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あちらの世界とこちらの世界

怪しげなタイトルになってしまいましたが、涼しくなる話ではありません。
期待された方、ごめんなさい。



夫は、私にとっては癒しスポット

でも夫の実家では、3兄弟の中で一番好き勝手やっているやんちゃ坊主という立ち位置。

所変われば評価が変わるのは当たり前と言えば当たり前なんですが、ある日それがとても不思議に感じてしまい、なんでかなーと考えていました。

そこで私が、あーそうかーと納得したのは、あちらとこちらは世界が違うということ。

ちょっと大袈裟すぎますかね。

でも私はそれがしっくりきたんです。


あちらの世界

私の言うあちらの世界とは、一般的に良しとされている世界です。

周りと外れて好きなことをするのは、わがまま。
自分の気持ちは我慢して親や先生の言うことを聞くのが良い子。
言われた通りのことをすぐにできるのが良い。
枠にはまって、型通りの理想に近づくのが良い。

私もそんな家庭で育ったし、学校もそうだった。世間、社会もそっちがほとんどの印象です。私が知らないだけかもですが。

私はそれを苦痛に思いながら、そうするのがいいことなんだ、そうでなければこの世界は生きられないんだと思っていました。できない自分を責めながら、それに合わせようとしてきました。

彼は、自分のしたいことをする人。したくないことはしない。しても「あーつまんなかった」と深入りしない。至ってシンプル、動物的。

多分彼は不器用でそんな生き方しかできなかったんだと思います。こうしなさいができなくて、こうしなさいに従わなくて和を乱す人。だからあちらの世界では、好き勝手やるわがまま坊主。


こちらの世界

一方こちらの世界は、それぞれ好きなことをする世界。

誰に言われたではなく、自分の心が決める。
何が正解ではなく、自分の心が決める。
何を周りが喜ぶかではなく、自分が喜ぶことを選ぶ。

嘘がないから、気持ち悪くない。
我慢しないから、人にも強要しない。
無理をしていないから、ご機嫌でいる。
その時、その時でしたいことをしている。
したいことをしているから、相手にも期待しない。
したいことをしているから、感謝されなくても別にいい。
したいことをしているから、すぎたことは忘れる。

こちらの世界では、彼がマスター。私はまだまだ門下生。私はこちらの世界の方が好きだし、心地いい。

一見わがままで和を乱す様だけど、こちらの方が平和だって彼を見ているとわかる。

そんな風に、違う世界なんだなあと考えていました。

あちらとこちら

我が家はこちらの世界。だからあちらの世界を見ると窮屈に感じたり、不思議に感じたりします。今回鹿児島に行って、夫の兄や弟が無条件に義母に従っているのが不思議に見えました。旅行の予定があることも話さずにキャンセルして義母に従おうとしたり、弟が車を運転していた時、右の道とわかっているのに義母に「左よ左!」と言われて左に曲がっちゃったり。

まあそれもいいんですよ、批判しているわけじゃないんです。母親の意見に従ってあげようって優しさかもしれないし、ハイハイってやってるのが一番楽って学んでるのかもしれないし。ただなんか、不思議に感じて。

不思議に感じる位、わたしがこちらの世界に来ているってことかもしれないけど。

あちらに入れば我が家の考え方は変な人です。わがまま野郎です。

逆に我が家にあちらの人が入ったりすると、噛み合いません。浮いてます。ある人が、なんで馴染まないのかなあと思ったけど、その人はあちらの世界の人なんだなと思ったら、私の中で納得がいきました。

できないを見せられる夫は最強

そんな夫ですが、兄弟の中で一番母親と仲がいい様に見えます。弟とも仲がいいです。兄は父親がわりと言う責任を背負っているのか、ちょっと硬いですが、夫のことは「好きにすればいい」と言っています。呆れているだけかもしれないけど。

夫は器用に色々できないので、早々に「あいつはああだからしょうがない」と周りが思っていたのかもしれません。バカだなダメだなと思われていたかもしれないけど、諦めてもらうのはいいことかもしれない。できないならしょうがないと思えるから。



私はできないを出せなかった。プライドもあったかもしれないし、できないと必要とされなくなる、嫌われるとの恐怖もあったかもしれない。なんでなのかはわからないけど、とにかくできないを見せることをとても恥ずかしく、見せてはいけないと思っていました。できそうなふりは上手くなりました。

両親とも、できないと大変なことになる。生きていけないという必死な生き方だったから、そういうものだと私も必死に生きてきたんだろうと思います。


できなくたって平気だよー
嫌ならやらなくていいんだよー
どんな私も大好きだよー

そんな世界があることを、夫に教えてもらいました。

不器用で、カボチャの皮が硬いことも知らなくて、言葉、国語が苦手な彼ですが、みんなに優しくて、いつも楽しくて、愛されキャラの様に見えます。


「間違えちゃったー知らなかったー」そう笑える彼は最強なのかもしれない。



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