見出し画像

僕はラブコメが嫌い

 前回のnoteが好評で嬉しい反面、サッカーの記事が伸びないことにショックを受けています。もうサッカーの記事は書きません。

前回のnoteを見ていない方は下記リンクからどうぞ👇 

 案の定、引用RTでありがたいお言葉をいただいたので何個か紹介します。


「去勢しろ」

「別々の部屋を取ろうとするとこめっちゃ怖い」

「抜いた」←???

あとは何故か「そんな阿部さんが好きです」というコメントもいただきました。ありがとうございます。


性欲が有り余って仕方がない私のフォロワーの皆様は、女性と泊まってヤらないという選択肢はないと思いますが、これには理由がありまして。今回はそれについて書いていこうと思います。では。




 私はラブコメが嫌い。別にハーレム状態の主人公に嫉妬しているわけではなく、むしろラブコメの主人公にはハーレムを思う存分楽しんで欲しいというのが私の本音だ。 

 “ニ●コイ”の”一●楽“はウブすぎるし、“彼女お●りします”の“木ノ●和也”は「いちいちそんなこと言わなくていいだろ。」と思うようなことを平気で言うような男だ。そんな主人公の童貞臭が無理すぎてラブコメはあまり読まないようにしている。

 こんな感じで私がラブコメの主人公を毛嫌いしているのも自分が童貞だからだろう。同族嫌悪。自分の嫌いな部分を漫画やアニメを通して見せつけられている感じがするのだ。もっとも、私はラブコメの主人公とは違って全くモテないのだが。


____________________________________________


「阿部先輩、相談いいですか?」


 4月の上旬、私の携帯に一通のLINEが届いた。去年の10月から神奈川に研修に行っている後輩からだ。ここでは便宜上、『後輩ちゃん』と呼称する。

 後輩ちゃんとは、研修に行く前は一緒に買い物をしたり、ご飯を食べに行ったりするくらいには仲が良かった。仲が良い、というか私は後輩ちゃんが好きだ。先輩に手出さなかったのもそれが理由。好きな人としかエッチしたくないからね。

…そんな私が好意を抱いている後輩ちゃんから「相談いいですか?」なんて言われたら答えは「はい」か「Yes」の二通りしかないだろう。空かさず私は「どしたん?話聞こうか?^_^」と返信した。

 チー牛顔のヲタクと野獣先輩の次くらいにTwitterで多く見かけるチンコの魔人。最初はキショいなと思っていたが、女性を落とすには意外と効果的だと気付かされたのでバカにできない。まぁ私はこれで口説けた試しがないんだけど。

 後輩ちゃんの相談内容はこうだ。

①研修先にいたイケメン君と身体の関係を持ち、イケメン君のことを好きになった。
②イケメン君は他の不特定多数の女性と同時進行で身体の関係を持っていた。
③これにショックを受け、友人にもイケメン君はやめた方がいいと言われるも、好きで仕方がない。
④どうすればいいですか?

 好きな人にこんな相談されるこっちの身にもなって欲しいわ。申し訳ないけど後輩ちゃんの歴代の元カレは、浮気症だったり後輩ちゃんにブスブス言ったりするようなのばかりで、男運に恵まれてるとは言い難かった。だから今回もそういう人を好きになって傷つくのは目に見えてる。その旨を伝えたら

「そうですよね。考え直します。」

とだけ言われ、その日のやりとりは終わった。

 私は他人に相談こそすれど、自分の中では既に答えが決まっているので、どんなアドバイスをもらっても聞き入れずに我が道を行く傾向にある。どうやら後輩ちゃんもそのタイプの人間だったようだ。

1週間後に再びLINEが届く。

「イケメン君と飲みに行ったんですけど、そこで結婚を前提に付き合ってくれと言われました。私はイケメン君のこと好きですけど、前の件があるし、酔っていたので本気かどうかわからなくて不安です。」

 私は頭が真っ白になった。現在進行形でいろんな女を喰ってる人間が『結婚を前提とした交際??』
誰がどう見たっておかしいってわかるんだけど、恋が盲目とはよく言ったものだ。当然の如く友人達には猛反対をされたらしく、後輩ちゃんは私に背中押して欲しいんだろうなと悟った。これが後輩ちゃんの片想いだったら、自分も想いを伝えようと考えていたのだが、両想いなら私が介入する余地はゼロに等しい。

 好きな人に好きな人がいる事実を、好きな人の口から知り、目の前でその恋の成就が実現されようとしているのだ。並のメンタルの人間だったら気が狂いそうになるに違いない。当時の私もどうかしていた。

「好きって気持ちが本当ならそれに嘘ついたらダメだよ。両想いなら願ったり叶ったりじゃん。おめでとう。」

なんてクサい台詞を送って携帯をぶん投げた。自分の気持ちに嘘ついてるのは私の方なのにね。前のnoteで不眠症とは無縁だと話したが、この日は一晩中泣いて眠れなかった。


 失恋の翌日、何を思ったのか私は後輩ちゃんに告白することにした。完全にタイミングを間違えた感は否めないが、ここで想いを伝えなければ、今後後輩ちゃんの顔を見て話せないなと思ってそう決意した。

 ダサい?わかるよ。俺でもダサいと思ってるもん。でももう一度あのシチュエーションになっても同じ決断を下すだろう。「ずっと前から好きだった」とか、「本当は直接会って話したかったけどどうしても今言いたかった」とか、告白の言葉はそんな感じだったと思う。

 イケメン君がいなかったら、後輩ちゃんが山形に帰ってきた後に何度か遊んで告ろうって思ってたんだけどなぁ。私はこの後にBSSというエロ漫画のジャンルがあることを知った。BSSをNTRと勘違いしただけで引用RTで叩いてきたヲタクを絶対許しません。


しばらくして後輩ちゃんから返事が来た。


 『私の嫌なところ、ダメなところをたくさん見てきたから私のことを好きになるとは思いませんでした。私も阿部先輩のこといいなって思っていた時期ありましたけど、阿部先輩の気持ちがわからず、先輩後輩の関係が崩れるくらいなら現状維持を選びました。わがままなのはわかっていますけど、私はこれからも阿部先輩と一緒にお出かけしたり、お話したりしたいです。阿部先輩が辛かったら私のわがままに付き合う必要はないので…。気持ち伝えてくれてありがとうございます。嬉しかったです。』


泣いた。また泣いた。サンダーの静電気を引いた時や、黒バドレックスvsメタモンの同速対決で負けた時バリに泣き叫び、発狂した。

 私としてはズバッとフラれた方が切り替えられるので、むしろ突き離してくれた方がありがたいというか、突き離されるために告白したまであるので、このような返答は意外で、より私の心を締め付けた。私は2日連続で寝れない夜を過ごした。

 ラブコメのエンドは主人公とヒロインの誰かが結ばれるのが鉄則だ。諌山創がラブコメを描いてもこんな結末にはならないだろう。私はラブコメの主人公ではなかったということだ。

 同族嫌悪だと思ってたけど、全然同族じゃないじゃん。でもやっぱり、ラブコメは好きになれないや。一●楽、君が羨ましいよ。


(了)







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?