【Wows】各論補足編:①砲撃のエイム力(各論編1/3)では何を考えたらいい?

 こんにちは。前回「【Wows】初心者〜中級者向け解説」という記事を書いた阿部です。自分の目標としてのメモ書きのつもりだったのですが、コメントをいただく機会もあり非常に参考になりました。あの記事は何より私が目標を達成できていないというのが最大のオチだったのですが…
 ネットでこのようなゲーム解説を見る層はどの層なのか?ということを考えると、(ア)たまたま見つけてクリックした(イ)うまくなりたくて探した(ウ)既に上手いけど確認のために来た(エ)晒されていたから来た 等のパターンが考えられます。
 (エ)は例外として、(ア)(イ)のパターンであれば、少なくとも興味や向上心を持って来てくれたのかな、と思いますので、私の記事は結構はっきりとした物言いで仕上がっています。本来であれば網羅性のあるWikiを見れば得られる情報を、論として体系付けて自分の中で落とし込みたい、というのがその目的かと思いますので、あえて特定の項については記載せず、内容をある程度捨象しています。
 (ウ)のパターンであれば、既にその人は自分のパターンを持っていたり、Wikiを見て情報を組み立てられる人かと思います。そういった人は新しい知識ではなく、他の人がどんな事を考えているのか?ということを覗きに来ているわけですから、やはり情報量を多くすることよりも、私の考えをはっきりさせて書いたほうがいいのではないかな、と考えています。
 結果として、私の記事ははっきりとした物言いだったり辛口だったり大いに間違っていたりします。では、今回は各論編1/3で述べた、①砲撃のエイム力では、何を考えるべきなのかを、細かく見ていこうと思います。

各論補足編:①砲撃のエイム力(各論編1/3)の項目
1.Wowsのエイムの取り方について
2.偏差の幅を取る前に、敵の行動予測について
3.偏差の幅の取り方

1.Wowsにおけるエイムの取り方について

・プレイ動画を見るにしても見るポイントが分かってないと意味がない
 私は各論編1/3において、エイムはプレイ動画を見て学びましょうと述べました。多くの人が「エイムは動画を見て学べ」という背景には、偏差のとり方は距離・着弾時間(艦種)・転舵時間・敵の回避機動によって千差万別であるため、言語化して伝えるのが難しいからだと思います。
 ところで、多くの人が「動画を見ればエイムがうまくなりうる」というのはなぜでしょうか。私見としては、経験を疑似的に積めるからというのがその理由だと考えています。ただし、あくまでも疑似的な経験であって、動画で見たその偏差の取り方を自分の中に落とし込まないと、結局吸収することができないままとなってしまいます。
すなわち、エイムに対する考え方を持たずにぼんやりとプレイ動画を見ても、得られるものが少なくなってしまいます。そこで、まずは偏差に対する考え方を可能な限り言語化して述べたいと思います。

・エイムを取る流れについて(感覚で撃つのか、距離・着弾時間の表示、スコープの目盛りを使うのか)
 私は、以下の流れでエイムを取ることをオススメしています。
① 巡洋艦であれば、最大射程から‐0.5kmから-1.0㎞の距離の偏差を基準として取る
①’戦艦や射程UGを積んだ巡洋艦(最大射程19km前後)であれば、16km~17kmの距離の偏差を基準として取る
② 基準となる偏差を、距離が近づくにつれ、偏差の幅を小さくする。このとき、距離(着弾時間でも可)を参照する
③スコープの目盛りは見ない
以下、詳述していきたいと思います。

・なぜ最大射程付近の偏差を基準とすべきなのか
  上記①①’にあるように、私は遠距離の偏差を基準に考えるべきだと考えています。その理由は、距離が遠くなって偏差を大きくとることよりも、距離が近くなって偏差を小さくとることの方が簡単だから、という安直な理由に基づいています。そのため私の理論では、どんなにセンスがなくても①①’の距離における偏差はしっかりとれるようにならなければいけない、というように考えています。①①’の距離での偏差をしっかり鍛えていくことが、エイムを鍛えるということになります。
 ちなみに、①①’の距離の根拠は、巡洋艦で引き撃ちを開始して最後まで粘って撃つならこの距離かな、という距離を差しています(常にこの距離でしか打たないのはご勘弁願いたいですし、もしそうならあなたは芋です)。また、最大射程付近での命中が望めない米巡ツリーは、エイムの基礎たりえないことになります。また、最近は船が増えすぎて全ての船の射程について言及できないので、長射程艦についてとりあえず①'の距離を提示していますが、船によっては①'の距離が20kmを超えることもあるかもしれません。最大射程-2kmくらいに見てもらえればよいかと。

