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~働き方やキャリアのモヤモヤから脱出~ 「生き方デザインのヒントをみつける」 イベントレポート(4/4)

前回のレポート第三回はこちら

パート③ パネルディスカッション(BIOTOPE 佐宗邦威さん×aademo 田中航さん×aademo 相澤絵理子さん)

モデレーター:ここからは、KOMPAS参加者の相澤絵理子さんも交えて、パネルディスカッションをはじめます。まずは、佐宗さんにお伺いしたいです。KOMPASの感想はどうでしたか?
佐宗:うーん、すばらしいプログラムですね。本当に面白い。僕自身も行ってみたい。

モデレーター:具体的には、どのあたりがそう思われましたか?
佐宗:KOMPASはまさに「ビジョンのアトリエ」のプログラムだと思いました。海外という場で、日常の自分から離れて、新しくビジョンをつくって帰ってくる。これが素晴らしい。海外というのは、インパクトがあると思います。
制約から逃れた状態で、自分にコミットできる。自分とはこういう存在である、と感じられる。コミュニティのルールに無意識に合わせてしまうのを、あえて外せる環境は素晴らしいし、理にかなっている。この体験で変わる人も多いと思う。
田中:制約から逃れる、というのはとても意識しました。実は以前、日本でもやれないかと考え、試したこともありました。ただ、全然ワークしなかった。なぜかな?って思うと、ワークで深堀りしても、一歩会場の外にでれば、日本の日常の多くの情報に触れさせられてしまう。一方で、フォルケホイスコーレは周りに何もないんです。日本ではすぐに情報がとびこんできてしまう。

佐宗:自分は過去にギリシャのロードス島のティール組織のカンファレンスに行ったことがあります。10日、めっちゃ暇だった(笑)。限界集落みたいな島でフェリーから1時間くらいしないとレストランがなく、ネットも通じない。朝起きて、レストランへ行っても、開店していない。仕方ないので、スケッチをしてて、本の構想をひたすら書いていました。そうしたら、この本「VISION DRIVEN 直感と論理をつなぐ思考法」の原型ができました(笑)!あの環境、空白をデザインするのが大切ですね。

佐宗:相澤さんは、KOMPASツアーに参加してどうでしたか?
相澤:自分は昔、一度オーストラリアへ留学に行ったことがあり、そのときに自分らしく生きる大切さを感じていました。オーストラリアでは、働くばかりじゃなく、自分の時間を大切にしている瞬間を目の当たりにしたんです。いざ日本に返ってきたら、どうやったらいいかわからなくて。そこでKOMPASに出会い、参加しました。
実際、日常の中で余白・空白の時間をもつのがとても難しいと思っています。自分に向き合う時間をつくっても、考えたけど考えきれていない感じでした。KOMPASでは、日常から切り離して、自分を見つめるので、自然と考えられるようになったんです。何もしなくても自然の中でいるだけで、それでいいんだって。自分の心に余白ができた。自分の余白の時間をもつ大切さに気づきましたね。

佐宗:KOMPASの中で特に印象的なものはありましたか?
相澤:「フリンチ」です。スケートボードに乗って、恐怖に向き合う体験。私の場合、最初は楽しそうだと思ったが、すぐに転んでしまって、「怖い!痛い!」の気持ちでいっぱいに(笑)。一度転んでしまうと、2回目が怖くてなかなか乗れなくなったんです。でも、転んだら、まわりの人たちがハイタッチしてくれるんですよ。「ナイスファイト!よく頑張ったね!」って。それを通して「失敗しても大丈夫なんだ!」って気持ちになれて、自然と怖さを向き合えて、チャレンジしている自分がいて驚きました。

佐宗:僕自身の本「VISION DRIVEN 直感と論理をつなぐ思考法」とアプローチは違うが、似ていると思いました。人間は現状維持機能がある。変化を止めようとする。体感で嫌だと思ったときに相澤さんのように「そうじゃない!」って思える体験をできるかが大事ですよね。思考が実現しないのは、メンタルブロックがある。失うものがわからないと、不安で進めない。書き出すと大したことないって気づいたりして、一歩踏み出せるかもしれません。それをフォルケホイスコーレは身体言語的、身体感覚を通してやるのは面白いと思いますね。

