昨夜のRISEを思い返すと那須川さんと志郎さんの試合と那須川さんの試合後のマイクになってしまいます。それはRISE自体が那須川さんありきの興業なのが実際なところではあるし、那須川さん頼みの大会なので致し方ないところではあります。

RISEが選手関係者一丸になって役者の育成に躍起になっているのももちろん理解はしていますし、伝わってきます。ただそれがすぐに身を結ぶものではなく、時間のかかるものだと思うのです。その意味ではコツコツと自らの畑でタネを蒔き、水をくれて、収穫して、梱包しているK-1の堅実さと賢明さがわかるわけであります。歴史の積み上げばかりはどうしようもなく、今やって明日結果が出るものではないですからね。

那須川天心の真剣勝負のマイク

さてさて那須川さんのマイクです。
那須川対武尊のマッチアップは互いに所属団体が違うこともあって、皆が見たい試合だけれども実現の可能性が低いこともあって、互いに口に出すと話題になる可燃性も高く、燃料としては優秀なことこの上ない話題であります。本当に燃料としては優秀で昨日もこの話題で塩っぱいとされた試合の話題もぶっ飛んでしまっています。その意味ではなんだかんだで話題にする那須川さんの腕にはぐうの音も出ません。

ただ那須川さんもこのコメントを出すのに事前にある程度の調整というか、内部ではこんなコメント出すけれど、何かあったら頼むぜくらいの意思疎通はとっていたと思うのですよね。そのくらいの覚悟というか、気合を持って言ったと思うので、関係者は大変だろうなあと思った次第です。だって怖いじゃないですか。内容証明とか訴状とか。

実現はしないだろうし実現しなくてもよい

僕の意見としては実現するのであれば、リング上でこのような形でお互いに呼びかけることはないだろうし、このような形でリング上で出ることが実現はしないのだろうし、実現しなくてそれでいいと思って見ています。

そもそも実現してしまうよりもやることを想像して楽しみにするのがいいところだし、なんでも昇っているところが面白いのであって、実際にやっているのを見たいかどうかって言ったらオレはどうでもいいんですよね。待望のマッチアップほど凡戦に終わるのは桜庭田村でわかってるじゃないですか。なんだったんだよ。あの試合は。

那須川天心サイドの強い者とやりたい気持ち

那須川天心の強さを追い求める者として「強い者とやりたい」シンプルな気持ちは理解ができます。RISEの伊藤代表も全面対抗戦でもいいと仰るほどに、強さをまっすぐに追いかけている方なので、RISEができるのだろうし、愚直なまでに強さを求める選手が集うと思うのです。それは昨日の大会を見れば伝わってきますよね。

那須川天心の気持ちも十分に理解できるし、強さ原理主義的な考えも理解はできます。同意できるかどうかっていうとなんだかなあとは思うのだけれども、理解はできるし、那須川さんがそう考えるのは当然だと思います。

ただ武尊さんとしては「逃げてる！」みたいに周りから思われたり、「キャリアのピークのうちに」なんて大きなお世話だと思うだろうし、割と迷惑な話でめんどくせえなあとの心中はお察しします。本当に大変ですよね。自分だけのことではないでしょうから。

K-1の姿勢に安心するのです。

今日の一夜明け会見で那須川天心さんがコメントでK−１から「3年の独占契約が必須」と打診されていることを打ち明けます。

K−１はKー１というリーグを守るために選手を独占契約にしています。この独占契約に関しては選手サイドから疑問の声が上がることは多々あるのですが、選手が様々なリーグを転々とする方が珍しいことだし、どんなスポーツでもリーグに所属するのであって、これ自体はなんらおかしいことには聞こえません。

この独占契約に関しては僕も賛成です。K-1の勝手も負けてもそのリーグの中でストーリーを作っていけるし、その選手の物語を一緒に作っていけるので、今のK−１の選手の個性が際立つ状態があるわけです。選手としてもありがたいし、安心して試合ができると思うのですよね。要は自分たちの枠の中でグルグル回っていけば物語が勝手にできるわけでして、シズテムとして優秀なのです。

K-1は豊かになる人が多いシステムだと思う

K-1はひとり勝ちは難しいシステムだと思うけれども、より多くの選手が豊かになるシステムだと思うのです。格闘技なのだから勝者総取りだ！の意見もわからなくもないのですが、社会だって勝者総取りだと立ち行かないので税金があるわけだし、富の再分配って大事じゃないですか。K-1は富の再分配が格闘技界ではできていると思って見ています。

僕としては格闘技で豊かになる人が多いシステムなのでK-1のシステムは大事だと思うし、長く続くシステムだと思っています。１００年続くK-1って言ってるけれどもいいキャッチだと思います。

那須川武尊実現の可能性は極めて低いし、それでいいんだ。

那須川さんがK-1に所属するとは思えないし、K-1が武尊を出すとは思えないから実現の可能性は極めて低いと思って見ています。K-1はK-1を守ってほしいし、単発のイベントでやるような刹那的なものにしたら、この先の格闘技を考えて得策には思えないのです。格闘技を盛り上げたいって皆が言うけれども、格闘技を盛り上げたいのであれば、アクセル踏むだけが策ではないですよ。

実現する可能性をオレが思いついたゾ