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小説

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下書き連載、有料小説、無料小説などをまとめていきます。
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2020年2月の記事一覧

AMITA(2) 鹿威しの音で目覚める胎児

 生と死の境が定かではない羊水の中に浮かんでいるまだまだ未熟な胎児は、目を閉じたまま自分の親指を吸っていた。

 胎児には直線に進んでいく時の感覚はなかった。

 ただ母親の心臓の鼓動の穏やかなリズムが無限に円環していた。

 母親の胸を突き上げる「ああ、我が子を孕んでいるのだ」という喜びも、「異質なものを内部に抱えている」ことへのふいに訪れる破壊衝動も(若い母親はそれを無意識に押し込んでいたため

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詩小説覚え書き

創作メモ
(1)次の一行、次の一語への展開が常に意外性に満ちていて、おもしろいようにする。(問題点・・・詩はそれに徹すればいいが、小説は筋の展開上の必要と葛藤を起こす場合がある。そのとき葛藤に負けると説明的になる。)
(2)この一言に出会っただけでも読んだ甲斐があったという言葉を入れる。(人によって違っていていい。)
(3)わかりやすいが単純ではなく、言葉の綾には常に割り切れないものを残す。(割り

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AMITA (1) 獏の前頭葉に灯るカンテラ

 獏は夢を食べる生き物だという。

 靖が五歳の頃だっただろか。
 天王寺動物園で初めて見る動物を指さして「あれが獏や」と靖の父親が言った。

 なんという憐れな生き物だろうか。靖はそう思ったことだけを覚えている。 

 それ以来靖は獏という生き物にすっかり魅せられてしまった。

 不登校がちだった中学生の頃、靖は時々、ひとりで天王寺動物園の獏を見に行った。

 獏には頭がない。脳味噌の入るはずの

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