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久々に大山山頂に、参拝登山

阿夫利あふり神社にお参りするため、伊勢原の大山おおやまへ。

夏のライトアップを見に行っているので2ヶ月前ぶりですが、今回は数年ぶりに、山頂の本社までお参りしてきました。

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出遅れたので急ぎ目に

伊勢原駅前に着いたのが昼前で、少々出遅れました。

路線バスで30分ほどで、出発点の「大山ケーブル」バス停へ。

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大きな御神燈を左手に見つつ、こま参道方面に向かっていると、石垣がピンクに染まっていました。

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近づいてみると、表面を覆った草に、丸い花がついているのでした。

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調べてみると、ヒメツルソバ(ポリゴナム)という、ヒマラヤ原産の植物なのだそうです。

こま参道では寄り道をせず、どんどん進み、鈴川にかかる雲井橋を渡ります。

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中腹の阿夫利神社下社しもしゃまでは、急峻な「男坂」と比較的ゆるやかな「女坂」がありますが、今回は体力温存のため、女坂へ。

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女坂には「七不思議」があるのですが、毎回確認しているので、こちらも今回はほぼ素通り。

別の機会に詳しくご案内したいと思います。

七不思議の4つめを過ぎたところで、前不動堂、倶利伽羅堂(龍神堂・八大堂)が見えてきます。

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こちらにはきちんとご挨拶をして、さらに先へ。

大山寺で御本尊を拝む

厄除の「かわらけ投げ」で知られる大山寺おおやまでら本堂の石段前に到着しました。

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両脇には「三十六童子」の像がずらりと並んでいます。

こちらも石段を覆うようにモミジがあり、紅葉すると壮観な眺めです。

以前、11月下旬に行った時は真っ赤に染まっていましたが、今回はまだまだ青々と。

石段を登って本堂の前出ると、ヘルメット姿の可愛らしい石像がありました。

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これ、以前にもあったのかな?と思いつつ、本殿にお参りして御朱印をいただき、さて先へ、と思ってよく見ると、「本日御開帳日」の文字。

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以前は気づかなかったのですが、疫病退散祈念のため、特別開帳をずっと延長しているようです。

これは貴重な機会、と拝殿に戻り、靴を脱いで奥へ。

国指定重要文化財でもある、ご本尊の不動明王像、脇侍像の矜迦羅こんがら童子、制吒迦せいたか童子両像を参拝することができました。

この三像は、いずれも鉄造(そのため御朱印でものぼりでも「くろがね(=鉄)不動明王」という表記がなされています)。

鎌倉時代中期に造られたこの像は、鉄仏てつぶつとしては日本でもっとも大きいそうです。

他にも、県指定重要文化財である「木造不動明王坐像」など、貴重な仏像をお参りすることができました。

下社参拝、そして本格的登山へ

その後さらに先へと進み、下社へと到着したのは14時前のこと。

この辺りのモミジは少し色づき始めていました。

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参拝を済ませて、こちらでも御朱印を、と思って見てみると秋の特別な御朱印が出ていました。
赤と黄の2種がありましたが、今回は黄色の方を頂きました。

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少し休憩ののち、いよいよ山頂に向けて出発。

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登山口前でお祓いをしたのち、門をくぐります。

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ここから先は、まさに山道、という感じで、石が無造作に転がっているだけのような登山道が続きます。

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山頂への道の見所

なかなか険しい道ですが、ところどころに見所があります。

大きな二つの杉が繋がったかのような、「夫婦杉めおとすぎ」。
こちらは樹齢500〜600年にもなるそうです。

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丸くて周囲に花びらのような重なりがある、「牡丹ぼたん岩」。
牡丹の花のように見えることから名付けられたそうです。

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こんなところに石垣があったんだっけ!とびっくりしたところには、天狗がその鼻で突いて穴を開けた、といわれる、その名もズバリ「天狗の鼻突き岩」。

