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男子および男性の「持たされてる」感が好きだ

中学生くらいまでの男子と、ある程度大人になった(特にビジネスマン)
男性の持ち物で、とてもいいなぁと思うものがあります。

男子の場合は、学校に持って行くサブバッグのようなもの、普段友達と遊びに行く時なんかに背負っている布製のリュックのようなものです。
以前、電車の中で目にしたのは、お母さんの手作りであろう、不思議な素材と色味の、大きめの巾着袋を(口のところをキュッと縛って締めるもので、
左右に分かれた紐の部分を肩にかけるタイプのもの)寝癖もそのままの
中学1年生くらいの男子が背負っていた姿です。

ビジネスマン(成人男性)の場合は、全身ピシッとした濃紺のスーツで、
茶色く光るつま先の尖った靴なんて履いていればいるほどよいです。
そんな隙のない格好の彼らのビジネスバッグの外側に下げられている、
妙にファンシーな布製のお弁当袋を見るたびに密かに心おどります。

両者に共通しているのは、「自分の選択じゃない」=「持たされている」感です。

男子の場合は、本当に与えられたものをそのまま、何の疑問も抱かずにただ使っているだけでしょう。自分で使うものを自分で選択して買う、という
経済力もまだ伴っていない場合が多いためです。

一方、成人男性の場合は自分で選ぶ力も、それを買う金銭的な力も既に
きちんと手に入れています。それなのになぜかお弁当袋だけは、変なキャラクターだったり、可愛らしい色味のものだったりするのです。ああ、これはお弁当を作ってくれる奥さんやパートナーの趣味なのだろうな、と思って
ニヤッとなるのです。

もしかしたら初めは「この袋はちょっと……」と拒否したかもしれません。それを押し切られて「困っちゃうな」「恥ずかしいな」と思いながらも
最終的には仕方なくビジネスバッグと共に持って出勤する、という姿に
男性特有の優しさが滲んでいるように思います。

まあ、そこには女性側の「この人にはお弁当を作ってくれる相手がいるんですからね(だから手を出さないように)」という牽制のメッセージが含まれている場合も多いのですが、それはあまりおもしろくないので考察を省略
しましょう。

自分のことは自分で決める!自分の欲しいものは自分で選ぶ!モテそうな
ものを買う!なんていう自己をしっかり持っている人も確かに素敵です。
でも「持たされたから持ってる」とか「ちょっと困っちゃうけどまあ仕方
ないか」なんて、持たされること を甘んじて受け入れる、男子や男性の
控えめな優しさを、今日も私はあちこちで探しているのです。

もしサポート頂けたら、ユニークな人々と出会うべくあちこち出歩きます。そうしてまたnoteでご紹介します。