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座って前屈するときの筋肉について

座った状態でする前屈、爪先にかろうじて指先が届く。自分ではよくできた感じがしても、身体が柔らかい人の前屈を見ると、悲しくなって来ますね。
できれば、かかとくらいはガシッと掴みたい。
今日はそんな人にぴったりの筋肉のお話です。

いつも通り、上半身を曲げる時に使う筋肉を順番に紹介していきます。

上体を前屈するために使う筋肉は7つあります。
とは言え、部位が限られているので、それほど複雑ではありません。

まずは、腹筋群から紹介していきます。

前屈に使う腹筋群

直腹筋
恥骨付近でお腹を凹ませると骨盤を脊椎側へ屈して前屈のときに内臓を支える
みぞおちに力を入れると前腹壁が凹む
立って脚を上げるときに骨盤を支える
後屈時に伸びるが、その間も働き続けて転倒を防ぎ、状態をまっすぐに戻そうとする
仰向け姿勢で脚を上げると骨盤を引き、体幹を起こすと肋骨を下げる
外斜腹筋
左右同時に左用すると上体を骨盤に向けて引く。
片側だけ作用すると上体を前方に屈し同時に反対にねじる
内斜腹筋
左右同時に作用すると上体を前屈する
片側だけ作用すると上体を回旋する
立って脚を上げるとき、歩くときに直腹筋を助ける

直腹筋は内臓を支えるため、おへその辺でお腹をへっこめると、前屈をしても内臓が圧迫されなくなり、前に体を倒しやすくなります。
さらに、身体を深く前屈する補助として、内斜腹筋と外斜腹筋を使いましょう。この2つの腹筋は片側だけ使うと体がねじれるため、体を斜め前に倒す前屈のときに片側ずつ上手に使って行きましょう。

次は腰部筋肉を紹介します。

前屈に使う腰部の筋肉

大腰筋
腰椎を前屈する
大腿を上げる
腸骨筋
大腿を固定すると体幹を前方に傾ける
直立または仰向け姿勢で脚を上げる

大腰筋は尾てい骨のちょっと上を曲げて前屈姿勢を取るのに使えます。腸骨筋は体幹を支え、傾ける筋肉で、立っている時などに体の安定を保つのに使います。

次は脚部の筋肉です。

前屈で使う脚の筋肉

縫匠筋
骨盤を前方に引く
下腿を屈して交差させる
大腿直筋
骨盤を前方に引く
下腿を伸ばす

縫匠筋は足を組むときに使う筋肉ですが、前屈のときは脚を地面側に押し付けることで得られる反発力で上体を屈するのに使います。
大腿直筋も同じように反発力を得るために使います。

筋肉の働きを憶えることで、身体を柔らかく使えるようになります。
しかし、ストレッチ運動には筋肉をゆっくり伸ばすことで筋肉の内側に溜まった酸性の疲労物質を追い出し、筋肉を柔らかくする作用があります。
ストレッチは運動前後に実施して怪我を防止するために絶対に必要なものなので、運動のときはしっかり行いましょう。

参考文献『解剖生理及び体育(1916年版)』川瀬元九郎著

版権: Eraxion / 123RF 写真素材

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