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~働き方やキャリアのモヤモヤから脱出~ 「生き方デザインのヒントをみつける」 イベントレポート(2/4)

前回のレポート第一回はこちら

では、これからは「妄想力」「知覚力」「組替力」「表現力」の4つを説明していきますね。

まずは「妄想力」。自らを駆動する原動力にアクセスすること。
日本人は意外と妄想を話すことが少ないですよね。日本人は、確かなことを話すのが好きな人種のようです。一方で海外では、妄想レベルの話がとても多い。日本人からすると「こんなことを言ってもいいの?」と思えることを普通に話していて驚きました。英語で聞いているので違和感なく感じていますが、日本語だったらなかなか日本では聞けない会話です。
海外では、その妄想を「ビジョン」と呼びます。日本人は、ビジョンというものを、とても壮大で長期的でハードルの高いもののようにとらえているのではないでしょうか。海外ではもっとハードルが低く、日常的なものです。

「もしも、〇〇だったら」(What if)。
例えば、「もしも火星へ人類が移住できるとしたら」というのは、イーロン・マスクの妄想ですね。
できるかわからないものを設定して、世の中に問いかけて、行動していくスタイル。問いかけることで人が集まり、新しい行動が生まれる。
妄想を語るところからスタートしているのが、まさにビジョンドリブンだと思います。

ちなみに、私自身の妄想は
「もしも、大人が創造的に生きる支援をすることを通じて、全ての子どもが持っている創造性を阻害しない社会を作れたら?そして、少しでも多くの人が自己効力感を感じて生きる社会をつくりたい。」
です。自分自身を表現しながら生きること。創造性はとてもエコだし、自己効力感が得られる行為だと思います。

一般的には、「大人=常識的」「子ども=創造的」とと考えがちではないでしょうか。でも実は、大人も子どもも、事業も教育も同じ。どちらも創造性が大事です。
大人がクリエイティブであれば、子どももクリエイティブになる。
「社会とはこういうもの・こうあるべきもの」というバイアスこそが、新しいものがうまれることを阻害しているのではないかと思います。
自分は、イノベーションを起こすような人を支援して、その人が輝ける環境をつくりたい。そんな「生態系をつくる」という意味を込めて、「BIOTOPE」(生態環境)という会社名をつけました。

2番目の「知覚力」。これは複雑なものをありのままに感じる力のことです。
例えば、Airbnbの創業者であるJoeは美大出身。創業当時、Airbnbの事業のストーリーボードを、なんと絵で描きました。そしてそこで描いた絵を実現しています。絵だと世界観の暖かさや、ホストとゲストの関係性も伝わります。それは「世界中で民泊をつくる」という言葉だけでは想像・共有できないものだったでしょう。

自分も過去に「右脳で描け」という5日間のワークショップに参加したことがありました。そこでは自画像を描く体験をしました。すると何が起こったか?ものの見方を変わりました。左の絵が、右脳を活かさずに書いた絵。右側が右脳を活かして書いた絵です。全然違いますよね。
対象をじーっとみるイメージ脳、デッサンをすると感じる脳、解像度の高い表現ができるようになり、知覚力を意識する良いきっかけとなったと思っています。

1:身体感覚(Kinetic)
2:視覚(Visual)
3:言葉(Auditory)

私たちは言葉を日常的には一番使っていますが、まずは身体感覚から始めることが大事です。

3番目の「組替力」。これは違和感からはじまる自分らしさ。
あるものを要素分解し、再構築し、組替えることです。


「賛成する人がほとんどいない、あなただけが知る大切な真実はなんだろう?」
paypal創業者ピーター・ティールの言葉です。「違和感がある違い」ってなんだろう?
そこに自分の独自性が生まれます。ブルーボトルコーヒーは日本の喫茶店をアナロジーに第三の珈琲を考え、つくったそうです。これも組替力の例であると言えます。

