『古畑任三郎』の新作ストーリーを考えてみた Part3

 これまでに引き続き『古畑任三郎』のストーリー&キャスティング構想の第3弾をご紹介。

黒ずんだ金
犯人:小山内一典(おさない・かずのり)
演:上川隆也
職業:税理士
凶器:花瓶
〜あらすじ〜
業務にミスをほとんど出さないことから「税金の鬼」という異名を持つ税理士・小山内は、自身が経営する事務所で所得の隠蔽による脱税を行っていた。かつては国税庁に勤務していたこともあるため顔が利き、担当者・水野に口封じの金を渡して指摘を受けないよう仕組んでいた。しかし、両者のプレッシャーによって遂に限界を迎えた水野から、国税庁に全てを打ち明けることを告げられる。焦った小山内は、衝動的に水野を撲殺する。

血に染まる湯
犯人:源篤実(みなもと・あつみ)
演:宮﨑あおい
職業:旅館女将
凶器:日本刀
〜あらすじ〜
熱海で創業され、130年近い歴史を持つ篠崎旅館の女将・源は、相模エステートという企業から、大規模なホテルの建設を理由に旅館の移転を頼まれていた。しかし、源には先祖代々受け継いできた場所で経営を続けたいという考えがあり、これを拒み続けた。その結果、篠崎旅館は相模エステートから執拗な嫌がらせを毎日のように受けることとなる。従業員たちの不安感を取り払うため、源は旅館を訪れていた相模エステートの社長・青木を斬殺する。

真紅のボトル
犯人:江川直尋(えがわ・なおひろ)
演:妻夫木聡
職業:ソムリエ
凶器:デキャンタ
〜あらすじ〜
年に1000本ものワインをテイスティングし、日本有数の実績を誇るソムリエ・江川は、近年は新人の育成に力を注いでいた。折よく資格認定試験の試験官を担当することになった江川は、弟子を合格させて自らの評価をより高くするため、試験に細工を施す不正を行う。偶然これを目にした日本ソムリエ協会の理事・鷺宮は、江川を地下のワインセラーへ呼び出し、不正の全貌を会長へ報告することを告げる。動揺した江川は、鷺宮を撲殺し、木樽の下敷きにして事故死に見せかける。

ガラスの向こう側
犯人:真村繁幸(まむら・しげゆき)
演:堺雅人
職業:学芸員
凶器:懐中電灯
〜あらすじ〜
帝国科学博物館の主任学芸員・真村は、長いキャリアを誇る古参の学芸員。館内の展示品とその展示場所、所蔵品などを熟知しているため、職員からは「生き字引」と呼ばれ、尊敬されている。しかし、所蔵品についての豊富な知識は、高値で取引されている鉱石を盗み出し、大金を手に入れるという真村の計画の副産物であった。ある日の夜、真村は計画を実行するが、巡回中の警備員・下田に見つかってしまう。自身の立場が失われることを恐れた真村は、下田を撲殺する。

悪夢のロザリオ
犯人:杉谷文佳(すぎたに・ふみか)
演:井上真央
職業:シスター
凶器:鉄パイプ
〜あらすじ〜
杉谷は、東京都中央区にある「カトリック京橋教会」のシスター。敬虔なカトリック信者であり、清貧・貞潔・従順の誓願を厳守していた。そんな中、ある日を境に教会へ頻繁に足を運ぶようになった青年・大内と出会う。何度か会話を重ねるうち、杉谷は大内から告白を受ける。杉谷は、自分がシスターである以上、結婚はおろか交際もできないことを大内に告げ、丁重に断る。しかし、独占欲が暴走した大内は杉谷を拉致しようと襲いかかる。杉谷は近くにあった鉄パイプで防衛を試みるが、その衝動で大内を撲殺してしまう。

崩れゆく野望
犯人:山本佐助(やまもと・さすけ)
演:内野聖陽
職業:建設会社社長
凶器:拳銃
〜あらすじ〜
稲本建設の社長・山本は、就任以降中堅からスーパーゼネコンへの仲間入りが確実視されるほどまでに会社を飛躍させた功績が評価され、経団連の次期会長候補に名を連ねるやり手経営者。山林が切り開かれ、都市開発が進む鬼切村にオープン予定のテーマパーク「ガリバー・シティ」の建設を手がけることが決まっていた。しかし着工直前、オフィシャルスポンサーの堀部パンが、経験の浅さを理由に建設業者の変更を申し出る。経団連会長への道を妨害されたことに激怒した山本は、堀部パンの社長・井崎を銃殺する。

