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UFC初のアジア人王者の誕生と中国市場

UFC初のアジア人王者の誕生。

アジア人初のUFC王者は韓国から出るのではないかと考えていたのですが、中国人の女子選手から誕生するとは思いもよりませんでした。びっくりしたのは僕だけではないはずだし、中国のMMAは市場としての可能性はあるとは思っていましたが、競技力としてはまだまだだと思っていたので、この結果には驚きを隠せません。


競技力と市場としての力を分けて考える必要があるし、分けた上でつなげて考えるのが選手をやっていく上で大切なことなので、今日は考えていきたいと思います。

市場としての中国。

市場としての中国は格闘技だけに限らず、魅力的な市場であると思います。
なんてったって人口が13億人の国ですから、中国が世界と言っても過言ではないと思います。その意味では人口の多いインドも可能性があるし、インドや中国を狙ってのビジネスはよく見ます。格闘技に限って言うと中国では中国の地元の大会が強く、打撃の大会ではブアカーオやヨーロッパの強豪に高額のファイトマネーを払い大会を開催していました。ちなみに中国はテレビのネットワークが中国国内の放送だけでも莫大な視聴数なので、国内放送だけで完結する強さを持っています。

ただ中国資本以外の大会に関しては大会が中止になることがあったり、大会の許可が降りなかったりと不安定な部分があって、人口も多く可能性があって魅力的な市場ではあるけれども、今一歩成功した団体がなかったように思います。ONEも大会を開催していますが、中止になることもあったし、色々と苦労した話は聞きます。ROADFCも中国大会開催してはいましたが、今は休止していて中国市場の難しさを感じます。何が理由かは明確にされていないのだけれども、中止も多く、難しさだけは伝わります。香港の暴動からもわかるように中国政府が人が集まることに神経質になるのはわかりますが。

中国に根付くトレーニングセンターと中国人起用

UFCに関しては中国国内にトレー二ングセンターをオープンして、上海大会も開催し、中国人選手も契約して活躍しているので、他の団体にに比べて上手に回っている印象です。何が違うのか外部からはわからないので、なんとも言えないのだけれども、長く向き合ってきた強さを感じるし、中国でやっていくには根気が必要なのかもしれない。その意味ではONEも中国人のローカル大会を開催したり、育成と根付くような活動をしているのでこれからの活動に期待ではあります。

中国人選手の活躍も後押ししていると言うか、中国人の選手を活躍させることが市場の盛り上がりにもつながるので、意識的に活躍しやすいようなカードを組んでいるように見えます。アメリカ本土のメインカードで中国人選手の試合を組んでいたり、上海大会を大事にしていることからもそれは見えてきます。

中国人チャンピオンが誕生して、大会も成功したことで、UFCの中国戦略は順調なように見えるのだけれども、米中の政治的な動きばかりはどうしようもない部分があるので、その煽りを喰らわないことだけを祈ります。こればっかしはわからないと言うか、本当はあってはならないけれども政治の煽りを食らうものなのです。

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