CIワークショップ@織座農園(長野)

年号が平成から令和へと変わった2019年5月1日から2日間、長野の佐久穂町にある有機農家の「織座農園」で初めてコンタクト・インプロビゼーション(CI)のワークショップを行ってきました。企画から当日までの一連の流れのなかで、これまで個人的に気になっていた移住のこと、食のこと、子育てのこと、地域と暮らしのつながりのことなど、様々な点に考えや意識を広げるきっかけをもらいました。

豊かな土壌と共同体が育まれているこの場所で過ごした、3泊4日の滞在を通じて感じたことを永井美里がレポートします。

織座農園のこと

「織座農園」は、もともと東京で小学校の教員をされていた窪川典子さんがご主人とともに30代半ばに移住し、夫婦ともに農業の経験も何もないところから手探りで有機農業を始めたそうです。ご主人をなくされてからも農園の研修生とともに、30年に渡り有機農業を続けています。朝昼夜と3食ご馳走していただいた採れたての野菜を使ったお料理は、本当に美味しく、感動しました。

家の外にあるハウスでは、様々な野菜の苗が育てられていました。今が一番手のかかる時期、と典子さん。ちょっとした天気の変化でハウス内の温度が変わるため、雲の間からお日様がでてきたからハウスに行かなきゃ!と急いで家から駆け出ていくこともありました。

森のようちえんのこと

織座農園の近くには「森のようちえん ちいろば」があります。この幼稚園の設立にも典子さんが大きく関わっていて、ちいろばの子どもたちは保育の一環として農園にお手伝いにきたり、遊びにきたりしているそうで、家の前の敷地にはブランコやネットなどがあり、子どもの遊び場になっていました。

今回のCIワークショップの参加者のなかには「ちいろば」の保護者の方も何人かいて、子どもと一緒に会場にきてくれました。子どもたちにとっては織座農園は馴染みの遊び場という感じで、家のなかでも外でも私たちに色んな遊びを教えてくれたり、生えている木の名前を教えてくれたりしました。

子どもたちは3歳~5歳の6人と、小学生のお姉さんがひとりいて、それぞれのタイミングでワークショップにも参加してくれました。子連れでも安心して参加できるようにと、ワークショップの間は講師とスタッフが交代で子どもたちと過ごすように用意しましたが、初めての試みだったのでどうなるかな・・・と、内心どきどきしていました。

私たちがお世話になった数日の間に、子どもから大人まで様々な人が織座農園を通じてつながっていることを実感しました。そこにある関係は、どこか「大きな家族」のような感じがしました。

それは、昨年4月末に松戸の一軒家に引っ越して以来、頭の隅にあり続けた「自分が望む人との関わりかたや、家族のありかたってなんだろう?」という関心と、響きあうものがありました。
そして今年の2月に家で行った『ケアと身体性』vol.1 / これからの「家族」や、3月に参加したタイでのCIフェスティバルでの経験も含め、おぼろげながら新たに前に進む、ヒントをもらったように感じています。

CIワークショップの様子

お世話になった織座農園までの道のりは、東京から新幹線とJRの小梅線を乗り継いで3時間弱。思ったよりも近く感じました。最寄りの八千穂駅に到着するとまだ桜が咲いていました。農園があるのはそこから車で15分ほど。

現地には今回、典子さんを紹介いただき参加者募集の声がけをしてくれた岳史さん、昨年の中国でのCIフェスティバルで出会い来日していたDaniel、アメリカから一時帰国中で通訳と子どもたちへのサポートを一緒にしてくれることになったCI仲間のRyutaと、AAPAの上本、そして自分の計5名で向かいました。

そしてワークショップの参加者の方は、普段から織座農園とつながりのある地域の方々を中心に、長野の別の地域や東京や大阪から参加いただいた方もいて、両日約10名ほど。チラシを見てきてくれた方も1名いらっしゃいましたが、他は関係者の知り合いやご紹介で、それぞれの縁を感じました。そしてすべての方がCIは初めて、または2~3回目とのことでした。

初日の午前中のワークショップは「委ねて、流れる」をテーマに、永井・上本が講師としてリードする回からスタート。小学5年生の女の子はお母さんと一緒に参加し、3歳~5歳の子どもたちはRyutaと一緒に外に遊びに。

ワークは、静かに呼吸を感じることからはじめ、背中をあわせてお互いに背中を感じながら一緒に動いたり、床に溶けるように転がってみたり。すごくあったまる!との声も。
そして後半は、センターをあわせることや、重心移動のワークをしました。私は小学5年生の女の子とパートナーワークをしましたが、とても感覚を掴むのが早くて驚きました。身長差はあるものの、小学校の高学年ともなるとほとんど大人と変わらないんだな、と実感しました。最後は、だいぶダイナミックな動きも一緒に楽しみました!

