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脱サラオジサン、ワインエキスパートへ~資格取得までの道のり~20

第19回講義:日本酒、焼酎

この連載も気づくと、記念すべき20回目です。早いもので、いわゆる講義は今回が最終回。残ったのは、酒類飲料概論の中の、日本酒と焼酎。ソムリエってワインじゃないの?と思ったのですが、お店としては「飲料」の担当なんだそうです。だから、ワイン以外のいろんな飲料の知識が必要なんですね。ということで、早速。
1・日本酒(清酒)
◆酒税法では、清酒が基本。
◆定義:①米、米麴、水を原料として発酵させ、漉したもの②米、米麴、水および清酒粕、その他「政令で定める物品」を原料として発酵させ、漉したもの③清酒に清酒粕を加えて、漉したもの。
◆政令で定める物品:醸造用アルコール、糖類、有機酸(酸味料)、アミノ塩酸など。これらの総重量が米の重量の50%を超えるものは、清酒から除外。
◆漉す:酒類の醪を液状部分と粕部分とに分離すること→「どぶろく」は漉してない=清酒から除外
◆日本酒:「清酒」の中で原料米に日本産を用いて日本国内で製造したものに限定。2015年G.I.指定。
(1)日本酒の特性
◆幅広い飲用温度:冷や=常温、冷酒、燗酒の3種類
◆四季の味わい:「ひやおろし」=新酒をひと夏熟成させたもの(9月から11月に出荷)。夏を超すと秋に品質向上=秋上がり、秋晴れ。品質低下=秋落ち
(2)醸造技術
◆単発酵:ワイン。原料を糖化する必要なし。酵母を入れたらアルコール発酵が進んでいく。
◆単行複発酵:ビール。大麦のでんぷんを糖化する必要あり。糖化した麦汁に酵母を加え、アルコール発酵。糖化とアルコール発酵を別々の容器で。
◆並行複発酵:日本酒。蒸米のでんぷんを糖化するのと、アルコール発酵を同じ容器で、同時進行するように管理。
◆日本酒づくりの工程:
①精米
②洗米
③浸漬(原料米に水を吸わせる)
④蒸きょう(原料米を蒸す)
⑤蒸米を麹用、酒母(酛)用、仕込み用に
⑥麹=蒸米に麹菌を繁殖させる。およそ2日間を要す
⑦酒母(酛)=蒸米の一部に、酵母と麹を加える。酵母を大量に純粋培養。
→生酛系酒母:江戸初期に確立した「生酛」と明治にその製法を変化させた「山廃酛」。どちらも、自然の乳酸菌を取り込み増殖させ、その乳酸菌が増殖ささえた乳酸で雑菌による汚染を防ぐ酵母培養法。
「生酛」は山卸(酛摺り)を行うが、「山廃酛」は、山卸を廃止しつつ、麹の酵素を予め浸出させた「水麹」を利用するなどの工夫を。
→速醸系酵母:醸造用乳酸を添加して行う酒母培養法。1910年開発。2週間程度で酒母が完成。現在は、圧倒的にこちらが主流。
⑧段仕込み=蒸米に、酒母(酛)、仕込み水を加える。通常、4日間で3回→三段仕込み:初添(添)、仲添(仲)、留添(留)。添と仲の間を「踊り」で一日放置する。
⑨発酵(途中で醸造用アルコールを添加の場合も)
⑩上槽=発酵を終えた醪を絞ること=酒税法上の「漉す」
⑪新酒
⑫滓引き、ろ過(無濾過もある)
⑬生酒
⑭火入れ=60~65度で一定時間、酒に加熱する。一般的には2回。
火入れと火入れの間に割水=加水調整。
→火入れをしない「生酒」や、瓶燗火入れの「生詰酒」。
→割水しない「原酒」「生原酒」も。
⑮瓶詰→出荷
◆酵母:日本醸造教会で頒布する「きょうかい酵母」が広く利用される。
「きょうかい6号」:秋田・新政
「きょうかい7号」:長野・真澄=華やかな香りで広く吟醸、普通醸造用に
「きょうかい9号」:熊本
「きょうかい14号」:金沢
◆原料米:うるち米が中心。日本酒造りに適した「酒造好適米」「酒米」
①山田錦:晩生品種で、酒母や醪づくりで溶けやすく、奥行きのある芳醇な味わいを。山田穂を母、短稈渡船を父に。1936年命名。村米制度などで品質向上。兵庫の三木市、加東市が著名。約28,000tの収穫で1位。
②五百万石:寒冷地向け早生品種。1957年命名。やや硬く溶けにくい。端麗で爽やかな種質を生む傾向。淡麗=五百万石。新潟県が主産地。
③美山錦:亀ノ尾らを祖先にもつ「たかね錦」の突然変異種。1978年命名。耐冷性が強く東日本に栽培が広がり、長野ほか、秋田、山形も。淡麗ですっきりとして酒質。
④雄町:江戸時代からの栽培品種。晩生らしくよく熟して水分が多く、幅や複雑さ、ふくよかな味わい。岡山県。
⑤道府県単位の酒米:北海道=吟風、山形=雪女神、福島=夢の香、新潟=一本〆。
◆水:日本酒の全成分の80%は水。醸造に有害な鉄、マンガンの含有量が少ないことが好ましい。灘の宮水=兵庫県西宮市の特定の地下からくみ上げた「西宮の水」が「宮水」に?。硬度が高めでやや酸味の強い辛口の酒に。灘の男酒、伏見の女酒。日本酒の原酒はアルコール度数20度前後のため、酒に水を加えバランスを調整する=割水。仕込み水と同じ水で。
(3)製品品質表示
1989年、国税庁が「清酒の製品品質表示基準」を定める。この中で、特定名称の表示の際の基準を示す。
◆特定名称の日本酒
①吟醸*酒②大吟醸酒③純米酒④吟醸純米酒⑤純米大吟醸酒⑥特別純米酒⑦本醸造酒⑧特別本醸造酒の8種類。
  *吟醸:吟味して醸造。よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵さ  
   せ、粕の割合を高くして、特有の芳香(吟香)を有するように醸造。
   低温で時間をかけてゆっくり発酵させるほど、きめ細やかな酒質に。
   通常は4-5週間かける。
 ●純米→使用原料に醸造用アルコール*を含まない
  *醸造用アルコール:日本酒がより香り高く、すっきりした味わいに
   白米の重量の10%を超えてはならない
 ●大吟醸→精米歩合*50%以下=外側から50%以上磨く
 ●吟醸→精米歩合60%以下
 ●純米酒→精米歩合の規定なし
 ●本醸造酒→精米歩合70%以下
  *精米歩合:玄米をどのくらい磨いたか表す数値。米の表層近くにタン 
   パク質や糖質などが多く、日本酒にした時に雑味となりやすいため。 
   磨けば磨くほど、軽快できれいな酒質に。
(4)地理的表示
●2005年 白山(石川県白山市)
●2015年 日本酒(日本全国)
●2016年 山形(山形県)
●2018年 灘五郷(兵庫県南東部)
●2020年 はりま(兵庫県南西部、三木市、加東市など)
     三重(三重県)
     和歌山梅酒*(和歌山県)
●2021年 利根沼田(群馬県沼田市など)
     萩(山口県萩市など)
     山梨(山梨県)→ブドウ酒は2013年G.I.指定
     佐賀(佐賀県)
     長野(長野県)→ブドウ酒と同時指定
●2022年 新潟(新潟県)
     滋賀(滋賀県)
日本酒で13G.I.指定。*梅酒は和歌山のみ

