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「か・かた・かたち」の認識プロセスを学ぶ

アカデミーヒルズの会員制ライブラリーでは、メンバー主体の活動としてメンバーズ・コミュニティ(略して、MC)があります。
現在6つのMCが活動を展開していますが、今回は「デザインについての勉強会」の活動を紹介します。
3月20日に開催された定例会のテーマは「デザインは、どう使う? 誰でも使えるの?」がテーマでした。

最初は、主宰の鈴木一好さんからのお話です。大きくは2つの事をお話いただきました。
・広義のデザイン・狭義のデザイン
【広義のデザイン】
目的を達成するための思考の枠組み、コンセプトの設計、実際の形に落とし込んで表現するまでの全ての工程のこと。
【狭義のデザイン】
設計したことに基づいて、実際にモノに形を与えること。

rereデザイン

上記は鈴木さんのパワーポイントですが、広義ではデザイン思考・デザイン経営・サービスデザインなどが含まれて、狭義ではモノの形になるとのこと。
経済産業省のデザイン政策のサイトの説明が分かりやすいとのことで紹介いただきました。

・「か・かた・かたち」(『代謝建築論』菊竹清訓示)

建築家の菊竹清訓氏が、50年以上も前の1967年に出版された『代謝建築論』で展開されている<か・かた・かたち>の認識プロセスについて解説いただきました。(下記は、鈴木さんが準備してくださったパワポ資料です)

か・かた・カタチ

<か>:本質的な段階であり、思考や原理、構想
<かた>:実体論的段階であり、理解や法則性、技術
<かたち>:現象的段階であり、感覚や形態
認識のプロセス:<かたち>→<かた>→<か>
実践のプロセス: <か>→<かた>→<かたち>

認識のプロセスは、具体的現象を感じて<かたち>、何故そうなっているのかを共通項や法則性を見つけて理解して<かた>、その本質・原理原則を知る<か>の順番で帰納法になります。

実施のプロセスは演繹法(三段論法)になります。まず構想を練り<か>、構想を実践に近付けるために技術的な裏付けなど実体概念で把握しなおし<かた>、具体的なモノやサービスに落としこむ<かたち>になります。


以上の鈴木さんのお話を踏まえて、「か・かた・かたち」をより理解するために、具体的な商品やサービスを例に出して、<か>は何か? <かた>は? <かたち>は??? と、参加したメンバーから色々な意見・考えが続出。
話が脱線すると、鈴木さんが交通整理をしてくださり、それをきっかけにまた意見が続出。
最後は、森ビルの都市開発やアカデミーヒルズの話に発展しました。

改めて、「か・かた・かたち」をアカデミーヒルズに当てはめてみると
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<か>:対話型プラットフォーム
<かた>:会員同士がフラットに交流できる仕組み
<かたち>:メンバーズ・コミュニティ
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でしょうか?

50年以上前に考えられたフレームワークを今でも活用できることの凄さに驚きを覚えるとともに、菊竹清訓先生は、アカデミーヒルズの前身の「アーク都市塾」の立上げ期のメンバーでいらっしゃり、ご縁を感じました。

そして、「デザインについての勉強会」を主宰してくださっている鈴木一好さんはデザイン・コンサルティング・ファームの代表を務めていらっしゃいますが、大学では建築を学ばれていたとのことで、鈴木さんのデザインに対する考え方の基礎(<か>)には建築があることを知りました。

鈴木さんのサイト

そして、自分の「か・かた・かたち」、特に「自分の思考の基礎は一体何か?」をしっかりと自問自答したいと思いました。


アカデミーヒルズ 熊田ふみ子


#アカデミーヒルズ #メンバーズ・コミュニティ #デザイン思考 #菊竹清訓

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