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コンタクト・インプロビゼーション・フェスティバル@中国 滞在記:4日目

2018年10月2日(火):北京ワークショップ 2日目

この日は、上本のワークショップの日。
ワークショップのタイトルは「他者と出会う」。
上本が日本語で話し、永井が英語に通訳し、そこから中国語に通訳してもらい、3か国語が飛び交う形で進めていきました。

ワークショップの前半は、「触れる」ことにある、とても繊細な感覚が引き出されていくような時間。

目を閉じて、すぐ近くにいる人とともに、肌感覚を頼りに動いたり。
温かさ/冷たさに意識をむけて、空間のなかの場所や人を探ってみたり。

その後、相手に触れて動かす人と、動かされる人に分かれてのワークへ。
「動かす側も、動かすことで相手に動かされていることを意識して」
「自分で動くのではなく、常に何かによって動かされていると感じて」
と、声がけがされていく。

だんだんと、参加者の意識が深くなっていくのがわかります。

相手に触れるか触れないかくらいの距離で
2人で横に並んで歩く。
繊細な感覚だからこそ、相手を感じようと心がけ、
からだの感覚がより開いていっているように感じました。

この2人が並んで歩く、シンプルなワークを展開し、
1度にスペースの中にいるのは3組だけというルールのなかで
入れ替わり立ち替わり、動きが生まれていくのを眺める。

それぞれの歩く雰囲気、テンポ、表情、エネルギーの違いと
会場に差し込む光の雰囲気とが相まって、
とても美しい時間が生まれていたのが印象的でした。

午後の後半のワークショップでは最初に、
「触れる」という行為を通じて、その場その場で生まれてくる「感情」を無視せず、ダンスに彩りを与える質感を伝える動きとして積極的に取り入れていく提案が、上本からありました。

CIで「感情」をどう扱うかのかについては、個人差があるように思います。

中国に発つ前、CIについて話していたとき、
テクニックから生まれるムーブメントとしての美しさや面白さ、驚きに、
「人間らしさ」「その人らしさ」を感じさせる質感が混ざって見えてくるところに面白さを感じる、と上本が話していたことを思い出しました。

「感情」についての声がけのあと、
あらためて「触れる」ことに取り組むうちに、
触れる/触れられたときのからだの反応、
誰かに触れるまでの一人の時間、
自然とでてくる表情や仕草などに、
とても豊かなものがあることが見えてきました。

そこから、それぞれのペースで相手に触れたり、離れたりしていく、
より全体でのグループ・インプロビゼーションへ。

上本が全体を見ながら、時おり声をかけ、
ゆっくりと何かがつくられていくのを待つ、そんな時間。

通訳として隣にいて「よく待てるな、、、」と感じることもしばしば(笑)私だったら、もっと口をはさんでしまいそう・・
でも、その「待つ」時間があったからこそ、生み出された時間だったなと。

時間をかけるなかで、それぞれの素直な反応が自然と引き出されていく。

印象的だったのは、何となく全体のエネルギーが落ち着いてしまうとき、
「何かに出会って、、、離れて、、、離れることは出会うことと同じだけ大切、、、心地よさを感じたら、そこを離れて、、、新しいことを始めて、、、」といった声がけがされていたこと。

そうして生み出されていった参加者全員でのインプロビゼーションは、
様々な表情のシーンがゆるやかに移ろい、
夕暮れの光や参加者からの歌も混じり合う、とても美しいものでした。

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