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『セブン』観る者の心に傷を残す7つ目の大罪の恐ろしさ

 引退を控えたベテラン刑事サマセットは、新米刑事ミルズと共に殺人事件を捜査することになる。2つの現場には、同様に文字が残されていた。それを見た彼は、キリスト教における「七つの大罪」に絡めた犯行と気づき、殺人が続くことを予測するのだが。
 今観て思うのは、ブラッド・ピットには現在ほどの表現力がない。ただそれはミルズの未熟さを際立たせていて、この映画の中で上手く機能している。そして、むちゃくちゃかっこいい。
 フィンチャーも作今の作品ほどの完璧さはないが、暗くもクールな映像やカメラワークの多彩さなど、既に才気を放っている。
 そう、この作品はこの2人の若さゆえの荒削りさがあり、それが劇中、特にラストにおいて、強烈な求心力を持っている。2人は多くの傑作を経て、今の映画界を代表する存在へと成長していく。

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