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「NUKAIRO」米ぬか玄米カイロ。開発の道のりその2

こんにちは。accos 行方です。
今回は、前回の続きから製作サイドのストーリーで、補助金採択後、「NUKAIRO」がプロダクトとして完成するまでの再開発記録(別名 永井奮闘記)をお話ししたいと思います。


南魚沼市チャレンジ支援事業補助金の二次審査(プレゼン)を通過し、無事に事業を採択された当事業(「骨盤ケア米ぬか玄米カイロ 開発・販路拡大事業」)ですが、製品のカバー部分について、180度ひっくり返すことになった本製品・・・。この時、まだ名前は未定でした。

サンプル一号の骨盤ケア米ぬか玄米カイロ(この頃はまだ仮称)


サンプル一号からの再開発

まず、今回のサンプル一号を、監修をいただいている名古屋の鍼灸サロンHikari 松葉様 にアドバイスをいただきました。

施術中の風景 https://hikari-55.com/ より

【自己紹介】 松葉光里 鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/マタニティ鍼灸師/レディース予防医学指導士
名古屋市で妊活・マタニティ・産後・生理痛など女性特有のお悩みに特化した鍼灸サロンになります。

https://hikari-55.com/

新潟と愛知では距離があるので、事前にサンプルを送付して、ZOOMを用いてその場で試用いただきながら改善案を話し合いました。光里様のご経験の中でご使用経験のあるメーカーの骨盤サポーターとも比較し、accosの「温め」に特化したサポーターに仕上げるための改善案をまとめました。

改善案

  1. 縦幅を長くする

  2. 長さを長くする

  3. 引き締め力を強くする

  4. フィット感をつける

  5. 強度を上げる

結果として、本体カイロ以外全て改善が必要でした。

永井曰く

「将来的にしっかりと【製品】として売っていきたいのなら、かわいいとか、ハンドメイド感を出すのはやめよう」

とのことで、サンプル一号の考えは捨てて、新しい製品を作る気持ちで再開発をスタートしました。


基本的に職人気質の永井です。いつもカーテンを少しだけ明けて作業しています

この時、個人事業を始めた当時、知り合いに「うんうん、今ハンドメイド流行ってるよね!」や「こんなもの、売れるの?」という声を受けたりして、今まで【なにくそ根性】でやってきたこともあり、永井の「製品として」という言葉を聞いた時、私(行方)自身も当時のことをまた少し思い出して納得したような気持ちになりました。


しかしながら、まとめた改善点については、骨盤サポーターのような形の製品開発が初めての私たちにとっては、海千山千の様にはいかないことが多く、完成まで、じわじわと苦しみながら一つひとつ乗り越えていくことになりました。

本体カイロを入れるポケットもこの頃は横から入れる仕様でした


改善1&2:長さ&高さの改善について


まず、長さを長くすることで、大きいサイズの方や男性にもご使用可能となります。しかし、あまり大きくしてしまうと、細身の方に合わなくなってしまったりと、デメリットも出てきます。当社のお客さまの中には、超細身(だから冷えやお腹の不快症状をもっている)の方も少なくない為、ノウハウが無い私たちが、ここをどう乗り越えるか、ぱっと思い浮かべても策が見えませんでした。

結果どうしたかというと、まず幅を長くすることについては、ベルト本体の長さは5cm程度長くするに留め、あとはマジックテープの雌生地(受けになる方)をお腹側ぎりぎりまで伸ばしました。こうすることで、総幅が長くなりすぎず、かつ調整幅が広がるため、汎用性を出すことに成功しました。

ベルトを少しだけ長くし、マジックテープ部を内側に長くしました。

高さについては、10cmほど高さを出し、米ぬかの本体カイロが「仙骨」の中央に当たるように、ベルト下から数センチのところに仕切り縫いを施しました。こうすることで、本体カイロをベルトのポケットに差し入れた時に丁度良い位置で留まります。さらに、下部数センチの仕切り縫い以下の余剰生地がお尻に巻き込むような設計にしました。これでフィット感が増加します。

下部のちょこっとした生地が重要


改善3&4:引き締め力&フィット感UPについて


引き締め力UPといったらストレッチ素材です。電子レンジでは使用不可の化学繊維になりますが、すでにマジックテープが化学繊維のため、ベルトの電子レンジ加熱は不可としていたため、ベルトのメイン生地についても「生地を変えるしかない」状況にたどり着きました。

