『古畑任三郎』の新作ストーリーを考えてみた Part4

⚠️はじめに⚠️
 今回紹介するエピソードの中には、諸事情により実現が難しいキャスティングがあります。
 これまでに紹介してきたエピソードは、今回の分も含めて全て2023年以前に考えているので、あくまで当時のアイデアだということをお忘れなく。

 『古畑任三郎』オリジナルストーリー&キャスティングのご紹介第4弾。
 前回の問題の正解は、この記事の最後に発表するのでお楽しみに。

朽ち果てた命
犯人:来海忠彦(きまち・ただひこ)
演:坂口健太郎
職業:動物園飼育員
凶器:石
〜あらすじ〜
来海は、奥多摩動物園に勤務している若手飼育員。端正な顔立ちで、公式SNSに彼の作業風景が投稿されると、約5万件のいいねが付くほど注目を集め、来園者数が大幅に増加するという異例の現象を起こしている。ある日の深夜、門の施錠のし忘れにより、園内に侵入者がいることが判明する。夜勤中の来海が現場へ駆け付けると、そこには泥酔した男性サラリーマン・大野がいた。襲い掛かってきた大野に驚いた来海は、防衛のために石で大野を撲殺してしまう。懲戒処分を恐れた来海は、大野をペンギンのプールへ突き落とし、水死に見せかける。

殺人者のメンタル
犯人:橋田夏子(はしだ・なつこ)
演:黒木瞳
職業:心理カウンセラー
凶器:拳銃
〜あらすじ〜
心理カウンセラー・橋田は、あらゆるクライエントの相談援助を行ってきた大ベテラン。古畑を地下室に閉じ込めてしまったことがトラウマとなって休職していた今泉のカウンセリングを行ったのも彼女である。橋田には俳優として活動する弟・恭輔がいるが、2年前から彼の失墜を目論むライター・水元から、独占入手した女性スキャンダルを公開しない代わりに金銭を要求され続けていた。弟を救うため、橋田は水元の説得に向かうが、成果は得られなかった。交渉決裂を察し、最終手段の発動に踏み切ることを決意した橋田は、水元を銃殺する。

ディスられた男
犯人:SHOGO(しょうご)
演:染谷将太
職業:ヒップホップMC
凶器:睡眠薬・ビール瓶
〜あらすじ〜
SHOGOは、近年その人気を徐々に伸ばしているヒップホップMC。幼少期にピアノを習っていた経験があるため、自ら作曲を手がけることもある。しかし肝心のラップ技術は、人気を二分するライバル・Genの方が上回っていた。Gen自身もSHOGOを見下すような言動を繰り返していたため、SHOGOはもどかしさを感じていた。邪魔者を排除し人気を独占するため、サシ飲みを口実にGenの自宅を訪れたSHOGOは、飲んでいたビールに睡眠薬を入れ、眠りについたGenを撲殺する。

尊き殺人者
犯人:小鳥遊賢斗(たかなし・けんと)
演:溝端淳平
職業:2.5次元俳優
凶器:特殊警棒
〜あらすじ〜
自らが主演するミュージカルでは10万人を動員する人気を持つ2.5次元俳優・小鳥遊は、数ヶ月前から執拗なストーカー行為に悩まされていた。そんなある日、小鳥遊の自宅に1人の女性が訪れる。小鳥遊はその顔に見覚えがあったが、すぐその女性こそがストーカー・平田であることを悟る。平田はずけずけと小鳥遊の自宅へ入り、私物を勝手に触り始め、更には住所が拡散されるか自分と交際するかの2択を迫る。悪びれる素振りを一切見せない平田に激怒した小鳥遊は、平田を撲殺する。

辞世の一首
犯人:若槻理沙(わかつき・りさ)
演:浜辺美波
職業:大学院生
凶器:金属バット
〜あらすじ〜
帝政館大学大学院修士課程に在籍する大学院生・若槻は、専攻している万葉集の研究に邁進していた。今まで恋愛には目もくれずに勉強に明け暮れていた若槻であったが、研究室を共用する男子院生・志賀と行動を共にするうち、その人柄に惹かれ、次第に好意を抱き始める。しかし、志賀には地元である新潟に許嫁・徳田がおり、既に卒業後の進路として家業の引き継ぎと徳田との結婚が決まっていた。失恋の絶望が殺意に変わった若槻は、志賀を撲殺してしまう。

殺人アルゴリズム
犯人:須賀浩和(すが・ひろかず)
演:星野源
職業:プログラマー
凶器:拳銃
〜あらすじ〜
スマホ用ゲームアプリの開発を手がけるITベンチャー企業・テクノサイバーでプログラマーとして働く須賀は、同僚の女子社員・石井と交際していた。2人の仲の良さは社内で評判であり、結婚目前とまで噂されるほど交際は順調に続いていた。しかし、帰宅途中に忘れ物に気付いた須賀が会社へ戻ると、そこには不倫をしている社長・南野と石井がいた。恋人を奪われた憎しみと自分以外の男に乗り換えられた怒りが込み上げた須賀は、当日の深夜に石井を、翌日の早朝に南野を銃殺する。

