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布教したい「ヒムドン」

バナナマンが好きです。
いまやテレビに引っ張りだこの2人ですが、自分たちのことを「低空飛行芸人」と自称していた頃からずっと好きです。

今回はバナナマンのコントで1番好きなネタの話をさせてもらいます。

バナナマンのコント

「朝礼」のコントをご存知でしょうか。
私が初めてバナナマンを認識したネタなのですが、学生役の設楽さんと日村さんが縦1列に並んで、前に並ぶ日村さんに後ろから設楽さんが朝礼中に悪ふざけをし続けるというネタです。
ほとんどセリフは無く、強烈なツッコミや強烈なキャラが登場するわけではないのに、2人の演技力の高さがただの日常切り抜きあるあるにとどまらせず、コメディ映画の1シーンのような奥行きを感じさせてくれます。

バナナマンのコントはドラマです。
1本のネタが20分くらいの長めのものが多く、たくさん笑いどころがあるというよりは、笑いあり涙ありのコメディなので「もうこんなん日本人がみんな好きなやつじゃん」と思わせるものがいくつもあります。

強烈なキャラの日村さんがボケかと思いきや、実は一概にそうではありません。
コントの中では設楽さんがボケで日村さんはツッコミを担うことが多く、特に設楽さんの演じる「ちょっとバカな人」や「ちょっとやばい人」の演技が抜群にうまく、どれも思わずフフッと笑ってしまいます。

笑って泣けるコメディ

そんなバナナマンのコントの中で私が1番おすすめしたいのが2009年のライブを収録した「wonder moon」に収録されている「the melancholic」です。
この続編として2014年の「Love is Gold」に収録された「the Supernatural」もあります。

あらすじは妖怪ヒムドンがオサム少年と遊ぶというもので、続編の「the Supernatural」は大人になったオサムとヒムドンの交流を描いたものです。

たったそれだけの内容ですが、なぜこんなにおすすめしたいかというと、前述したとおり、これこそまさに”笑いあり涙ありのコメディ”で「もうこんなん日本人がみんな好きなやつじゃん」と最も強く感じたコントなのです。

ヒムドンと少年オサム

少年と妖怪というファンタジーな設定なので、おじさん2人が演じているにも関わらずほっこりした気持ちで始まるコントです。
幕が上がると、おばけのQ太郎と正ちゃんのような少し不思議でドタバタした感じにノスタルジーを感じます。

無邪気な妖怪ヒムドンとちょっと知恵のある人間の少年オサム。ヒムドンの提案する簡単なゲームを人間のオサムが小ずるくやる様子や、子どもらしく引っ込みのつかない負けず嫌いでゲームに挑むヒムドンが微笑ましく、本当に純粋な妖怪と少年に見えてくるのです。
ゲームに勝ってドヤ顔をしたり、負けてムキになったり、本気ではしゃげばはしゃぐほど、おじさん2人の天真爛漫な姿に笑ってしまいます。

ヒムドンと大人オサム

オサム少年編のコントだけでも、おじさん2人が純粋な子どもを本気で演じる可笑しさや家に帰る別れ際の独特の切なさを充分感じられますし、オサム大人編も独立したコントなのでもちろん片方だけを見ても楽しめます。
ですが、2人で過ごしたこの時間を知ってからこそ、オサム大人編がより切なく、少年編のフリが効いてくるので私はどちらも見ていただくのを1番おすすめしたいです。

大人の時間を生きるオサムと昔から変わらない妖怪のヒムドン。過ごした時間が違ってズレてしまった2人の噛み合わなさが可笑しくも、胸がギュッと締めつけられる瞬間があり、果たして大人のオサムとヒムドンはどうなってしまうのか。

ヒムドンのオサムに対する思い、物憂げなオサムが抱える背景や、オサムにヒムドンが見える理由がわかった時、コントはドラマに変わり、妖怪と人間の交流の結末に私は涙を我慢できませんでした。

まとめ

今回ご紹介したコントはDVDの他、Netflixで配信されていましたので、気になった方、環境がある方はぜひ一度見ていただきたいです。

これだけ芸歴が長くテレビで連日活躍されているバナナマンですが毎年8月に単独ライブを行い、その度に新作を見せてくれるので他にもお気に入りのコントやおすすめのコントがあればぜひ聞かせてください。

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