色々な生地を取り寄せ試作をした結果、私たちが断トツで「これ!」となったのが、強伸縮ながらも薄手でファッション性のあるTEIJIN社の複合繊維「SOLOTEX®」でした。こちらの生地を採用したことで、この製品が私たちの理想に近い「きつすぎず緩すぎない」ストレッチ性のある骨盤サポーターに生まれ変わることができました。この生地については、8月1日公開のマクアケの製品ページでも紹介しますが、とにかく優秀で現在のアパレル業界でも注目の生地です。

伸びるだけではなく、「形状記憶」素材でもある「SOLOTEX®」。薄く強い生地です。
NUKAIROには「SOLOTEX®ハイテンション」という複合繊維の生地を使用しています。

このベルトを、更にダブルベルト仕様にすることでフィット感UPという点においても満足度の高い製品に仕上げることができました。

改善5:強度について


最期に、強度の点においては、下請け会社の㈱OX様に相談し、製品全体の縁を装飾する「パイピング」という縫製技法を採用することにしました。

松葉様との打ち合わせの翌日、「やってみるしかない」という気持ちで、生地屋へリサーチに行きました。さまざまな生地を見ながらイメージを膨らませ、改善案に基づいた試作品づくりが始まりました。

一番最初の試作品。長さ、高さは解決済み。パイピング前にボツになりました(でもこの時は一生懸命作った苦笑)

お蔵入りしたサンプル二号。これが無かったら三号無かった、大事な通り道になった作品。

中央部分とベルト部分の生地をストレッチとストレッチではない生地のツートーンにしたもので、中はメッシュ生地を当ててみましたが、温めたカイロの熱が肌に伝わりにくく、また全体的に厚くなりすぎました。

上からサンプル三号、二号

大体のイメージが固まってきたものの、まだまだ最終版には遠いというこの時点で、accosの縫製加工下請け企業の㈱OX(オックス)様へ製品の相談をしに行ってきました。

当初から、この製品を量産に耐えうる設計にしたいと考えていたこともあり製品の最終調整はオックス様と、と決めていました。ここからは、高速(往復4時間)で何度も通うことになります。

㈱OX様にて

オックスの藤井社長様と専務の藤井様(お母さま)との打ち合わせ。
オックス様はニットを得意とする縫製加工企業様で、今回のパイピングの仕上げ作業をメインに開発をお手伝いいただきました。

広い工場。貴重なお休みにお時間をいただき試作をサポートいただきました。

「SOLOTEX®」に最適なパイピング素材を、ミシンの業者の方も同席で試作をしました。サポーターは、生地だけではなく、ベルトの留め具(マジックテープのそれぞれの面)を挟み込みながらという技術の要る作業のため、ここは、熟練のミシン職人である専務にお任せし最適な生地をご提案いただきました。

改善後の仕様(最終ではなくこれからまた少し変更が入ります。タグも仮です。)
念願の、「プロダクト感」が出てきました。

その後、再度 鍼灸院Hikari 松葉様へ送付したところ、変わりすぎていて驚愕&絶賛をいただいた他、素晴らしい推薦コメント(不妊治療されている方絶対見ていただきたく、製品パンフとHPに全文掲載予定)をいただきました。もう感激で二人ともでうるうるしっぱなしでした。

私たちにとって創業以来の大きな事業となり、大きな成長となったことは確かです。この事業を進める勇気とサポートをくださった南魚沼市様と、鍼灸院Hikari 様、オックス様、本当にありがとうございました!


まとめ、そして名前をつける

「NUKAIRO」の開発は、まさにあの有名なことわざがぴったり当てはまります。やってみなければ、失敗しなければわからないことが本当にたくさんありました。時間もお金も体力もフルで使って、家族にも協力してもらった辛抱の時間となりました。だからこそ、完成したときの喜びも一塩でした。サンプル一号から生まれ変わったこの製品、この後「NUKAIRO(ぬかいろ)」と名付け(正確にはaccos NUKAIROとなる予定です)、命を吹き込んだ次第です。長く愛される商品になります様、心を込めて作りましたぜひ一度お試しいただきたく、改善した際の記録をここに記録させていただきます。

パイピング生地決め前の最終調整版。タグもつきました。
タグ(ブランドネーム)は、パイピングのつなぎ目を隠す目的もあります。
裏に製品表示が記載されています。
素敵なモデル様に着用いただき撮影が行われました

実際にこれが成功するかどうかは市場に出してみないとわかりません。
ご興味のある方、8月1日スタートのマクアケクラウドファンディングでの応援購入をお待ちしております!

次回は、この「NUKAIRO」骨盤ケアサポーターに入っている米ぬか玄米カイロについて、改めてお話しいたします。「NUKAIRO」の製品と紐づけてお話ししますので、ご興味のある方はぜひ見てみてください。
お楽しみに!




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