邪悪なカプセル
犯人:堤義雄(つつみ・よしお)
演:四代目 市川猿之助
職業:製薬会社研究所所長
凶器:新薬
〜あらすじ〜
日本の大手製薬会社であるツルガ製薬の研究所所長・堤は、就任からわずか3年で自らも研究に携わっていた新薬の開発に成功する。しかし、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から審査を通過できなかったとの通達を受ける。その裏では、堤の快進撃を快く思わない副所長・永倉が担当者と手を組んでいたことが判明する。医療の発展より自分の立場を優先した永倉の行動に激怒した堤は、研究段階のため致死性が残っている新薬を用いて永倉を毒殺する。

ひび割れた盃
犯人:横山恒靖(よこやま・つねやす)
演:高橋克典
職業:杜氏
凶器:日本刀
〜あらすじ〜
雛美村の名産である大吟醸「雛の誉」の醸造元で杜氏を務める横山は、市場をさらに拡大させるため、全国に店舗を持つスーパーマーケット「ミサトヤ」へ話を持ちかける。当初は雛の誉を全国の店舗に置くことが決定したが、直前で担当者が交代となり、話は白紙に戻されてしまう。新しい担当者・河合は雛の誉を単なる地酒としか見ておらず、全国的に売り出しても収益は見込めないと言い、半ば強引に商談を打ち切る。プライドを傷つけられた横山は、河合を斬殺する。

やらせの犯罪
犯人:西村成治(にしむら・せいじ)
演:阿部サダヲ
職業:演出家
凶器:ヒ素
〜あらすじ〜
西村は、舞台や映画、テレビドラマなど幅広い作品の演出を手がける有名演出家。スタッフを一新して制作されることが決定した刑事ドラマ『ブルガリ三四郎』の演出も担当する予定であった。しかし撮影が進むにつれ、主演を務める俳優・小室が非常に頑固な人物であることが分かり始める。彼は役の解釈を頑なに曲げず、西村の話を聞こうともしなかったのである。小室の横柄な態度に憤慨した西村は、楽屋のお茶にヒ素を混入し、毒殺に踏み切る。

死んだ姉妹
犯人:榎本佑香(えのもと・ゆか)
   榎本理香(えのもと・りか)
演:佑香…三倉茉奈
  理香…三倉佳奈
職業:佑香…化粧品メーカー社長
   理香…化粧品メーカー副社長
凶器:リボルバー
〜あらすじ〜
レプトン化粧品は、高い品質を武器に10〜20代の女性から圧倒的な支持を得ている化粧品メーカー。ある日の定時株主総会において、4割の株を保有する筆頭株主・小川がキャピタルゲインというメリットを主張した結果、上場が決定する。しかし、創業者である榎本姉妹は、創業時から自由な経営ができるよう上場はしないことに決めていた。思い描く理想の経営を実現するため、2人は小川の意見の抹殺を計画する。佑香は説得を目的に小川を社長室へ呼び出し、理香は小川を背後から銃殺する。

完全への挑戦
犯人:美濃部昴(みのべ・すばる)
演:小泉孝太郎
職業:私立探偵
凶器:拳銃
〜あらすじ〜
個人事務所を構える私立探偵・美濃部は、妻子持ちでありながら瀬名という女性と不倫をしていた。ある日、明孝という男性から捜査を依頼される。その男性は瀬名の夫であり、妻の浮気現場を突き止めて欲しいという依頼であった。逃げ道を失った美濃部は、愛の巣にしていたホテルで瀬名を銃殺した後、「妻の浮気を見つけた」と虚偽の連絡をして明孝を深夜の路地裏へ呼び出し、暗闇の中で銃殺する。

 今回はここまで。

 それでは、前回の問題の正解を発表。

 前回紹介した犯人たちを演じる俳優陣の共通点は、全員が「NHK大河ドラマの主演経験者」でした。
 実は犯人役の名前も、その俳優が演じた人物名をもじっています。

小山内一典(上川隆也)
→山内一豊(2006年『功名が辻』)
源篤美(宮﨑あおい)
→源篤子(天璋院篤姫)(2008年『篤姫』)
江川直尋(妻夫木聡)
→直江兼続(2009年『天地人』)
真村繁幸(堺雅人)
→真田信繁(幸村)(2016年『真田丸』)
杉谷文佳(井上真央)
→杉文(楫取美和子)(2015年『花燃ゆ』)
山本佐助(内野聖陽)
→山本勘助(2007年『風林火山』)
西森隆(鈴木亮平)
→西郷隆盛(2018年『西郷どん』)
金田雄三(六代目 中村勘九郎)
→金栗四三(2019年『いだてん〜東京オリムピック噺〜』)
平清仁(松山ケンイチ)
→平清盛(2012年『平清盛』)
八重能美久(綾瀬はるか)
→新島八重(2013年『八重の桜』)
立花秀明(長谷川博己)
→明智光秀(2020年『麒麟がくる』)

 ちなみに長谷川博己だけは、2018年後期のNHK連続テレビ小説『まんぷく』で演じた役・立花萬平からも苗字を拝借しております。

 それでは、次回をお楽しみに。

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