見出し画像

SerieAへの推薦状/Lorenzo Lucca

プロフィール
名前:ロレンツォ・ルッカ
所属:ピサSC
国籍:イタリア🇮🇹

 今シーズンのセリエA最大のサプライズをアンドレ・アンギサかサムエレ・リッチとするなら、B最大のサプライズはロレンツォ・ルッカ以外にはいないでしょう。何と言ったってこの男、昨シーズンまで4部にいたのですから。開幕7試合で6得点。もう既にピサの英雄になりつつあります。今回はそのルッカについての解説をしていきたいと思います。

 彼を語るに置いて欠かせないのが201cmという身長。エディン・ジェコが193cm、シミーが197cmと言えばどれだけ恵まれた体格をしているかがわかります。その巨体を活かしてロングボールの起点になったり、クロスのターゲットになったり出来ることは容易に想像が付くと思います。201cmという身長を聞いて、エディン・ジェコ、マリオ・マンジュキッチのようなタイプをイメージした方もいると思います。しかし、意外なことに頭でのゴールは6節のパルマ戦の1点に止まります。もちろん序盤ですし、パレルモでは頭でのゴールも沢山ありました。では、彼の最大の魅力は何でしょうか?

 ルッカが最も得意とするのは、背負って反転して前を向いて自らフィニッシュに持ち込むプレーです。アーリング・ホーランやドゥシャン・ヴラホヴィッチをイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。流石にあの2人と比べるには器用さが足りない気がしますが、それでもドリブルでゴール前へ侵入する姿は非常に迫力があります。

 もちろん本職の9番らしく、ワンタッチゴールやミドルレンジのシュートなどフィニッシュのパターンは多彩で、7節終了時点でマッシモ・コーダと並んでリーグ最多の枠内シュート18本を記録しています。

 現代Bで首位に立っているピサですが、今シーズンの試合を一通り見た感想として正直なことを言いますと、実力以上の結果を出している風に思います。その要因は間違いなくルッカの決定力によるものでしょう。特に2節のアレッサンドリア戦で途中出場から2ゴールを挙げ、チームを勝利に導く姿はまさにエースそのものでした。

 私はチームを独力で勝たせられる選手というのは一定数存在すると思っていて、例を挙げますと12-13のファン・ペルシー(マンチェスター・U)、15-16のゴンサロ・イグアイン(ナポリ)、20-21のドゥシャン・ヴラホヴィッチ(フィオレンティーナ)がそれに該当するでしょう。

 これを言うと怒られるかもしれませんが、昨シーズンのフィオレンティーナはヴラホヴィッチが残留させたと言っても過言ではないと思っていて、仮にもピサがA昇格を果たした暁にはルッカがピサを昇格させたと言われることになるでしょう。

 度々ヴラホヴィッチとの比較を出していますが、フィレンツェとピサは隣街です。ルッカをヴラホヴィッチの姿に重ね合わせたくなるのがカルチョファンの性なのかもしれません。

 ルッカに大きなアクシデントが起こらない限り、来シーズンにはセリエAでプレーしているはずです。それがピサでなのか、はたまた別のクラブなのか。セリエBという揺り籠はルッカにとって小さすぎました。巣立ちの日までの残り30試合を堪能したいと思います。

画像1

(了)

※プレースタイルについては後日、更新する場合があります。ご了承ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?