有形固定資産の減価償却

生産高(利用高)を配分基準とする減価償却計算方法には生産高比例法がある。この方法は、減価が主として固定資産の利用に比例して発生することを前提とするが、このほか、当該固定資産のそう利用可能量が物質的に確定できることも、この方法適用のための条件である。このような制限があるため、生産高比例法は、期間を配分基準とする方法と異なり、その適用されるべき固定資産の範囲が狭く、鉱業用設備、航空機、自動車等に限られている。

なお、生産高比例法に類似する方法に減耗償却がある。減耗償却は、減耗性資産に対して適用される方法である。減耗性資産は、鉱山業における埋没資源あるいは林業における山林のように、採取されるにつれて漸次減耗し枯渇する天然資源を表す資産であり、その全体としての用役をもって生産に役立つものでなく、採取されるに応じてその実体が部分的に製品化されるものである。したがって、減耗償却は減価償却とは異なる別個の費用配分法であるが、手続き的には生産高比例法と同じである。

固定資産を贈与された場合には、時価等を基準として公正に評価した額をもって取得原価とする。

固定資産の耐用年数には、一般的耐用年数と企業別の個別的耐用年数がある。一般的耐用年数は、耐用年数を左右すべき諸条件を社会的平均的に考慮して決定されたもので、固定資産の種類が同じであれば、個々の資産の置かれた特殊的条件にかかわりなく全国的に画一的に定められた耐用年数である。これに対して、個別的耐用年数は、各企業が自己の固定資産につきその特殊的条件を考慮して自主的に決定したものである。元来、固定資産はそれが同種のものであっても、操業度の大小、技術水準、修繕維持の程度、経営立地条件の相違等によってその耐用年数も異なるべきものである。

総合償却には2種類の方法がある。1つは、耐用年数を異にする多数の異種資産につき平均耐用年数を用いて一括的に減価償却計算及び記帳を行う方法であり、もう1つは、耐用年数の等しい同種資産又は耐用年数は異なるが物質的性質ないし用途等において共通性を有する幾種かの資産を1つのグループとし、各グループにつき平均耐用年数を用いて一括的に減価償却計算及び記帳を行う方法である。総合償却において平均耐用年数は、要償却額合計を個別償却の定額法による年償却額合計で除して求め、この平均耐用年数を用いて、定額法又は定率法により、毎期減価償却費を計算する。なお、総合償却においては、その適用を受ける個々の資産が取り替えられても、あるいは新しく資産が加わっても、著しい変化がないかぎり、平均耐用年数の改定を省略するのが通常である。

Source: 有形固定資産の会計処理の概要 固定資産の取得・減価償却


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