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2024/3/14 朝

《ふりかえり旅行記①》

2024/03/14 6:30 am
1か月ぶりに渋谷に降りたつ
毎回おなじ場所に到着するのに
未だに現在地を把握していない
降りた瞬間に迷子なのであった

2月に来た時は、着いたのが土曜日だった
バスの到着したビルから外へ出たとき
早朝とは思えないくらい人が行き交っていた
前日はいわゆる「華金」
朝までとっぷり飲み明かしたのだろう
誰をみてもアルコールで顔が弛んでいる
だるそうな足取りで肩を支え合っていたり
大きな声で笑いあっていたり
何もないのにつまづいたりしながら
それぞれの千鳥足で、同じ方向へ歩いている

ピンときて、その後ろについていく
私の選んだグループは男女4人組だった
口々に「終電で寝過ごした先で一番遠かった終点駅はどこだったか」のエピソードを披露するのを聞きながら、歩くこと数分
思ったとおり、渋谷駅に着いた

そんな感じで私も漫然としていたため
道をまったく覚えていない

さて、3月の話に戻る
今回着いたのは木曜日の朝
さすがに渋谷といえども、平日の真ん中
歩いている人は少なく徹夜の匂いも薄い
そして、みんな違う方向へ歩いていく
道は放射状にいくつも分かれている
困った 先月はどの道を行ったっけ?
駅がすぐそこなのはわかっているけど
周りを囲むビルが方角をわからなくしている
いや、方角なんてわかったためしがなかった
ビルの壁に立ててある地図看板を見ても
まるでちんぷんかんぷん
どうしたもんか 早く移動したいけど

看板の前でボーッと突っ立っていたら
その横を女の子が通り過ぎていく
リュック+トート+キャリーケースの大荷物
季節はずれにたっぷり着込んだ服装
(夜行バスで降りてきた人だ)
迷いない足取りで渋谷の繁華街を歩いていく
その後ろ姿を追いかける

やった、渋谷駅だ!
今回も自力では辿り着けなかった
たぶんいつまでたっても道は覚えない
成功体験は人を鈍くさせる


これだけの量の文章を書いてるのに
まだ渋谷駅に着いただけ という
久しぶりにnoteを書くと
楽しくってつい長くなりがち
そして、朝はまだつづく


渋谷の街にはいつまでも慣れないけど
都内の電車は慣れっこだ
昨晩まで愛媛の片隅にいたのに
今は山手線に揺られている
時空をちょっと超えてる気がする
すこしふしぎなSF体験

渋谷駅から上野駅へ移動した
私は上野駅の構造をとても気に入っている
地上、地下、中空が全て同じ空間にある
天井が高くて、天窓から空も見える
まるで博物館みたいな造り
駅の中なのに閉塞感がない
何度行ってもワクワクする駅

コインロッカーに大きい荷物を預けて
向かったのは常磐線のホーム
今日は普通列車でゆっくり行こう
NewDaysで買ったおむすびを頬張って
通勤・通学の人に混じって北へ向かう
平日の朝の電車は静かで、少し眠った

途中で一回乗り換えたりして
上野を出てから、およそ2時間
見慣れた風景が見えはじめる
今日の第1目的地、水戸に到着
東京に来ると決まって訪れる街
これで何度目になるだろう
もはや地元のような安心感を抱いている

いろんな街へ訪れてきたけれど
住みたいな、とまで思うのは水戸だけだ
縁ある土地だから、というだけにとどまらず
人々の空気感や時間の流れ方
暮らしやすく発展したまちづくり
ほどよく残してある長閑な部分
あらゆる面が自分の感覚と合っている
居心地の良さが、そう思わせる


旅先で得たそういう直感は信じろ
そんな言葉をどこかで見た
うん、私もそう思う

《2024/3/14 昼 につづく》

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