田中:(会場の参加者に向けて)そもそも、みなさんビジョンってありますか?よく「ビジョンを描くのって難しい」と言われることがよくあります。それってどうしたらいいと思いますか?
佐宗:「ビジョン、ありますか?」という質問はちょっとハードルが高いでかもしれないですね。「モヤモヤしてますか?」くらいがいい。それは理想じゃない現状に気づいていることだから、モヤモヤがスターティングポジションになる。感じたことをありのままに書く。嫌なことも嬉しいことも全部書く。文章にして書くと実態が伴う。記憶にのこり、感度があがる。自分の感情に気づく。それが第一歩です。まず感情を書き出すこと。書けるようになると、次に、妄想・欲望に向き合い、書き出す。その次にビジョンにいける感覚があります。

田中:感情に向き合う手法でとても面白いのは、「何にムカつく?」を言葉でなく、身体で表現する体験でした。身体表現の大切さを知る機会になった。みんな結構いろいろな表現をするから、それがすごく面白い。
佐宗:身体をすっ飛ばして始めると頭と体がバラバラになっちゃうので、身体から始めると筋の通ったアプローチだと思う。身体から始めて、視覚、そして言語化ですね。

パート④ 参加者からの質問

モデレーター:では、そろそろ、イベント参加者の皆さんからも質問を募りたいと思います。いかがでしょうか?

質問者①:自分は学校の先生してます。KOMPASについて質問です。日本では実施できないのしょうか?例えば、限界集落では、何もないので、非日常体験が得られると思います。

佐宗:めっちゃ、いいと思います!

質問者①:あと、学校教育は今、教育改革が進んでいます。これまではひたすら伝える、叩き込むから、PDCAになった、これはまだ、カイゼンの農地にやっときたみたいな感じです。学校そのものがビジョンのアトリエになって欲しいと思っています。そのためにはどうしたらいいでしょうか?

佐宗:教育の文脈では、兵庫の学校、小学校の総合授業でデザイン思考とアート思考みたいなのがあります。学校全体としては難しいが、小さくてもそのスペースをつくってやってみることはできるのではないでしょうか。それは、自分の意見を言える子どもになる。小学校レベルではできているところもあります。実際学習指導要項があるから、全体で行うのは難しいかもしれないが、夏期講習とか5日間とかで、少しずつやってみてもいいんじゃないでしょうか。 学校でやるなら、ぜひお手伝いしたいです。圧倒的に新しいことをやっていれば、それが真似されて広がっていくので、がんばってほしいですね。

質問者②:わたしはインテリアデザインをしています。オフィスの環境デザインの中で、出会ったのが、地域のオフィスデザインの仕事。ビジネスとして、デザインをしないといけないのに、自分の感情が前に出すぎてどうしたらいいのかわからなかったんです。個人的には地域とつながっていたい、でも学校の教育とかイノベーションとか街の存続を考えた時、こどもに教育した方が変化は早いのでは?と思うのですが、どう思いますか?既得権益がある人はなかなか変わらないから、若者・子どもに教育することで、変化を起こしたほうがよいのではないか。ビジネスを誘致するのではなく、高度な教育を地方に持っていったほうが良いのではないかと思っていますが、どうでしょうか?

佐宗:教育は10年スパンだから、10年後に結果出したいなら、いいと思います。ただ、テーマは選んだほうがいい。機会や環境を呼び込める施策をデザインできるか? これからの市町村は、創造できる人を誘致できるリーダーがいるか、環境が作れるかが一番大事だと思います。

モデレーター:最後に、今日のイベントを振り返って、何かあればおねがいします。

佐宗:自分のテーマとしては僕らの世界における余白のデザインってどうなんだろう?と思っています。そういう意味では、フォルケホイスコーレに行くのは一つの手段かと思います。限界集落の話もとても面白いのですが、やるとしたらどういうことなのかな?ってことを改めて考えていただけければと思います。

田中:今回のイベントでは、自分の中の課題感を感じました。それは答えがないっていうのを一番強く感じたことです。それぞれ感じたことが一番大事で、その場に出すことが一番大事。正解をただ出さないとといけない雰囲気をどうブレイクするかが、自分の課題です。

佐宗:僕は答えではなく問いだと思います。答えがない時代は問いを作り続けることが大事で、答えを出さなくてよいと思います!

田中:自分は、「場づくりの力」を大事にしたいですね。どんなタイミングがリラックスできるのか?問いの順番と環境が、その人をリラックスさせることができるのか、それを考えていきたいと思います。

モデレーター:ありがとうございました!

<キャリア×デンマーク旅 KOMPASとは>
とことん自分の未来を考える贅沢な時間を提供する旅。
自分ならではのビジョン(未来図)をつかむために、
行動を具体化することを目的としています。
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「未来をえがくを楽しくする」をテーマに、個人のキャリアビジョンを描くための旅「KOMPAS」を提供。
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