欅坂46に縋る


20代になって数年経つのに
出会った頃と変わらぬまま、欅坂46に心酔している
きちんと認識したのは
いつかの音楽番組で見たアンビバレント
中毒性が凄くて、パフォーマンスも凄くて、
確実に1000回以上は見聞きしている

反骨精神を持って、世の中に異を唱えて
ひたすらに孤独を貫く主人公は
痛々しいほどにセンターへの当て書きで
「天才と凡人」の構図がどれだけ残酷でも
その世界ではあまりにも魅力的だったのだろうと思う

文字通り、身を削っている彼女たちを見て
金儲けの為なら手段を選ばない大人達への嫌悪を感じる
同時に、そんな姿に魅力を感じて消費している私がいる

『僕達の嘘と真実』

欅坂46の最初で最後のドキュメンタリー映画
公開当初、見に行ったファンの人達のツイートには
頭痛が治まらない、吐き気がする、罪悪感で死にそう
等々があった
最高で最悪だった そんなのもあった気がする
ファンじゃないものの、何年も無料コンテンツで見聞きしていた私としては
気になって気になって仕方なくて、結局何度観たか分からない

そもそも予告編映像がセンスの塊だった
映画を見た後ならば、意図的な歪められ方をした予告だと思うのだけれど、興味をひくには十分過ぎた


楽曲に没入すると記憶もリミッターも飛んで
予定外のパフォーマンスをするセンター
センターがいなければ身に入らなくなるメンバー
あの子以外のセンターは嫌だというメンバー
あの子以外、誰がグループの世界を創るのかと問うメンバー
それでも、大丈夫にしなければいけないから
センター不在の最善の形にしていく彼女達

崖から突き落とされたのは彼女達なのか、私なのか

1曲だけ復帰した彼女は
フードを被っていて、俯いていたのに
地鳴りがするほどの歓声があがった
私はその現場にいなかったので分からないけれど
号泣する人も、泣き崩れる人も、沢山いたらしいことをツイートを見て知った

その日一番の歓声だったと言ったメンバーは
どんな思いだったのか
想像するのは容易いけれど
きっと想像を絶する感覚なのだろうと思う

私は私を変わっていると思ったことも
他と違うと思ったことも
反骨精神を持ったこともないけれど
兎にも角にも学校が嫌いだった
教師を嫌い、嫌われる人生だった
対人関係の築き方が未だに分からなくて
ずっと間違い続けている

振付師は、欅坂46の「僕」は背負い人だと言った
彼女たちが苦しめば苦しむほど
自分の未熟さを代わりに背負ってもらっているようで
どうにもこうにも、頼りたくなる

魅力的だった 映画みたいだった
大人になる少し手前の少女達が歌うからこその重みだった
でも、生身の人間には惨すぎた
長くは続かないと消費しながら感じていたくらいには
限界の状態が長かったように見えた

幕を引いてから2年
櫻坂46は、欅坂46の僕に寄り添う存在になっている気がする
分かってもらえないから何も言わない欅坂46と
傷ついても言いたいことは言うべきだという櫻坂46

フィクションだったらハッピーエンドがあったのだろうか
都合良く美しくしたがるのは作品としてしか見ていないからだろうか
世界の為に自分を殺させる
そんな姿に美しさを見いだしている人間は
彼女達からどう見えているのだろう


#Nowplaying

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