・なぜ距離を基準に考えるべきなのか
 エイムの偏差の幅を合わせる際に、変数となる数値として敵艦までの距離、着弾時間の表示の2つがありますが、私は距離の方をオススメしています。隠蔽距離、発砲ペナルティの距離といった隠蔽の考え方(各論編2/3参照)や、マップ読み(各論編3/3)との整合性が取りやすく、距離を意識することのメリットが大きいからです。

・なぜスコープの目盛りを使わないのか
 端的に言って、敵艦の艦速度、自艦の弾速といった、他の変数が多すぎるからです。敵艦のKnot数×自艦の弾速の組み合わせ全てを覚えていられれば、目盛りを使う有用性を検討する価値はありますが、ゲームのためにそんな頭のリソースを使うのも勿体ないですから、ここはある程度経験や慣れで補うべきだと思います。その場合であっても、後述の考え方でかっちりとした考えを持っていれば、感覚に頼りきりにはなりません。
 もっとも、着弾時間を基準に考える場合であれば、自艦の弾速という変数が減りますので、使う余地はあるかもしれません。
 しかし、その場合であっても、毎回確認していたら時間のロスが大きいです。スコープを覗いているときは無防備になりがちですから、なるべく目盛りを使わずにサッと打てるよう慣れるべきだと思います。
 ここまでが、私の理論での前提となる考え方です。

2.敵の行動予測について

・そもそもエイムは、敵の行動予測から始めないといけない
 では、先ほど述べた①①’の距離での偏差の取り方が最大の問題点となるわけですが、多くの解説では説明の便宜上、自分が撃った際の「幅」の取り方について説明していることが多いように思われます。実際、①①’の距離から等速直線運動をする相手に、しっかりと偏差の幅をとれることは大事なことです(これもできないとなるとFPSやTPSの部類はプレイできないことになってしまいます・・・)。できる人であっても、素早く偏差を取れることが望ましいです。
 しかし、それらの説明に若干違和感を感じる点もあり、Tierが上がるにつれ、自艦発砲と同時に敵艦も回避機動を入れることが当たり前になっていくのに、「幅」を取ることを先に考えることにどれだけ意味があるのか、という点が気になります。エイムの説明が偏差の幅を取ることの解説で終わってしまっている結果、プレーヤーの中に「エイム=幅を取って撃つこと」という考えが残ってしまい、とりあえず横方向や縦方向に偏差を取って撃つことに終始してしまっているのではないか?という部分が気になります。相談を受けてリプレイファイルを見た際も、とりあえず敵艦の横方向に偏差を取って打つというエイムは所々散見されます。これらの一体なにが問題なのでしょうか。

・Wowsでの偏差は、「敵艦の未来位置」に取っていることを忘れちゃダメ
 エイムに問題がない人は自然とそれが出来ているので、今更なにを言ってるんだと思われるかもしれませんが、再確認のためにここで強調しておきます。解説記事や解説動画では確かに偏差の「幅」の取り方の説明に重点が置かれることがありますが、それは説明の便宜上であって、Wowsでのエイム本来は「自艦発砲後の敵の予想位置」に置かないといけないものです。
 このWowsというゲームは、他のFPSやTPSとは異なり、弾のスピードが遅く、敵の移動するスピードが極端に遅いという特徴があります。例えばいま流行りのTPSであるPUBGでは、弾のスピードが早く、敵の動くスピードが早いかつ小さいために、エイムは基本的に敵の表示位置をマウスでどれだけ速く正確に追いかけられるかという点に終始されます。しかし、このゲームでは発砲から着弾まで時間がかかり、敵の動きも遅いという点から、エイムは、いかに速く敵の位置にカーソルを合わせられるかということよりも、敵がその後どこに移動しているのか、という点の方が重要になります。

 敵艦の未来位置に偏差を取るということがどういうことなのかをわかってもらうには、皮肉なことに禁止ツールであるエイムアシストの動画を見てもらうのが一番分かりやすいように思います。言うまでもありませんが、エイムアシストを奨励しているわけではありません。

https://vimeo.com/179022698 動画埋め込めなかった・・・
(3分半ほどのエイムアシストのプロモーション?動画です。動画時間00:50から見てもらえれば十分かと思います)