2.焼酎
焼酎とは所定の原料をアルコール発酵させ、蒸留したもので
A:連続式蒸留で蒸留、アルコール分36度未満
B:単式蒸留で蒸留、アルコール分45度以下
のいずれか、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、ジンなどに該当しないもの。
単式蒸留焼酎が日本で最初につくられたのは15世紀の沖縄=泡盛
◆常圧蒸留と低圧蒸留
「常圧」:外気と変わらない圧力で蒸留→芳醇で豊かな味わい
「低圧」:蒸留器内の圧力を下げて蒸留。45~55℃で沸騰。→軽快で華やかな味と香り
◆地理的表示
1995年:壱岐、球磨、琉球
2005年:薩摩
●壱岐:米麹1/3+大麦2/3の麦焼酎。原料の水に由来するキレの良い飲み口
●球磨:熊本県人吉盆地。ジャポニカ種100%の米焼酎。米由来のまろやかな甘さを感じる味わい。
●琉球泡盛:15世紀半か末にには、沖縄で製造していたと。タイ米(インディカ種)を使用。黒麹菌*を用いた全麹仕込み→クエン酸を大量に算出。濃醇でキレがあり、芳醇な香りをもつ。全量を3年以上熟成したもの=古酒(くーすー)表示(2015年の改正以前は50%超だった)
*芋焼酎=白麹菌、日本酒=黄麹菌
●薩摩:さつまいもと水。原料由来の甘味と華かで芳醇な香り。
⇔奄美市&大島郡は、黒糖焼酎の産地

実践テスト


南アとソムリエのサービス・職責などなど。最後は満点だ!と気合をいれてかなり勉強していったが、28/30点。結局、一度も満点を取れずに終了。。。そんなことより、1次試験だった、大切なのは(笑)。

まとめ


今回は、テースティングなし。その分、復習講義でイタリアの総ざらい。忘れている箇所もちょいちょい、あり。フランスもイタリアも、ドイツも日本も。。。冷静に自分がどこが苦手か分析し、穴をなくす。
これで残すは、最終の模擬試験のみ。模試までの間は、穴をなくすことに心血を注ぎます。
めざせ100/120点。まずは、次の模擬試験で合格圏に入ること。
そして、7/31(月)の本番へ。一発で終わりしたい。。。

最後の最後にオジサンの底力、発揮なるか。。。つづく。

   

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