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味のある銭湯

初めてnoteのフォトライブラリからサムネを借りた。
私の写真も誰かが使ってくれる日が来るのかしら。


去年9月に高円寺に行った時、銭湯へ行った
夜行バスで帰る予定だったので
ライブの汗と化粧を落としておこうと思い
あらかじめ調べておいた
駅からほど近いそこを訪ねると
その日のお湯は、どれもお茶だった


お湯は3種類
ストレートティーの湯
緑茶の湯
ミルクティーの湯
どれも無糖でした

お茶の香りの入浴剤ではなく
きちんとお茶っ葉が煮出してあった
お茶屋さんとのコラボ企画中だったらしい
お茶の香りに満ちた大浴場
不思議な空間だった

湯船に入る前に手桶で湯を汲んで、頭から浴びた
素っ裸で頭から紅茶をかぶったとき
絵本や映画の世界みたいだと思った
夢の世界はたまに現実に現れることがある

なみなみとお茶が入った湯船に浸かると
とてもいい香りで、湯加減も抜群だった
飲んでも美味しい上等なお茶を風呂に使う贅沢
ストレートも緑茶も、ちゃんとお風呂だった

ただ、ミルクティーのお湯に入った時
あの時だけは、なんというか
お風呂として認識するのが難しく
タピオカのことばかり考えていた

湯船から上がり、シャワーで全身を洗った
頭からかぶったせいだろう、乾かした後も
全身にお茶の匂いが染みついていた
あんなにいい匂いになったのは初めてだった

お風呂に入っただけでは得られないような
とても良い気分を味わった
ふわふわしたまま喫茶店へ行き
1時間ほどまどろんだあと
手紙を書いた
そして帰りのバスで、ぐっすり眠った

お茶は飲むものだと思っていたけど
お風呂にして浸かってもいいらしい



あれからというもの
紅茶を飲むたびに
銭湯を思い浮かべている

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