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地上波ではなく、ネットのニュース番組を見る3つの理由(テレビ朝日アナウンサー平石直之)

「ニュースウォッチ9」(NHK)や「報道ステーション」(テレビ朝日)も放送されている平日午後9〜11時。AbemaTVでは、ニュース番組「AbemaPrime」(以下、アベプラ)を生放送しています。放送中には、多くのコメントが視聴者のみなさんから寄せられます。なぜ同じ時間帯に地上波のニュース番組も放送されているなか、アベプラを選んでくださるのでしょうか。そして、視聴者は番組に何を求めているのでしょうか。

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「さらなる飛躍のカギはここにある」ということで、よく見てくださっている方々7人をスタジオにお招きし、“視聴者座談会“を開催しました。
普段の番組さながらの2時間近くに及ぶ議論のなかから、アベプラの“強み“と”今後の課題“が見えてきました。


1.ホンネの議論への期待感

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「議論が白熱すると、ときどき見ていてこわい」

という声がきかれるほど、アベプラでは日々、熱い議論が交わされています。

たっぷり時間をとって、聞きたいことをじっくり聞き、ゲストにとっても主張したいことをしっかり述べる機会があります。結果として、限られた時間で"まとめようとする"既存のニュース番組とは違って、ホンネとホンネがぶつかりあい、時に司会進行役の私もヒヤヒヤするような議論が展開されています。

「物事を多面的にみせてくれる」
「地上波で見ない人たちが、地上波で聞けない話をしている」


という声もきかれ、「タブーを恐れず、本質に迫る議論」を目指すことは、この番組の生命線であることをあらためて認識させてくれました。



2.あえてマスを狙わないテーマ設定

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一方で、「深く鋭く」を目指すと、受け手(視聴者)の対象が狭くなるジレンマについても話が及びました。たとえば、アベプラでは暴力団問題を度々取りあげていますが、「暴力団離脱後の社会復帰の難しさ」「山口組分裂騒動のゆくえ」などとテーマを絞りこむことで、散漫にならない議論を心がけています。しかし、これは諸刃の剣で、関心の薄い人にとっては間口が狭すぎてしまいます。それでも、座談会では、

「対象を広げてテーマがボヤけた途端に、アベプラらしさがなくなってしまう」
「地上波では扱わなくても、ネットのなかでザワついているニュースを取り上げてほしい」


という声もありました。
地上波との差別化を図り、ネットのなかで生き残っていくためには、"あえてマスを狙わない"ことも、重要な要素といえそうです。



3.視聴者と本気で向きあう双方向感

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番組への参加意識、双方向感もまた、地上波では味わえない感覚で、ネット番組の強みであることを再認識しました。

「自分の意見でスタジオの議論が広がっていくのが嬉しい」
「他のネット民が自分の思いを代弁してくれた」


などなど、視聴者からのコメントをスタジオで紹介したり、放送中にいただいた質問を直接ゲストにぶつけるスタイルが好評です。一方で、ゲストへのつっこみが甘かったり、ゆるい議論、ズレた議論が続いていると、厳しいご指摘がコメント欄に並びます。こうした緊張感のなかで、リアルタイムで視聴者と向きあいながら番組を進めていて、スタッフが作りこんだものより、ネットの特性をいかしたオープンな番組作りを期待されていることがわかります。

「ニュースでわからないことがあったら、コメント欄で教えてくれる人たちがいる」

というように、放送中は視聴者どうしもやりとりを交わしていて、番組をみながらそれらを楽しめるのもネット番組の大きな特徴です。

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最後に、ご指摘いただいた課題や疑問を列挙します。

・ハイレベルな議論を目指すのか、初心者にもわかる議論を目指すのか。

→踏みこんだ議論への期待感が高いので、その路線は維持しつつ、身近な事柄から議論をスタートさせたり、用語解説を画面やコメントで随時入れたりして、見やすさにもより一層こだわっていきます。

・話が長い人などに対しては、もっと仕切ってほしい
→そもそもお招きしている方の話を遮るのは失礼との思いもあり、できる限り自由に発言してもらうことを心がけていますが、他の出演者が発言する機会をきちんと確保するためにも、全体のバランスを欠いているときには、積極的に介入します。

・さまざまな現象をとりあげる感度はいいが、それらは必ずしもいいことばかりではないはずだ。
→その通りですね。その現象により懸念される問題点など、負の側面にもきちんと触れていきます。

・延長放送をもっとやって!

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→必ずしも結論は出なくても、中途半端に議論を終わらせないこともアベプラの大方針。必要に応じて放送を延長します!
(アベプラでは、午後11時までの放送時間そのものを延長することが、まれにあります)

・テレビのスターではなく、ネットのスターにもっと出演してほしい。
→ネットのスターの方々に「出演したい」と思っていただけるような番組を目指します。

・平石も番組進行しながらツイッターでつぶやいてほしい。
→いまのところ番組進行で手いっぱいですが、コーナーの変わり目など可能なタイミングもある?


いつもアベプラをみてくださっている方々に集まっていただき、あらためてこうした方々の熱い思いに番組が支えられていることを実感し、大いに感激したのでした。

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ということで、できるところから、早速実行しています!

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(こちらのツイッターアカウント(@naohiraishi )で、日常的に視聴者の方々とやりとりしていますので、引き続きご意見ご感想をお待ちしております)



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