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コンタクト・インプロビゼーション・フェスティバル@中国 滞在記:5日目

2018年10月3日(水):北京ワークショップ 3日目

この日は、永井が北京で2回目のワークショップ。
一昨日の1回目から続けて参加してくれた参加者と、初めての参加者が半々くらい。

フェスティバルも中日となり、疲れがたまってくる頃。
からだの力をぬいて、ゆっくりと丁寧にからだを感じるところから始め、
午前中は、頭・背骨・骨盤のつながりにフォーカスしたワーク。

そこから相手のからだと床とのあいだにある空間に意識を向けて、
空間に自分のからだを入れてみる練習や、接点から抜け出る練習など、
相手とシェアする重さを自分でコントロールしていくためのワークを行いました。

CIの動きの特徴として、相手の上に乗る・乗られるというのがありますが、
この相手にかける重さの加減の仕方を知らないと、危ないこともあるし、相手や自分を苦しめることにもつながります。
このことは、CIの経験が浅い人に伝えたいと思うことの1つです。

午後は、相手に「動き・力・流れ」を伝えるためのワーク。

まずは足から自身のセンター、そして相手との接点を通じて、
相手のからだに力を伝える・力を受け取る感覚を練習します。
そして手で押すところから、センター同士のつながりに発展させます。

普段の生活のなかでは、人を押すことはあまりないので、
やってみると意外と難しいと感じる人も多いように思います。

力任せに押すのではなくて、力の加減や方向、足の置き場など、からだの感覚を頼りに試行錯誤していきます。
上手くいくと、お互い気持ちよい感覚になることができる。

相手と内方向に力をかけあうワークばかりだと疲れてしまうので、
その後は3人組になって手のリーチに意識を向けたり、
外方向に引っ張りあうワークもしました。

ワークショップを進めながら、自分が「からだ全体の意識を忘れないで」と
よく声をかけていることに気づきました。

何かに集中しずぎると、それ以外が止まってしまう。
手で触れると足が固まっていたり、胴体で触れあっていると腕が固まってしまったり。

からだの中に意識を集中すると、外への意識が閉じてしまったり。
外に意識が引っ張られすぎると、からだへの意識が薄くなってしまったり。

相手と手でつながっているときも、
腕から背骨・センター・脚と、からだ全体でつながっている。

私のなかでは小さな動きであっても、
常にからだ全体が動いているということが大事な要素で、
大事にしたい質感なのだと、あらためて感じました。

最後は、ワークで試してきたことを使いながら、パートナーと踊る時間。

思いがけない動きに自然と笑いが生まれたり、遊び心が生まれたり。
それぞれのダンスから、様々なコミュニケーションが見えてきて、
フェスティバルも後半になり、CIは今回がはじめてという参加者もどんどん吸収して変化していることに、驚きました。

いまからだに起きていることに丁寧にからだの感覚を澄ませている、やわらかな空気感。
ワークショップの終わりまで、とても集中した良い空気がありました。

北京でワークショップは4日間なのですが、
私達は明日は上海に移動しなくてはいけないため、
この日の夜のジャムが、最後の時間。

北京での日々をともにした講師やスタッフ、参加者のみんな、
ジャムではじめて出会った人達と踊り、
出会いと別れに浸って、くたくたになって帰宅しました。

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