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『saltburn』倒錯した性愛と憎しみが全てを毒で吸いつくす

 I loved him.オリヴァーはその愛の表現が歪だった。倒錯した性愛と憎しみは、全てを奪っていくことになる。
 バリー・コーガンとジェイコブ・エロルディを捉えるカメラの流麗な動きが素晴らしい。そこにエレガントな劇伴が鳴ると、画面がどこまでも開かれていく。
 saltburnという屋敷を舞台にした登場人物たちの動静が、この物語のメイン。その中でのオリヴァーの行動が、全てを破滅させていく。オリヴァーのクィアっぷりは正直ときに吐き気がするも、彼をとてもリアルに描いていた。
 この映画は監督のエメラルド・フェネルが監督・製作・脚本を兼ねている。彼女の映画だと言っていい。そして、その才能は余すことなくこの作品に込められている。細部までこだわった輝く映像とラストの華麗な答え合わせは、魅惑的で、こんな禍々しい映画であるのに、私はにんまりとしていた。This is cinema.

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