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『めまい』衝撃的なプロットと、ヒッチコックの魔術めいた多彩な演出による不朽の名作

 脚本が本当に凄く、ラストまで真相をとっておきながらも、求心力はずっとあり、それは増幅していくのだ。原作がいったいどんな作品かは、正直分からないが、大変興味がある。
 私は映画は形式に興味があり、ストーリーにはそれほど拘らないのだが、この映画は先が気になって気になって仕方なかった。そして、腑に落ちたとき、物語は突如、、
 ヒッチコックの演出も終始素晴らしいが、後半の主人公の悪夢の映像は、こちらが動揺するほどだ。また、中盤の波打ち際での主人公たちの求め合うショットの迫力は、これぞシネマといわんぼかりだ。 
 また、ジェームズ・スチュアートの心身の変化の見事な体現が、この作品の芯の部分であり、その尽力に最大級の賛辞を贈りたい。
 この作品はこれから先も色褪せないだろう。再現しようとしても、決して再現できないからである。

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