みんな必ず誰かの子供で、きっと誰かの親、兄弟、友達、恋人であるだろう。

朝の情報番組に渋谷のスクランブル交差点の様子が流れる。行き交う人たちは無機質な「横断歩道を渡る大勢の人たち」に見えるけれど、本当は私と同じように社会というコミニュティに属し、誰かを支えたり支えられたりしながら生きる尊い存在だ。

今日殺された誰かが、私の家族だったらと想像すると目眩がするほど苦しい。そういう思いを実際にしている人がいると考えると倒れてしまいそうだ。
でもそれは、誰かを救うことのない、ただ自分が苦しむだけの思考だと自覚する。私は意識的に考えるのをやめる。心を傷めるのをやめる。

みんなことを家族のように思いやって過ごしたいけれど、私の器では無理だろうと思う。思いやることより先に心が折れてしまう。

私がちょっと冷たいのはそういうことだと思う。