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三国志 2019年8月2日

#三国志 #日中文化交流協定締結40周年記念
#東京国立博物館 #平成館 #2019年8月2日

展覧会の意図としては「三国志」(正史)を取り上げるものだったけど、観る方としては「三国志演義」(通俗歴史小説)が頭にあるし、それを期待するから、何となくどっちつかずの印象でした。だけど今回の展覧会は、日中の専門家が協力して企画した新しい試みだそうなので、将来、第二弾、第三弾と続けてもらえればもっと面白い展覧会が出来上がるのではないかと期待できると思います。

私の趣味から言えば面白かったのは次の4点です。

(1)飯田市川本喜八郎人形美術館所蔵の人形たち
   (有限会社川本プロダクション)
  全部で9体かな、展示されていました。が、これらは展覧会の出品目録にはありません。展覧会趣旨に合致していませんもんね。でもお客さんの関心を引くには有効な出品だったと思います。主催者の方はここら辺苦労されたんではないかと思います(正史関連の出品だけでは地味)。
  そうそう、NHKの人形劇が昔あったよな、と思い出しました。見てなかったけど(私が見ていたのは「南総里見八犬伝」)。きれいだし、よくできているなと素人ながらに感心します。9体がズラッと並んだら壮観でしょう! 9体の写真は撮りましたが、他の方がSNSに多数挙げるでしょうからここでは控えます。

(2)儀仗俑 1969年、甘粛省武威市雷台墓出土、
       後漢時代・2~3世紀、甘粛省博物館
  青銅製の車列自体は精緻なものではなかったけれど、権力の象徴としては説得力ある副葬品だと思います。一部に色が残っていてたのが面白かったです。2015年「始皇帝と大兵馬俑」で出品されていた「銅車馬」(複製)位の大きさがあったら迫力あるんだけど・・・。そもそも、そんなものが出土したら国宝級のお宝になっているんでしょう。

(3)五層穀倉楼 1973年、河南省焦作市山陽区馬作出土、
   四層穀倉楼 2009年、河南省焦作市馬村区王多白荘出土、
   三連穀倉楼 2005年、河南省焦作市建設銀行耕工地出土、
         (何れも)後漢時代・2世紀、焦作市博物館
  そもそも私がジオラマ・模型が好きなのでこのような出品には目がありません。土製で壊れずに、尚且つ彩色も良く残っていてビックリです。現代の細工物に比べたら遥かに素朴ですが、当時の本当の姿を虚飾なく伝えているようで面白いです。

(4)諸葛亮「出師の表」
  出品ではありませんが、内容が面白かったので。本当にこのような決意書を奉ったのか知りませんが、少なくとも物語としてはよくできています。恐らく本当に奉ったのでしょう。大阪冬の陣か夏の陣か忘れましたが、豊臣方の主将(真田幸村?)が秀頼に対して同様のことを申し述べています(もちろんこれも物語かもしれません)。味方が窮地に立たされたとき、御大将の言動が最も大事ということは、社会的生き物である人間である以上、古今東西時代を問わず共通するのでしょう。

博物館を後にして、横山光輝氏の「三国志」を無性に読みたくなりました。全60巻、大人買いかな!?