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拳大の丸い穴が開いていました。
鼻を突き刺す様を思わず想像してしまい、いくら天狗でも痛かろうに、となんだかおかしくなってしまいました。

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分かれ道である「追分おいわけ」には3m以上の石碑が。

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これは江戸時代に、強力ごうりきと呼ばれる、登山案内や山越えの荷運びを生業とした人たちによって、運ばれてきたものだそうです。

富士山が見える「富士見台」もあるのですが、この日は雲に覆われて、全く見られませんでした。

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マトリックス? イナバウアー?(どちらも古い?)のような、アクロバティックな生え方をしている木もありました。

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誰もいない山頂、神様は…?

登っている最中は、時間も時間なので降りてくる人たちと頻繁にすれ違いました。

特に印象深かったのは、山頂間近の銅製の鳥居近くですれ違った若者たち。
その中の一人が「抹茶♪ 抹茶♪ わらび餅!」と歌いながらなのには思わず笑ってしまいました。

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足取りも、挨拶で交わした声もいずれも軽快で、これが若さか〜!と。

一方でこちらは、久々の本格的(?)な山歩きに、足がだいぶ重く。。

体力はあるつもりでいましたが、もうちょっと鍛えておかないとなあ、と思い知らされました。

また、風が強く、しかも冷たかったため、汗をかいた体が冷やされるのにも難儀しました。

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そうこうしながらも、山頂まで着いたのは良かったのですが、遅過ぎたためか、全て戸締りがなされていました。

大山祇大神おおやまつみのおおかみが祀られている「本社」、大雷神おおいかずちのかみの祀られた「奥の院」、高龗神たかおかみのかみ(「龗」は雨雪を司る龍を意味する文字)を祀る「前社」、いずれもシャッター、あるいは格子戸越しのお参りとなってしまいました。

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以前山頂に来た時は、かなり混み合っていたので、こうして誰もいない中で静かに参拝できたのはよかったです。

山からのプレゼント

さて帰り道。

山頂手前には排水溝の蓋などでよく見かける、「グレーチング」というもので作られた階段がありました。

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説明によると、鹿などがこの上を歩くのを嫌がる習性を利用して、植生を保護するため、また山頂まで入り込むのを防ぐために設置されているのだとか。山の中らしからぬ人工物のため、わざわざ説明板を設置しているようでした。

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なるほどそうなのか、と思ってふと顔を上げると、何か大きなものが動いていました。

びっくりしてよく見ると、立派な角をそなえた牡鹿でした。

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とっさのことでうまく写真が撮れませんでしたが、向こうは悠々と、斜面を登ってその向こう側へと歩き去りました。

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思いがけない邂逅にドキドキしつつ、さらに下っていくと、登山道をさっと横切る影。

鹿が通ったあたりまで降り、走り去った方を見てみると、そこにまだ佇んでいて、こちらの様子を伺っているようでした。

先ほどよりは小柄で、子鹿?とも思ったのですが、大人の牝鹿かもしれません。

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あまり驚かさないように、遠目に写真だけ撮らせてもらい、静かに降りて行きました。

鹿ならまだしも熊が出ないかと振り返りながら先へ進みましたが、それ以降、動物の姿を見ることはなく、1時間ほどで下社のところまで下山しました。

降りは脚へのダメージもなかなかのものでしたが、ここから麓まで出ているケーブルカーもすでに終了していたため、さらに女坂を歩いて下山しました。

もう暗くなってきてはいましたが、この辺りでは風の冷たさは感じず、標高の高いところとそうでないところの違いを痛感しました。

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伊勢原駅までのバスは、この辺りで仕事を終えたと思しき方々と一緒になり、ずいぶん遅くなってしまったんだなあと思いながらの帰路となりました。

山頂できちんとお参りできなかったのは残念でしたが、思いがけない出会いもあって、充実した参拝登山となりました。

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