【Wows】初心者〜中級者向け解説【各論編3/3】

①魚雷含めたエイム力
②隠蔽・スポットの概念・回避機動(個人技能)といった基本の立ち回り
③マップごとの適正位置の確保、敵味方の配置からの戦局読み(全体把握)
←今回お話しするのはココ

3.③全体把握・マップ読みについて

マップごとの適正位置の確保、敵味方の配置からの戦局読み(全体把握)の能力とは、一言でいえば「生存性」につながる能力です。副次的な効果として味方の戦局作りという効果もありますが、主に「生存性」について述べていきたいと思います。

・「生存性」について
 分艦隊を組んでいると、「そこに敵がいたのか!(悲鳴)」「うわ、魚雷だ!(悲鳴)」「敵の数が多すぎる!(悲鳴)」という声が聞こえてくることがあり、前は自分もよく言っていたので、その気持ちはよくわかります。
 しかし、私が別の人から指摘されたのは、「なぜそこに敵がいるかもしれないと思わなかったのか」「駆逐艦が発見されていない段階でなぜ魚雷が撃たれていないと思ったのか」「敵の数が分からないのになぜ前に出たのか」といった厳しい意見を言われたことがあります。
 つまるところ、そういう方は「マップを見て考えながらプレイせず、目の前の敵だけに夢中になっており、その後の自分の動きや試合の流れを考えてプレイしていない。だから気付いた時にはもう遅く、後手に回って撃沈が確定する」これが真理だと思います。
 そんなことを言ってじゃあお前は試合の中で敵の行動が全部わかるのかと言われたら、そんなことは不可能です。しかし、今から自分がされたら困る敵の行動を想像し、そうなったらマズイパターンが発生する可能性を考慮して、それを避けながら行動することは誰でもできると考えています。この場合、不測の接敵や不測の魚雷というものは存在しないはずなのです。これが出来ない人が多いからこそ、このゲームで圧倒的勝者と圧倒的敗者の二分が起きていると私は考えています。
 以下、事例をピックアップしてマップ読みがなぜ「生存性」に関わるかを述べたいと思います。

・バイタルを抜かれる人や事故魚雷を貰う人について
 まず結論から言うと、バイタルを抜かれるプレイ・事故魚雷を貰うプレイをしている人は、考えてプレイしていない人の象徴です。「破壊的一撃」をくらう人は、本当に猛省をした方がいいと思います。
 バイタル抜けは腹抜き・尻抜けの種類がありますが、どちらも同じです。すなわち、抜かれる距離・体勢であったという点では変わりがありません。「もう転舵出来ない…突っ込みます」という状況は、マップを見てそこが安全位置では無いかもしれないにもかかわらず、転舵時間も考えず漫然と突っ込んだことを意味します。また、遠距離から抜かれた場合は、その敵戦艦がいるであろう方向をチェックせず、回避機動も入れないで漫然と腹を向けて直進していたことを意味します。
 事故魚雷をもらう人は、駆逐艦がいるであろう方向に縦を向けて(実際には斜めになるはず)体勢を整えていなかったことを意味します。10㎞以内に駆逐がきていなかったか?というチェックもしないで、駆逐艦からの魚雷に驚くというのは少しどうなのかと思います。だってそれが駆逐の攻撃方法ですよね?結局、この場合もマップ上の駆逐艦の失探位置から現在位置を予測したりすることなく、考えずに動いていると言わざるを得ません。魚雷に当たっていいとすれば、縦を向けていたけど微妙に角度がずれていて密度の高い魚雷が来てしまった場合しかないはずなのです。
 この事例を話しただけでも、「マップを見ていない」というのがどれほど低レベルの話なのかがお分かりかと思います。マップを見た上で、敵の動きを考えるという作業が必要なのに、見ていなかったらお話になりません。

・敵(3隻~)から集中砲火を浴びて撃沈する人について
 これも考えてプレイしていない人の象徴です。私から言わせてもらえば、なぜ敵から集中砲火を受ける位置に居た、行ったのかが分かりません。味方が皆前に出ない、下がった!という人に言わせてもらえば、あなただけがマップを確認せず周りの味方は皆マップを確認していた!と自白しているようなものです。もちろん、後述する戦艦ではヘイト交換が必要なので、それがうまくいかなかった場合は仕方ないのかもしれません。しかし、試合中には適切な距離で膠着するラインが必ず存在しており、そこを超えた人から集中砲火を浴びて削られるわけで、戦艦であってもある程度は同様だと考えています。
 たまに試合終盤でもないのに、「リスクを背負って突入する」という考えのもと前に出る方がいますが、この際はっきり言わせてもらえば、それは「生存して帰ってくる腕もないし、80%で死亡するけど敵のHP5000削れたらいいな」という考えのもと突っ込んでいるにすぎません。序盤に死ねて楽でいいですね。考えずにプレイして後の人の負担だけ高めて知らんぷりですか。

