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メモ1.2007年~08年のころを振り返る

AAPAの2008年の作品を再創作して上演する「PAPERGATE 2016」が、今週末4/16(土)から始まります。公演の概要はこちらをどうぞで終わりなので、今日は、初演あたりの2007年~08年のころを振り返ってみます。


2007年の初め、自分は会社員として働いていたが夏には辞めて、フリーランスになった。ちょうどそのとき創作したのが「Papergate」という作品。これがタタキ台になって、2008年の春にあらためて新作として創作したのが、旧東横線桜木町駅で初演をした「PAPERGATE」だった。

07年と08年の作品にともに出演してくれたのは、今回の2016年ver.にも出演している永井さんとダンサーのいとうみえさん。当時、AAPAは横浜のZAIM(旧関東財務局)という場所に事務所+機材置き場になるスペースを借りていて、そのZAIMの受付が、いとうさんと初めて会った場所。

ZAIMはいろんな人が出入りしていた場所で、アートやイベント関係の人が多い印象でダンス系は少なかったから、すぐにこんど一緒にやろう、みたいな話をした気がする。当時のAAPAは自分と建築家だけで振付家がいなかったから、振付をダンサーに渡すようなことはできなかった。

だからソロダンスを創作していたいとうさんの出演は、とても大きかった。今回ひさしぶりに07年のPapergateを記録したDVDを見返したけれど、いとうさんの動きにダンスやらを突き抜ける感があって今も心地いい。即興も入っていると話しながらダンスが創られていくリハを、自分は見ていた。

会社で働きながらダンサーとして踊り、東京という場所の感覚をからだに溜め込み続けながらそれをダンスに変えていた、いとうさんのダンス。都市に溢れる人工音、都会の住宅で室内に留まる生活音をMixした國府田くんの環境音響。07年のPapergateは2人との出会いがあってこその舞台だった。

國府田くんは今週末からの「PAPERGATE 2016」4/17(土)14時の回にトークに出てくれる。初演のときに流してくれた環境音Mixが流れるシーンは今回もあるが、環境音のみで構成された初演に対し、今回はUMEZの曲が2曲流れる。

國府田くんは2011年までAAPAに参加してくれて、以降は活動をともにしていない。そしてAAPAの作品では2011年8月初演「海を歩く」から、Sylianrueの西川くんの曲を舞台で流し始めた。環境音響から楽曲に、大きな変化になった。

2011年にはAAPAの拠点は横浜から東京に移っていて、最近のAAPAの舞台を観に来てくれている人には、それ以降のダンサー永井美里とSylianrue西川裕一の楽曲による世界観が、AAPAの印象として強いかもしれない。だが今回のAAPAはそれよりも前、横浜で活動していた頃の世界観。

今は2016年で、08年とは違うのだからそのままは残ってないのだがその世界観を引き継いでみる。年も場所も違うし、関わってくれている人も違う。だがAAPAと自分は残っていて、そこで何か以前と今で断ち切られているものを、もう一度手繰り寄せて粘土のように混ぜこねていく。強引なのも承知で。

無言でひとり、たとえ誰かと話していても環境音とない混ぜに流れ続ける声とともにあった08年の「PAPERGATE」と、話す言葉が聞こえ曲も流れてくる今のダンス。

その両者をもういちど混ぜこね千切る舞台、「PAPERGATE 2016」の初日は今週末の4/16(土)です。(公演詳細


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