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美を紡ぐ 日本美術の名品 2019年5月17日 5月24日

#美を紡ぐ #日本美術の名品 #紡ぐプロジェクト
#東京国立博物館 #2019年5月17日
#本館特別5室4室 #本館特別2室1室

先週金曜日が大行列だったので今週再挑戦。
金曜夜でも比較的混んではいた。名品というのか、日本を代表する作品ばかり集めているのだから皆さんが興味を持つのは当然と言えば当然。
ともかく会場が狭くて難儀した。来客数は読めたと思うので、もっと広い展示室を用意して欲しかった。

プロジェクトの趣旨から、展示品は宮内庁三の丸肖蔵館、文化庁、東京国立博物館の三者が所蔵するものばかり、なのかな。展示室の趣旨説明を読まなかったし、図録も買わなかったので分からず。
著名な作者ばかりで、国宝、重要文化財が多数展示されており、
「文句あるかぁ~っ!?」

・・・と、いつも通り自分の好きな作品を探しながらウロウロ。

「唐獅子図屏風」 6曲1双
 右隻 狩野永徳筆 安土桃山時代 16世紀
 左隻 狩野常信筆 江戸時代 17世紀
お気に入りは左隻。右隻を受けての左隻の躍動感たるや、「常信、天才かよ」と思います(軽薄な言い方ですみません)。そして、(右隻に比べて)遥かにモダンに見えます。去年開催された「名作誕生-つながる日本美術」での展示品(伊藤若冲ら)(或いは、2019年2月~「奇想の系譜展」東京都美術館)の上手さと全く異なる表現で面白いです。このレベルになるとどちらが好きということはできなくなりますね。
いつものことですが、この作品を自分の家に飾るとしたらどれがいいかな? と妄想します。そもそもこんな大きな作品は広大な御殿でないと入らないし、展示空間とのバランスが取れないと作品が台無しになるし・・・、と妄想は即座に頓挫するのですが。

「納涼図屏風」 2曲1隻
 久隅守景筆 江戸時代 17世紀
”簡素な絵”というのは適切ではない表現かもしれないですが、いわゆる若冲の画と対極にあるような画です。もちろん表現方法が全く異なるのですから対比することに意味はないと思いますが、見た目ではね。
たったあれだけの画から空間と時間との創造力を無限大に広げることができます。例えば、涼んでいる周囲の情景(空間)、あの3人の関係(時間)、日常の生活(空間、時間)、社会環境の変化(空間、時間)等々。作者は納涼の一瞬を切り取っただけかもしれません。こんな他愛もない光景に人生の最大の幸せがあると感じたのかもしれません。
観た人と対話ができる画だとおもいます。

「新緑杜鵑図」 1幅
 与謝蕪村筆 江戸時代 18世紀
こんな画(掛け軸)があるなんて知りませんでした。作者も俳人でしょ!? というのは私の認識不足でした。
画に奥行き感があり、掛け軸を窓として向こうの世界へ入って行けるような、そんな錯覚を覚えさせます。手前の樹木の描き方も(少なくとも私は)これまで観たことないようなものでした。特に色使いが独特と思います。

特別展を観た後は本館内と東洋館内とをグルっと一回り。
本館内で狩野探幽の画(手帖? 弟子たちがお手本とする画)があってこれは良いと思ったのですが、詳しい情報を控えておらず。今度行ったとき確認しておきます。
東洋館はいつも通りだったかな。

(2019年5月24日に再度観覧。その時に撮った図巻の解説文を載せます。手帖ではなく図巻でした。もう一言。「納涼図屏風」はやはり傑作だと思いました。)