・試合終盤について
 とここまでの内容で、私が芋ってプレイをしろと言っていると感じた人は、おそらく①②の能力に欠けているのです。敵と距離を詰めて適切な位置で引き撃ちを開始し、回避起動を取りながら(=②)敵にきっちりダメージを出し(=①)、再び隠蔽に戻る(=②)という、基本的な動作が甘いために、弾を当てるために膠着ラインを超えた距離で敵に弾を撃って継戦能力を失ったり、回避が甘いためにHPを必要以上に失ったり、隠蔽に入らず無駄に距離を取って戦線の後方へと離脱して攻撃の機会を失ったりしてしまうのです。
 敵と打ち合うゲームなのですから、ダメージを食らいながらも敵にもダメージを出すにあたって、不必要なダメージを食らわないようにしようと提唱しているのです。全く沈むなと言っているわけではなく、互角に削り合って沈没してしまう船が出てくるのは当然で、そこについて責めようとは思いません。

 ただし、試合終盤(残ポイント100で決着がつくか、試合時間が残り5分を切る状況)となると今度は話が一転します。この場合、大差をつけて勝っている(艦艇数差が4、ポイント差が300以上、ダメージレース優位等)なら多少リスクを背負って稼ぐプレイに走ってもらって構いませんし、その逆で負けているならどうしようもないですから同じく稼ぐプレイに走ってもらって構いません(諦めないで勝ち筋を考えてほしいですが)。
 問題なのは、微妙に勝ち越しているに過ぎない場合や、微妙に負けている場合です。私が別の方から頂いた言葉の中に、「勝っているときは動くな、同等か負けているときは動け」というのがあり、勝っているときは不要なリスクを負う必要はないけど、勝つかわからないor負けているときは沈没覚悟で突っ込めという意味です。このような場合は、撃沈のリスク承知で動かないといけません。
 ということは、試合終盤にラッシュをかけるためにも、本当は試合の序盤中盤で死んではいけないのです。試合終盤の戦略を立てるときに、味方の数が少なかったり残HPがわずかだと、戦力が足りず立てられる戦略も立てられなくなってしまいます。私が不必要な撃沈に厳しいのはこのためなのです。

・適性位置について
 どこが適切な位置なのかについてですが、マップごとに異なりますし、艦種や艦ごとに隠蔽距離も射程(発砲ペナルティの距離)も異なるため、それこそ分艦隊で分かる人に積極的に教わりに行くほかないでしょう。また、あなたの②の回避起動のレベルによっても、その位置は前後します(「回避特化」可能な腕なら限界ラインを超えられるし、比較的下手なら後ろに下がるしかない)。
 しかし、どの艦種にも共通して言えることとして、ミニマップの自艦の被発見円がどの位置まで伸びているかは確認できるはずです。敵駆逐がいるであろうCAPゾーンや敵の失探位置付近に、自分の非発見円の線が重なる場合、敵駆逐から発見されることが分かります。このとき、自艦がすでに転舵をして横向いている状態でなければなりません。発見された後に転舵を開始すれば、当然敵があなたを撃つときに横を向いて腹を晒すことになります。その場合は、全敵の発砲・落弾を待ってから即座に転舵を入れる必要があるでしょう。
 ある程度敵の位置を予測して、マップ上での自艦の非発見距離がどこまで伸びていて、どこで転舵すべきかという感覚は、練習すれば身に付くので、できない人はCOOPや分隊で練習してみてください。このマップ読みの経験値の差は一朝一夕では埋まらないので、意識していなかった人は次の試合から意識しましょう。

・駆逐艦の位置について
 まず、駆逐艦は戦場の「目」と呼ばれるように、スポットをして回らないといけない一方、敵駆逐と不測の接敵をしてしまわないように、敵の配置を考えながら動かないといけません。さらに、駆逐艦の移動展開スピードが速いことからも、その思考スピードも的確に、早くしていかなければいけません。
 次に、そうはいってもCAPやスポットのためなど、発見のリスクを背負いながら前に出ないといけない場合もあると思います。この場合は、斜めに前進してすぐに反転できるように、すなわち隠蔽に入るまでの時間を短くすることに集中した方がいいと思います。また、敵駆逐艦をスポットする際は味方巡洋艦の射線が通っているかをしっかり確認した場合でないとやってはいけません。
 駆逐艦は①魚雷のエイム(各論編1/3参照)で述べたように、戦場のコントロール役でもあるため、本当に死んではいけない存在です。そのため、巡洋艦のスピードですら適性位置を考えられない人(前に出すぎ、引きすぎの両方)は、駆逐艦に乗るべきでないと考えます。