午後のワークショップはDanielが担当。私たちは子どもたちとともに過ごしました。子どもたちの「これやりたい!」にあわせて、外の裏山に遊びにいったり、家に帰ってきてからはお絵描きしたり、「かごめかごめ」「はないちもんめ」「馬飛び」など懐かしの遊びを教えてもらって(子どもたちに!)一緒にしたり。私がスタジオの子どもダンスクラスでやっている「フリーズダンス」や「トンネルくぐり」を紹介する時間もあり、そして時折、大人たちのワークショップをのぞきにいって少し一緒に参加したりもしました。子どもたちの反応や発言、発想に、いろいろと驚きながら、子どもたちひとりひとりの違いを実感することができて、とても面白かったです。

そして翌日も同じように午前、午後とプログラムがあり、午後のダニエルのワークには私たちも一緒に参加しました。2日間通しで参加された方々の変化には、なんて吸収するのがはやいんだろう!と一緒に踊っていて驚かされました。そしてワークショップを終えた参加者の方から「楽しかった、またやりたい!」と充実した感想をいただき、とても嬉しく思いました。

最後は参加者の方々からリクエストをいただき、上本/Daniel/Ryuta/永井の4人でCIを踊る姿を見てもらう時間を取って、そこから皆で一緒に踊る最後のJAMへとつなげていきました。
(↓の動画は、そのときに参加者の方が撮影してくれたものです)

最後のJAMでは、別室で遊んでいた子どもたちも混ざりにきてくれて、とても良い時間になりました。
今回の体験を通じて、CIが子どもから大人までそれぞれのありかたで楽しめる場になりうること、子どもたちと一緒にCIを踊るなかでともに学びあえるものがあることを、私自身あらためて実感しました。

また今回の参加者の方のなかには、理学療法士の方や、施術/マッサージをされているセラピストの方など、普段は自身が誰かをケアする側に立つ方もいました。そして「CIは、施術者が患者をケアするという一方向的な関係ではなく、双方向での関わりのなかで成り立っていることに魅力を感じる」という感想があったことが、印象に残りました。

CIだからこその魅力を、まだ触れていない人達に届けていきながら、自分自身も再発見していきたいと感じます。

「食」への意識の変化

山々にかこまれた自然のなかで子どもから大人まで、織座農園を通じてつながる人たちと出会い、ともにからだを動かし、採れたての野菜を調理した美味しい食事をいただき、お互いのことについて様々な話をしながら、日々営まれている暮らしや生き方に触れることができたことは、かけがえのない体験になりました。

今回のように、既にあるコミュニティの場にCIを紹介することで、そこから生まれてくる直接の交流の時間そのものが、とても豊かなものだと感じました。
生きていく上で大事な「食」について、自分たちはきちんと考える余裕がなかったり、しっかり選ぶことができなかったりしてきましたが、生産現場にいる人たちの想いや声、そしてその働きを直に肌で感じることができたことは、意識が変わる大きなきっかけになると実感しました。

企画・コーディネートをしてくれた岳史さん、暖かく迎えてくださった織座農園の典子さん・研修生のみなさん、現地での広報に協力いただいた紅葉さん、素敵な時間をともにつくってくれたDanielとRyuta、そして参加者の皆様、本当にありがとうございました!

今回を始まりとして、これからも素敵だなと思う人たちと出会い、つながりながら、次に進んでいきたいと思います。

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AAPA

CIワークショップ滞在記(2019~)

国内外の各地に滞在して行ったコンタクト・インプロビゼーション (CI) のワークショップの様子と、そこでの出会いや気づきについて紹介していきます。
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