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オフィス仲介業を面白く切り込む名著『このビル、空きはありません』が業界入門書としてイイ!!

オフィスビル業界を舞台にしている小説、このビル空きはありません!!とても良い感じのお仕事小説で読みやすいのでお勧めしています。

このビル、空きはありませんとは

主人公の女の子が超頑張る不動産オフィス仲介小説なんですよ。

冒頭あらすじ
入社以来、契約ゼロを続けていたオフィス仲介営業の咲野花。ついに初契約かと思われた案件も押印直前で壊れ、とうとう営業から謎の男性早乙女さんの一人部署・特務室に異動になった。


いわゆるお仕事小説という部類にありまして、僕が普段読んでいるような異世界転生ものとはスタイルと違うんです。

普段は異世界転生もののアニメ・小説・漫画ばっかり読んでます(笑)

むしろ結構現実的なお仕事小説です!ちなみに主人公の花ちゃんがつねに前向きなのは共感がもてます。

ただし、花ちゃんの周りではイレギュラーしか起きないので、仲介現場でこんなにトラブル起きてしまったら僕なら凹んでしまいます、花ちゃんは毎回立ち上がるのが本当にイイ!すごく良い!

小説の読み口は非常にわかりやすくて、オフィス仲介の入門書としてとても良いんです。

不動産はその昔はおとり物件があったり、刹那的な営業マンが多くて残念ながら業界的な印象が良く無いこともあるだけに、オフィス仲介の面白さや仕事の大変さや大事なところがこの小説を通じて伝わると良いなぁなんて勝手に思いました(どんな立ち位置やねん)

ネタバレにならない範囲での見どころ

具体的に書いちゃうとネタバレしてしまうのですが、登場人物は少なくキャラ立ちしててどんな営業マンか?社内の雰囲気はといった感じがわかりやすいです。

また、オフィス仲介の現場でよくある現場の課題とお客様キーマンの課題ズレや社長の想いの汲み取りなどは現場のすれ違いも良くあるなぁというところ

それ以外に、お客さんの会社概要を確認してゆくシーンや、中々怪しいわからない問い合わせの対応などなど。こういう事って現場で良くあるよなという点がたくさんありとても丁寧に取材されている(笑)と思いました。

2022年の集英社ノベル大賞の小説のようで、スラスラ読めるけど伏線があったり終末にキレイに伏線回収されるなどスッキリする読み心地です。

このビル空きはありませんのここが良い‼️

この小説の推しポイントは

  • 登場人物みんな良い人

  • 花ちゃん頑張り屋さん

  • オフィス仲介って大変そう

  • 早乙女さん努力型の天才肌

という4つです。

小説って後味悪かったり、匂わせがあったりして読み終えてからモヤモヤすることがあるんですが、この小説はそれが無くてカラッ!とした読み終わりの充実感があります。

登場人物がみんな良い人というのは作者さんの人柄や作風なのかもしれませんが、事件やトラブルがあっても勘違いやすれ違いで最後は素敵に解決。(ここは仲介のリアルな現場だともうちょいドロドロして、そうともいかないのが現実なんでちょっとそこはファンタジーかも)

登場人物がみんな良い人で、花ちゃんはへこたれずに挫けそうでも立ち上がる元気な子、出てくる登場人物もみな応援したくなります。こういう人が仲介向いてるのかもなんて勝手に思っちゃいました。

そして何より感じるのが『うぇぇ、オフィス仲介って大変そうだなぁ』と思います。

オフィス仲介に限らずですが、不動産の仲介は借りる方と貸す方を結びつけるのですが、物件の数だけドラマがありうまくいく時も案件が壊れて爆発する時も大抵どっちも急転直下だったりします。

そんな波乱万丈が沢山あるけど仲間たちの助けを借りて最後はハッピーエンドに向かうのは小説の中だと素敵ですが、現実の仲介現場だとアワワとなる事間違いなし!!

最後の推しポイントは、早乙女さんという登場人物がかっこいい点です。

モデルがいるらしい!

キャラ設定としては謎の天才肌なのですが、実は下調べなど水面下で行う努力型なんですカッコイイ!

こんな上司(先輩)に出会いたい!と思える上司なんですよね。

早乙女さんは不思議さんな感じなので、配属された部下は大変なのかもしれないけど最後まで読むとその気配りや動き方には尊敬できる点がたくさんあります。

という仲介小説の推し話でした。

詳しく紹介しちゃうとどうしてもあらすじや内容に踏み込まないといけないので、ここから先は小説本編をぜひ読んで欲しいなと思います。

案件がうまく進まない、うまく売れない、トラブルが起きてしまったというのはこの業界誰しもあるのですが、花ちゃんの気持ちになると前向きに進めるし明日も頑張ろうって気持ちになります。

※一昨日の飲み会でこの本の話をしたら、興味があったけど読んだ事ない!?みたいなお話を聞く機会があって、伝える努力の大事さとタイミングって重要だなと思いました。
何かの機会でお手に取ってもらえてそしてオフィス不動産の世界に入ってきてくれたら嬉しい‼️

本を読む際に、ここだけ頑張ろう!

作者の森ノ薫先生ですがかなり取材をされており、実は冒頭の40Pくらいまでは、業界自体の仕組みや賃貸オフィス業界の説明を丁寧に描写しております。

業界を知っている人にはありがたい業界解説の部分なのですが、これが新規の読者にとっては味気なく感じてしまう可能性があるかもしれません。

ここからなのでちょっと説明描写が多いですが最初の40P(最初か!?)を読んでいくとそこからのハラハラ怒涛の展開がワクワクドキドキです!!


なんでこの小説をそんなに推すの?

不動産屋さんは賃貸という分野だけでも「アパートやマンション」の他に「店舗」「駐車場」「倉庫」とたくさんのジャンルがあります。そして似てるようでぜんぶ違う。

売買取引も同様で「ワンルーム」から「ビル」「土地」、場合によっては「島」の売買と多岐にわたるのだけどこれもそれぞれ扱う人(役割や会社)が違うのです。

僕も、人生で何度も家の買い替えやマンションの斡旋を友達や親族から頼まれるのですが、ジャンルが違うのでその道のプロを紹介したりごめんなさいと断っている場面が多いです。不動産屋さんってわかりにくい・・・

住宅の不動産屋さんとも違うけど、売買仲介でも無い。そんな僕らがいる業界をこれほど分かりやすく紹介している本は他にないなと思います。

だから『推し』なのです!


ちょっとマニアックなお仕事小説ですけど、読むとぐんぐんオフィス仲介の世界に引き込まれます。

そしてぜひオフィス仲介業界、もしくはオフィスビル業界に来て欲しいなと思います‼️

奥が深くてのめり込むと飽きない仕事です。オフィス仲介業って総務部長さんや企業戦略部門の人とお話しできたら社長さんとやりとりが出来てとても経験が出来る業界です

あっ、でも花ちゃんじゃないけどイレギュラー、出まくるのでやっぱり大変かも。

関係各位から怒られたりとか普通にするし、業界古いけど。動く金額大きいし責任も重大

今日も胃が痛いけど毎日新鮮な気持ちで取り組める!そんな気持ちになる事間違いなしの小説読んで明日も元気に仲介しましょうーー

❶オフィス業界に来てくれたら嬉しい
❷小説読んでくれたら嬉しい
❸森ノ先生の為にも新刊で買ってくれたら尚嬉しい

よろしくお願いします


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