・戦艦の位置について
 戦艦についても、ここまで述べた内容で正直もう足りているかと思いますが、戦艦の特殊性として、ラインコントロールが求められるという事情があります。敵にしっかり弾を当てプレッシャーをかけ(いわゆるアタッカー役、①砲撃エイムの能力)、敵の砲撃を引き受けなければいけません(いわゆるタンカー役、この項目で述べた③生存性の能力)。この場合であっても、無意味に前に出る必要はなく、許容ダメージを引き受けられる程度に位置し、敵の巡洋艦を下げられる位置にいれば十分です。①の能力があれば自然と敵は下がるはずです(=すなわち、①の能力がない人は乗ってはいけない)。まずは生存から考えてください。
 戦艦は移動速度・転舵時間ともに遅いため、後で修正が効きづらく、考えた適性位置の正確性が求められる艦です。少しでも後手に回れば、前に出過ぎて集中砲火やバイタルを食らって撃沈したり、後方に行き過ぎたりして(いわゆる芋)ラインを崩壊させ、周りを犠牲にしてしまいます。戦艦独自の許容ダメージを基にした位置感覚があるため、慣れが必要な面もありますが、この③のマップ確認・戦局読みが出来ない場合はあまり乗るべきではないと考えます(もっとも、②があまり必要なく、スピードが遅い分のんびり考えられるので、むしろ戦艦ならついていけてる人もいるかもしれません)。

・生存率について
 ここまでくると生存率さえ高ければいいのかという話にもなりかねませんが、もちろん生存率が高いに越したことはありません。しかし、必要な場面で生き延びていることと、トータルで生き延びていることは合致しません。必要な場面で死んでしまったとしても、必要な場面では生き延びていたことこそが大事です。適性位置や戦局が読み解けず、芋らずとも無駄にウロウロして生き延びて試合がなんとなく終わっている艦も山ほどいますから、このような艦は生存率が高くても評価には値しないでしょう(むしろ低い)。

・艦長スキル「危険察知」について
 最後に、マップ読みと関連して、艦長スキルの危険察知の使い方を説明しておきます。
 危険察知をつける事の目的の1つに、戦闘中のヘイト管理という点がありますが、もう1つあってマップ上にいる敵艦の数を把握するためという目的があります(特に駆逐艦や島裏の巡洋艦の数をあぶり出す)。
‎自艦が隠蔽→発見済となったときのことを思い出してください。このとき、被発見数は0→1になったと考えて、多くの人は敵駆逐がいると判断するはずです。
‎ これと同様にして、危険察知でMAXロックオン数に注意して、例えばロックオン数が4になった場合は自艦の発見数が1→4になったと考えます。このとき、マップを見て有視界範囲に3隻しか映ってない場合、残り1隻がマップのどこかに隠れています。オープンスペースなら駆逐艦ですし、距離がある場合or島のある場所なら隠蔽に入っている戦艦の可能性も高いことを意味しています。
‎ この使い方はマップを見ていなければできませんし、敵の失探位置から現在地を探すという作業を継続的に行っていないと訳が分からなくなる上、もう一つの難点として自分が最前線に出た場合などの、ヘイト引き受けを行わないと敵からのロックオンが集中しないという点があります。しかし、敵全員から完全にロックオンされずとも、敵艦の砲門がどこを向いてるかを確認して、自艦に砲を向けている(回し始めている)敵艦の数をロックオン数から引けば、まだ発見できていない敵艦の数は割り出せるはずです。

 よくこのスキルと敵弾接近の有用性を比較する人がいますが、全く異なるスキルです。おそらく、この比較をしてしまう人は、マップ読みをしておらず、危険察知スキルを事後的に使うのみで、発見数が高まったら下がる、というヘイト管理にしか使ってない方なのだと思います。
‎ また、敵弾接近は必ずしも反応しない事がある点、自分で敵艦の砲門の向きを確認しなくなるという意味で、あまりつける事をおすすめしていません。前回(各論編2/3)の②回避機動の項をよく読んでください。

(各論編 3/3 ここまで)

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