・敵艦の動きは5パターンのジャンケン
 敵艦の動きを読むとなると、結局感覚やセンスの話になるのかというと、そういうわけではありません。あなたが戦艦や巡洋艦だとして、敵の巡洋艦をロックオンにして撃とうとしている状況を想定します。あなたが発砲したときに、敵艦の動きはどんな動きがありえるでしょうか?
 本当に当たり前のことを言っていて恥ずかしいのですが、次の5パターンしかありません。(1)直進等のそのままの動きを継続(2)奥転蛇(3)手前転蛇(4)減速・停止(5)加速 このどれかの行き先に撃てば、弾が当たるということになります。

・敵の動きのパターンは5パターンからさらに絞ることができる
 5分の4も外してちゃダメだろぉ!と思ったあなたは正解です。したがって、あなたは主砲を撃つ際に、敵の行動を読まなければなりません。敵の行動を読まないといけないとはいっても、そう難しいことではありません。フローチャートにまとめてみました。

 例えば全速で進む敵がいたとしましょう。
 (1)ですが、1射目で、敵が撃たれても回避機動を入れないような相手であれば、2射目からは(1)の方向に撃てばいいですし、回避機動をいれてくるようであれば以降は(2)(3)(4)を考えればいいことになります。
 (3)手前転蛇は基本的に戦艦から撃たれる位置にいるときはできません(再度奥転舵し離脱に時間がかかるため)から、その場合(3)は選択肢から消えます。
 (4)が少し厄介なのですが、敵が減速しているということはその場から離脱するのがもう少し後になるので、次の3射目のチャンスや味方の処理にも期待できるため、優先順位としては下がります。となると、基本的には発砲後の動きは(2)のみを考えれば事足りるということになるので、発砲するときは(2)敵の奥転蛇後の位置に向かって撃つのが最も合理的ではあるということになります。私としては(5)加速≧(2)奥転舵>(4)減速>(3)手前転舵、という順序で敵にされると困る動きなのかな、と考えています。

 フローチャートの中でオレンジ色のマスがありますが、それは選択肢が3つ以上ある場合だと、斉射して外す可能性・ロスが大きいため、半射×2を検討しましょうということを提唱しています。

 このように、発砲するときであっても、マップ状況や周囲の味方艦の状況を把握していると、自分が撃とうとしている敵が行けない方向や、腹を曝せない方向がどっちなのかがわかるため、敵が直進するのか、どちらに転舵して回避をするのか、加減速どちらかなのかちうジャンケンに勝ちやすくなります。

・偏差を取るのが下手な人の特徴
 エイムが下手な人の特徴のひとつに、発砲直前の敵の動きが継続すると見込んで発砲するというものがあります。例を挙げると、発砲時に横に進む敵艦が発砲後に奥転舵した場合や、発砲時に斜め手前斜め奥に進む敵艦に向けた敵が、発砲後再度転舵を入れた場合に、見事に外すイメージがあります。これは、↑のフローチャートでいう(1)にしか撃ってない状況です。
 そういった人は、斜め方向の偏差の幅の取り方が下手というよりも、「自分が撃ったあとの敵艦の動きに対する想像力が欠けている」ことにその原因があると私は考えています。例えば、任意の方向に直進・転舵をし続ける敵がいた場合に、あなたが斉射をしたとしましょう。Tier6くらいまでならそのままの機動で動いてくれる敵もいるかもしれませんが、Tier7以降だと大体の人は撃たれたと分かったら回避機動を入れてくるため、その直進や転舵が続いた方向には敵艦は移動してくれません。結果、当たらない弾を撃つ羽目になります。
 そこで、敵艦がどのような回避機動を入れてくるのか、回避機動を入れたのちにどのような位置にくるのか、これらの点を、日常のプレイやプレイ動画で確認しなければなりません。

・敵の動きを絞れないときは撃つのをやめるか見直してみる
 敵の動きが絞れないときは、撃った際のデメリット(隠蔽状態から被発見状態になる、被発見が継続して敵艦から撃たれてHPが減る)に比してメリットがない(ダメージが出せない)ということも考えれば、その敵には撃たないという選択肢を検討してください。場合によっては、もしかしたらあなたがマップ上で孤立してしまっている可能性もあります。試合終盤は1on1の状態も考えられますが、序盤中盤であれば、有効なダメージを出せそうな他の敵艦を狙ってください。(もっとも、↑のフローチャートをよく見れば、とりあえず半射1回分だけ常に撃っていい方向があるはずです。)

