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直撃・青木真也! 証言!『DREAM』(22)「プロレスと格闘技は分けてやらないとダメ」

 今回は2011年の大晦日に開催された『元気ですか!! 大晦日!! 2011』の話。『DREAM』とIGFによる合同興行。全17試合中、MMAが10試合(1試合が女子)、キックボクシングが2試合、MIXルールが1試合、IGFルールのプロレスが4試合という前代未聞の大会だった。この大会でセミファイナルに登場し、北岡悟との盟友対決を闘った“バカサバイバー”。あれから約8年。ついにその心境を吐露する――。(聞き手◉“Show”大谷泰顕)



「価値観が混ざる」

――今回は東日本大震災のあった2011年の大晦日の話になります。『元気ですか!! 大晦日!! 2011』(2011年12月31日、さいたまスーパーアリーナ)っていう。
青木 ああ、あの大会ですね(とニヤリ)。
――はい、あの大会です(笑)。
青木 あれもいろいろあったんですよねえ。
――ありましたよ、ホントに。なにせ『DREAM』とIGFが組んだんですから(苦笑)。
青木 あのー、僕は今でもそう思っているんですけど。
――ええ。
青木 プロレスルールと格闘技ルールを同じ大会の中でやることは良しとはしていないんです。
――言いたいことはなんとなくわかります。
青木 わかります?
――そりゃあわかりますよ。もう何十回と“バカサバイバー”と話をしてきたんですから、概略は把握しているつもりです。ちなみにその理由は?
青木 だってお互いにプラスがないでしょう。
――なるほど。
青木 もっと言うと、僕はMMAとキックボクシングを同じ大会の中でやることも良しとは思っていなくて。
――あ、それもですか。
青木 そう。だって価値観が混ざるじゃないですか。
――お互いにそれなりの価値はあっても、混ぜるとややこしくなると。
青木 そう。だからあの大会は残念な気持ちがしましたけどね。
――残念?
青木 しかも、IGFっていう決して質の高いプロレスじゃなかったじゃないですか。
――うーん、果たして、IGFがいわゆるプロレスなのかっていうと、またそこは議論が分かれるところなんですけどね(苦笑)。
青木 わかりますよ。だけど、いずれにしても一緒にやらなきゃいけないわけで。
――そうそうそう。
青木 結局は、自分だけでできないことには代わりがなくて。
――単独開催が難しいっていうことは聞いていたんですか?
青木 なんとなくは。じゃあどうするってなった時に、結局そこに落ち着いたかと。
――最初の開催会見があったのが11月3日だったんですね。アントニオ猪木会長、サイモン猪木IGF取締役、笹原圭一DREAMプロデューサーの三者で。
青木 そうでしたね。

シンガポールで受けた北岡戦のオファー

――それを聞いた時はどう思いました?
青木 しょうがねえなあー。
――しょうがねえなあー(笑)。
青木 まさにそんな感じでしたよ。
――ちなみその会見で「FEGは絡んでいません」てことを発表したんですよね。
青木 そうでしたっけ?
――そうです。それがIGF側の条件だったから。
青木 へえ? なんで?
――FEGは未払いが発覚したので、そことIGFが組むことはできないと。要はスポンサーがいい顔をしなかったんですよね。
青木 そういうことか。
――でしたね。“バカサバイバー”が大晦日の大会に出ることはその段階では決まっていたんですか?
青木 出ることは、はい。
――“バカサバイバー”の対戦カードが発表されたのは11月25日でした。相手は盟友の北岡悟。ただ、その時はシンガポールのEVOLVEジムでの練習に行っていたために、北岡と笹原プロデューサーでの会見になっています。
青木 そのカードが決まる前に、(『DREAM』現場責任者の)加藤博之さんがシンガポールまで来たんですよ。
――おお、シンガポールまで!
青木 ホント直前でしたね。
――11月の中頃とか。
青木 そんな感じですかね。その時は、最初は「廣田瑞人とやってくれ」って言われて。
――ああ、2009年の大晦日に衝撃の結末があった試合の再戦をオファーされたと。
青木 だけど、やる意味がないからって断ったんですね。
――ええ。
青木 やる意味あります?
――“バカサバイバー”からするとねえ?
青木 ですよね。だから、それでも廣田とっていうのであれば、いつものファイトマネーとは別につけて欲しいって言ったんですよ。
――お、そこまで率直に言えたんですね。
青木 なんとか(笑)。
――そしたら?
青木 じゃあ+20万円みたいなことを言われたから、「じゃあやりません」って答えました。

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