恩恵の報復
犯人:西森隆(にしもり・たかし)
演:鈴木亮平
職業:自衛隊教官
凶器:89式5.56mm小銃
〜あらすじ〜
陸上自衛隊幹部候補生学校教官・西森は、厳格な人物ではあるが、学生からは厚い信頼を寄せられている。そんな西森は、自身が学生だった頃に教わっていた現校長・早川から目の敵にされており、身に覚えの無いミスの濡れ衣を着せられていた。皆の前で謝罪の強要までされたが、後にそのミスが他の学生によるものだったと判明する。しかし、早川は西森に謝罪することはなく、校長となってからも西森の教え子に対してパワハラ同然の行動を取っていた。何とか抑えていた怒りが爆発した西森は、小銃の誤作動に見せかけて早川を銃殺する。

途切れたフィルム
犯人:金田雄三(かなだ・ゆうぞう)
演:六代目 中村勘九郎
職業:カメラマン
凶器:サバイバルナイフ
〜あらすじ〜
父の死に伴い、家業の写真館を継いで活動しているカメラマン・金田は、地道な活動が評価され、遂に月刊誌『カドマツ』の撮影という大仕事を獲得する。ビジネスの幅を拡大させるチャンスと確信し、金田は非常に意気込んでいた。しかし撮影直前、担当が自らのライバルで人脈の広いカメラマン・栗山に交代になったとの連絡が入る。自力で開拓した仕事をいとも簡単に奪われ、プライドを傷つけられた金田は、栗山を自らの写真館へ招き、背後から刺殺する。

笑いをせんとや稼げけむ
犯人:平清仁(たいら・きよひと)
演:松山ケンイチ
職業:吉本新喜劇座長
凶器:灰皿
〜あらすじ〜
なんばグランド花月の公演で常に観客を爆笑させる新喜劇座長・平は、数年前から後輩芸人を連れて闇営業を何度も行っていた。ある日、平は自身の闇営業に関する記事がとある週刊誌に掲載されていることを知る。この騒動に対し、平はだんまりを決め込むつもりでいたが、同行した1人である後輩芸人・溝口が、全てを明るみに出して世間に謝罪すべきだと主張し始める。後輩の行動によって自らの立場が失われると感じた平は、溝口を撲殺する。

アテンション・プリーズ
犯人:八重野美久(やえの・みく)
演:綾瀬はるか
職業:客室乗務員
凶器:青酸カリ
〜あらすじ〜
ここ数年で急成長を遂げているLCC・東洋エアラインの客室乗務員・八重野は、開通したばかりの羽田〜ホノルル間の乗務を控えていた。国際線の乗務は八重野にとって初めての経験であり、期待に胸を膨らませていた。そんな中、恋人の笠原が別の女性と浮気をしていることが判明する。激怒した八重野は、笠原に青酸カリを混入した紅茶を飲ませて毒殺し、ホノルルへの逃亡を図るが、フライト当日は台風の接近に伴い、羽田発の全便が欠航となってしまう。逃げ場を失った八重野は、自殺を試みる。

Killing A Cool
犯人:立花秀明(たちばな・ひであき)
演:長谷川博己
職業:歴史学者
凶器:拳銃
〜あらすじ〜
立花は、新しい日本史の観点を紹介する自著『新たな史実』がミリオンセラーを記録したことで注目を集める歴史学者。戦国時代を専攻としていることもあり、来年に公開される予定の戦国時代を舞台とした映画の製作に、時代考証チームの一員として参加することになっていた。しかし、制作にあたってチームの中で意見が割れてしまう。立花は独自の研究に基づいた主張をしたものの、多数決で天神大学教授・村瀬の意見が採用される。悔しさが殺意に変わった立花は、帰宅するために車へ乗り込もうとする村瀬を銃殺する。

 今回はここまで。

 …ちなみに、今回紹介した犯人たちの名前と演じる俳優には、ある共通点が存在する。
 では、その共通点とは果たして何なのか。正解は次回発表するので推理していただければ。

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