3.偏差の幅の取り方について

・まずは上記↑の(1)~(5)の5パターンを意識する
 「自分はエイムが下手なんだ・・・」と自覚のある人は、まずは↑の(1)~(5)のパターンのジャンケンにいつもある程度勝てているかについて、普段のプレイを確認してください。↑のジャンケンで負けていたらその時点で弾が当たらないことが確定します。したがって、プレイの最中に漫然と敵の回避機動を眺めるのではなく、事前に予測し、それが合ってるか?というトライ&エラーを繰り返してください。

・その後に、(1)~(5)の行動を取った後の敵の位置を確認する
 自分がある程度敵の行動予測ができているな、というようになったら、次は普段のプレイやプレイ動画で、(1)~(5)の行動を敵がとった後の表示位置がどこに来るのかを意識して見ていきましょう。5パターンしかないので、意識してみていけば割とすぐに掴めると思います。減速転舵についても、高Tierでは当たり前の技術になるため、高Tierの試合を見ていけばすぐに修正できると思います。
 また、その際も、①①’の距離での偏差をしっかり鍛えていくことを意識してください。コツとしては、勝手に敵の移動経路を想像するのではなく、撃った時の敵の表示位置の画像と、落弾したときの敵の表示位置の画像を重ね合わせた差分を意識するといいです。2枚の合成画像を、頭の中にストックするイメージですね。プレイ動画であれば、撃った時と着弾の時の再生時間を飛ばして見て、リピートすると偏差の幅が分かりやすくなると思います。上手い人のプレイ動画であれば、そのまま偏差の取り方をマネするのもアリです。
 画像5枚用意したかったのですが、面倒なので自分のプレイやプレイ動画で確認してください。自分のリプレイとかでもスクショしたりすれば確認できますし。
 <行動予測ジャンケンの経験値>と<偏差の幅イメージのストック>で、エイムの能力に差が出ます。

・巡洋艦→対駆逐艦へのエイムについて
 ここまでの説明はどちらかというと巡洋艦や戦艦が巡洋艦や戦艦を撃つことを念頭に説明してきましたが、巡洋艦で駆逐艦を撃つときのエイムについても触れておきます。
 この場合であっても、手順は同じです。距離が10㎞程度という条件下になって、(1)~(5)のジャンケンをする→偏差の幅を取るという手順です。次回以降、回避機動について述べる機会があれば述べようと思いますが、なぜ駆逐艦に弾が当たらないかというと、駆逐艦は発見された時点で減速・停止しているため、↑のフローチャートの分岐上、行動予測を絞れないから、という点に尽きます。これに、的が小さいという条件が加わって、(1)~(5)の場合における偏差の幅がかっちりしてないといけないため、二重に困難が生まれることになります。
 したがって、敵駆逐に毎回有効なダメージを出せる人=本当にエイムがうまい人 ということになります。出せている人、動画に上げてほしいです。

・①エイムの能力(各論編1/3)=自分の②回避機動(各論編2/3)の能力?
 最後に、エイムの能力の話からは少し外れます。細かい点は次回以降述べる機会があれば詳述します。
 まず、自分が出来ない回避機動は、敵の行動予測で想像することはできないために、エイムで考慮することが出来ない、ということを述べておきます。例えば、減速での回避が思いつかない人は、自分が狙うときに敵が減速するかもしれないということに気付けません。
 したがって、巡洋艦で対駆逐のエイムでお困りの方は、もしかすると駆逐艦に乗ると、駆逐艦の気持ちが分かって、敵駆逐の行動予測に生かせるかもしれません。また、なぜ巡洋艦が敵駆逐を撃たないといけないのかにも気付くかもしれません。
 また、↑のフローチャートを見た方であれば、なぜ減速という手段が有効なのかということが分かると思います。まずは自分の回避機動をしっかり練習しましょう。そのあと、撃つときの敵の行動予測の際に、敵の気持ちを考えてみると、行動予測ジャンケンで勝てるようになるかもしれません。

 上の書いた内容は、エイムが出来ている人の思考過程を言語化したものなので、出来ている人は毎回こんなことをじっくり考えているわけではありません。実践を繰り返した結果、自然と動作に表れているのです。ですから、エイムが下手な人で今回の記載内容を実践する人も、やっているうちに感覚で撃てるようになるので、いまこれを読んで無理だよぉ!とならないでください。慣れていけば、いつかは考えずに撃てるようになるはずです

(各論補足編:①砲撃のエイム力 ここまで)

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