最後の「表現力」。これは表現し投げかける勇気と温かい承認。
「provocation(挑発する)」。当たり前の前提に対して問題を提起する。別の選択肢を提示することで、内省したり、議論すること。

例で説明します。
以前、「ぼくらの未来展」というイベントがありました。そこでは、一人ひとり自分なりのストーリーなどをカタチにして展示します。ポスター、プロダクト、モデルなど様々。その中には、「知的障害者が自然に社会につながるための絵巻物をつくる」などのとても面白いアイデアもありました。

誰かに見せるフォーマットを考えるというのは、とてもクリエイティブなプロセスです。しかし、つくっていくプロセスはとても不安になります。それでも続けて、ブレイクスルーするとやがて楽しくなる。そして他者から「いいね」とフィードバックをもらえると、承認された体験となり、自己効力感につながっていきます。

いまの日本の小論文や就職活動では、自分をありのままに出しても承認されないことも多いのではないでしょうか。そこでは、学校や企業に合わせたマーケット・イン的な思考が求められます。
一方で、自分のありのままを認められることを経験すると、自分自身が認めらえたと感じ、人生を変えるきっかけになる。自己肯定感を生み出すには、自分なりの表現をして、それを認められる経験が必要だと、自分自身の経験を通じて感じています。

以前、U理論のオットー・シャーマー教授から頂いたお話しで、とても印象的な言葉がありました。
「日本人は、仏教の世界観という、人のイノベーションをする上で重要な、根っこになりうるベースをすでに持っている。西欧の学生にはそれが無いから大変なんだ。でも、一方で日本人は注意深くて常に防護フィルターをもっているので、君のような日本人には必ず「ただ、やってみればいい」というようにしているんだ。」アメリカ人が来たら必ず批判的にしてみるけどね。」
「ただやってみればいい」と言ってもらえたのは、自分にとってとてもありがたかった。
それは表現者に返す言葉としては最高の言葉だと思います。

ちょっと長くなりましたが、自分の話はこれで最後となります。
自分は今後、ビジョンドリブンで、キャリア・教育を変えていきたいと思っています。次の3つです。


1、 VISION DRIVEN INNOVATION
いかにして、次の時代を作る主力である30~40代がコピペでなく、自分の作りたい世界観をビジョンとして問いかけ、社会に楽しく新しい価値を作っていけるか?
2、 VISON DRIVEN CAREER
ロールモデルのなくなる時代に、いかにして自らけもの道を作って歩けるキャリアの当たり前にしていくか?
3、 VISON DRIVEN EDUCATION
4、 いかにして、道なき道を歩む子どもを育てる親や、学校現場で、子どもたちのビジョンを形にするのを支援し、自己肯定感の養い方を教えられるか?
ありがとうございました。

モデレーター:佐宗さん、ありがとうございました。では続いて、個人のビジョンを描くデンマーク旅 KOMPASの企画者の田中航さんにお話しいただきます。

▼レポートの続きはこちら
レポート第三回「パート② 田中航さん 講演 デンマーク旅 KOMPAS」へ

<キャリア×デンマーク旅 KOMPASとは>
とことん自分の未来を考える贅沢な時間を提供する旅。
自分ならではのビジョン(未来図)をつかむために、
行動を具体化することを目的としています。
① デンマーク×日本コラボで開発されたアクティビティ
② 自然に囲まれ、ノイズのないデンマーク(フォルケホイスコーレ)で開催
③ 1週間集中して、自分・仲間とともに未来を作戦会議する
【開催期間:2019年8月17日~8月25日 ただいま申込受付中!】
とことん考える旅 in デンマーク KOMPASはこちら

書籍「VISION DRIVEN 直感と論理をつなぐ思考法」はこちら

■主催団体(お問合せ先)
合同会社aademo
「未来をえがくを楽しくする」をテーマに、個人のキャリアビジョンを描くための旅「KOMPAS」を提供。
mail: info@aademo.net


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