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現在、第三次大戦中です


NATOを追い詰めていたロシアの陰謀

ロシアがウクライナに侵攻していますが、ロシアのNATO破壊のための行動は、2008年より始まっていました。NATOを追い詰めるための主な軍事行動は、2008年に発生した南オセチア戦争、2015年より始まったシリアへの軍事介入、そして近年のワグネル社の北アフリカでの暗躍が主なものである。これから、そのことについて説明していきます。

南オセチア戦争

ジョージア

ジョージアで、2008年に起こった戦争です。ロシアによる軍事侵攻です。ジョージア国内には、アブハジアと南オセチアという2つの自称共和国があります。この2か国のケツ持ちはロシアです。

ジョージアを通るパイプライン

この侵攻により、カスピ海沿岸からNATO加盟国であるトルコへのパイプラインをいつでも抑えられるようになりました。トルコとEUは、パイプラインが整備されており、トルコだけではなく、EUのエネルギー安全保障にとっても重要な脅威を与えることに成功しました

シリア空爆

シリア内戦に関しては、自由を求める市民と腐敗した独裁政権、イスラム過激派などの様々な勢力が入り乱れ、さらにイスラエルやトルコの軍事介入など、滅茶苦茶な状況になっていましたね。イスラエルとトルコ、ロシアが介入した理由に関してですが、近年、イスラエルで巨大油田が発見され、さらに東地中海で巨大な海底ガス田が発見されています。これをパイプラインでトルコに接続すれば、欧州のエネルギー事情は一変し、天然ガスなどをロシアに依存しなくても済むようになります。しかし、ロシアがアサド政権側に付き、アサド政権を傀儡化したため、アサド政権下のシリアではパイプラインをつなぐことは不可能でしょう。これにより、パイプラインでの天然ガスの輸入は、ロシア依存を続けなくてはならなくなりました。

北アフリカで暗躍するワグネル

2015年の古い地図で現在はもっと複雑

ワグネル社は、ワグナー・グループとも呼ばれているロシアのPMC(民間軍事会社)です。EUでは、ロシアの謀略機関とみなされ、経済制裁されています。近年、マリ、中央アフリカなどでの活動が確認されており、さらにリビア内戦ではハフタル将軍派を支援し、戦闘機まで持ち込んでいます。北アフリカは政情不安定な国が多く、クーデターの発生やイスラム過激派の活動により、政情安定化は困難な場所となっています。そして、チュニジアやモロッコからEUにパイプラインが通っています。また、世界中に輸出される小麦の2割がロシア、1割がウクライナとなっており、主な輸出先の一つが北アフリカです。そのため、食糧価格の高騰などを引き起こせば、政情不安定化や難民の激増も可能であり、謀略を実行しやすい場所であるといえます。

ロシアにエネルギーと難民問題の主導権を握られていたEU

一連の軍事行動により、ロシアがその気になれば、EUでの石油や天然ガス不足、難民の大量流入などの大惨事を引き起こすことも可能になっていました。日本はかつて石油を絶たれてアメリカと開戦しましたが、当時とはエネルギーの消費量も重要性も全く異なります。デジタル化が進んでいる欧州では、キャッシュレス化が進んでいるため、電力が不足すると、カードやスマホの読み取り機が動かなくなるため、物すら買えなくなります。また、石油や電力不足は生産ラインの停止や輸送網の崩壊などを招き、深刻な物資不足が発生します。さらに、農業もデジタル化が進んでいるため、食糧生産にも悪影響が出てきます。その状態で、ロシアが、エネルギーをやるから俺に従えと恫喝してきたら断れるでしょうか?短期ならともかく長期的には難しいですね。さらに、北アフリカ諸国に、ロシアやウクライナで生産された食糧を安く売ってやるからロシアに従えと言ってきたら北アフリカは断れませんよ。断ったら政情不安定になって政権崩壊する国も出てくるし、EUが無理に止めたところで、今度は政情不安定になった国から大量の難民が欧州にやってくる。EUは打つ手なしの状態ですね。それにもかかわらず、ロシアへの天然ガスなどの依存を深めるマヌケが力を持ち、さらに依存を深めていきました。マヌケとはシュレーダーやメルケルのことです。

ウクライナ、モルドバ、ジョージアを征服すればNATOは崩壊するはずだった

ウクライナ、モルドバ占領後、さらにジョージアを占領し、北アフリカ諸国を恫喝すれば、EUもNATOも終わります。今回のウクライナへの侵略は、10年以上にわたる入念な準備の下実行された世界大戦クラスの軍事行動であり、ロシアとNATOの戦争でもあります。また、既存の世界秩序を破壊するための行動であり、世界を破壊するといっても過言ではないほどの行動です。第一段階のウクライナで負けそうなので、大事にはならないかもしれませんが。

おわりに

世界大戦がはじまったにもかかわらず、日本人は危機感が薄いですね。世界秩序が破壊されるか否かの瀬戸際なんですよ。ロシアの主張を真に受けてNATOの東方拡大が悪いとか、アクロバティック9条擁護、全てアメリカが悪いなんて言って喜んでいる余裕はありませんよ。ちなみに、東方拡大ですが、ロシアの自業自得です。ソ連時代の暴力と恐怖による占領から解放された以上、2度とそうならないように行動するのは当然。一方ロシアは、チェチェンで首都を空爆して瓦礫の山に変える戦略爆撃や、強制収容所を運営して行方不明者を数千人単位で出すなど残虐行為を繰り広げており、ソ連と本質的には変わらないことを示しました。さらに、その後も暗殺などのソ連時代を彷彿とさせるテロ行為を繰り返しています。この事態を受けて、東欧諸国がNATOに入って身を守ると考えるのは当然のこと。東方拡大はロシアの暴虐な振る舞いが招いたものです。

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