優駿:
そういう感じで書くかはまだ分からないですけれど、ムビマスからミリオンになったときを考えると……たぶんムビマスの頃に比べるとかなり余裕を持ってリーダーしてるんじゃないかなって。あくまで予想でしかないですけど。それこそミリアニでも、余裕を持ってやっている感じがありました。

――(ペチマ)確かにそうですね。少し早くアイドルとしてデビューして、先輩として……という観点から、アイドルの悩みに寄り添うお姉さん的な立ち回りもしているので、余裕があるのが違いとしてありますね。

優駿:
ムビマスの頃にリーダーを経験して、やり遂げたと同時にひとつ荷が下りた、重圧から解き放たれたというのも余裕を持ってリーダーできていると思える要因かもしれませんね。

理想のリーダー

――最後の質問です。「あなたにとって天海春香とは」という定番の質問がありまして、Vol.2のインタビューでは「なくてはならない宝物」、Vol.3では先程仰っていたように「ニュートラル」という言葉を挙げていました。では、改めて、あなたにとって天海春香とは。

優駿:
うーん……具体的には説明できないけど、「理想とするリーダー」かなあ。さっきも言ったように、リーダーにさせたい人、アイドルです。

――

ご自身の経験も踏まえながら、作品に対する思いを語っていただいたインタビューでした。

天海春香学会Vol.4は、ありがたいことにこの度増刷をいたしました!
BOOTHにて頒布中です、ぜひお手に取っていただけますと幸いです。


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