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憧れの自転車

若かりし頃、晴れた日はよく職場まで1時間かけて自転車通勤していました。どうしても汗をかいてしまうのでトイレで汗を拭いて着替えて出社。

その時乗っていた自転車は働き始めて最初のボーナスで買ったもの。カンパニョーロのアテナが付いていた吊るしのビアンキでした。型落ちで3割引でギリギリ1桁万円の予算で手に入ったものでした。エルゴレバーで変速出来るはしりのモデルでした。

しかしフレームが鉄な上に太くて重いししなりも弱い、今思えば見た目だけアルミぽくした自転車でした。これで首を痛めたんだと今になって後悔です。

自転車通勤時、駅の一時利用の自転車置き場に止めるのですが、定期利用の上段によく目にする一台の自転車がありました。

それが今日のタイトルの憧れの自転車です。

ホリゾンタルのトップチューブと、リアの細いフレームがとても綺麗でどこぞの名のあるフレームビルダーのフレームに見えるのだけどデ・ローザともコルナゴとも書いてない。

とてもキレイにメンテナンスされた5速のカンパニョーロのヌオボレコードのリアディレイラーとクランクが実に神々しく光って見えたのを覚えています。

フレームは、今思えばチネリだったのでしょう。記憶がハッキリしなくて色味もシルバーでも白でも赤でもなく深緑だか紫的な色味だったようにあいまいです。フレームは渋い色でパッと見は地味なのですが、付いているパーツがパーツだけに自転車置き場の中で良い意味で異彩を放っていました。

それから長い年月が経ち、三つ子の魂百までもとでも言うか、当時のビアンキと同じ予算で憧れのヌオボレコードの自転車をとうとう手にすることが出来ました。

予算が予算なだけにピカピカではないのですが、ペダル以外ほぼヌオボレコードで構成してあり良いパーツがついています。

フレームサイズは私の体格には少し小さめですが街乗りなら特に問題になるほどではない。

10年くらい乗っていなかったもので、振れも大きくそのまま乗るのは自転車にもよく無い。

この自転車フレームは都内に昔からあるとあるメーカー兼販売店のもの。12年前にメンテナンス履歴がある自転車でした。

この前の週末にさっそくそのお店に足を運んでみました。昔ながらのお店はおじいちゃんとおばあちゃんと息子さん、さらに2階には娘さんがカフェを併設していました。

仲良しかどうかは知り得ないものの、これまた良い意味で家族経営が現代に進化したような姿に、とても感動しました。

2階のカフェでは、お客さんが提供してくれたお皿で提供され、帰りがけは開店一周年とのことでドリップパックをいただきました。

良い家族関係は良いお客さんたちにも支えられ良い循環の中で回っているのだとちょっとうるってしてしまいました。

各部の写真はメンテナンスから帰ってきたらまた掲載します。今日はトップ画像のヌオボレコードのリアディレイラーだけでお許しください。

憧れてからかなりの時間が経ち、錆というか年齢的に積み重ねてきた中、最後という意味でもラストの一台になるかもしれない自転車。電動アシストではなく憧れだった一台を手にすることにしました。

スピードよりは時間をじっくり噛み締めるような一漕ぎをして大切に長く付き合っていきたい自転車に出会えて良かったです。


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