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「どういう仕事をして、どう働いていきたい?」の本音を問われた出来事。

「ご無沙汰しています。お元気ですか?
最近のご状況はいかがですか?」

業務委託契約で1年半お世話になり、1年前から休止しているWEB広告会社の社長から、1年ぶりに今日の昼間、連絡があった。

近況報告を兼ね、以下のような返信をした。

業務を離れて、もう1年以上経ってしまいました。
自分のやりたいこと、無理なくできること、人から求められることを模索して 迷走しておりましたが、 個人事業で動画制作の仕事を小さく始めてみようかと思っているところでした。

主に、個人事業主さんや団体のプロジェクトの紹介動画等を作るイメージです。

WEB広告運用の仕事は、私にはやはり厳しいなと振り返りながらも、 加藤社長(仮名)とのつながりが切れるのも嫌で、 ご連絡もしないままで大変失礼しておりました。

一部省略

であれば、
クライアントさんの前に立ったり、運用の数値分析、改善、報告をするのではなく、
裏方として、広告用の動画、画像、文章の制作に専念するという働き方はいかがでしょうか?^^

一部抜粋

と加藤社長より返信があった。

とても信頼していた人だったし、久々の連絡だったことも相まって、
復帰の提案をもらえたことは、とても嬉しかったし、ありがたいと思った。

連絡をもらってから、考えを巡らせたが、
でも、やはり断ろうと、今、心が決まった。
そんな胸のうちを書いてみようと思う。

この会社は、クライアント(企業や個人事業主)に対し、主に以下の2つの事業を行っている。

①WEB広告運用代行
➡制作/運用(広告の成果を見ながら広告そのものを修正、差し替えたり、広告を表示させる条件を変更したり)する

②WEB広告運用コンサル
➡クライアントさん自身でも制作・運用ができるようコンサルをする

①のスペシャリストになれば、②も担当するようになる

私はこのうちの①の業務のみを経験したのだが、
「運用」というものが非常に難しく、苦手意識を強く持ってしまった。
②の業務など、とてもじゃないけど私にはできない。

この会社のワーカーへの報酬というのは時給で、
スキルに応じて上がっていく形式だった。

なので、運用ができない時点で、私の時給は上がらない。
私の最終的な時給は、1400円弱だった。

念のため、加藤社長に待遇を確認したところ、同じ給与形態だという。

「それでは嫌だ」と強く思った。

在籍中、一心不乱にこの会社で頑張れたのは、
どんどんとスキルが上がると同時に時給もアップしていくのが、モチベーションに繋がっていたからだと思う。

でも、つらかったのは、
「どんなにWEB広告制作のセンスがあると言ってもらえて嬉しくなっても、運用ができる人との給与はどんどん開いていく」
という事実だった。これが、私のモチベーションと自信を下げた。

給与が低いということではない。
できないことがあり、できる人と同じ尺度で測られることが、耐え難かった。
自分が不完全であると、数字で見せつけられているような気がした。

私のことは、制作物で評価してほしい…。
このわがままが通らないなら、やはり戻れない。

また、別の強い思いもあり、断る意志が固まった。

私がこれからやっていきたいのは、

個人事業主さんや団体のプロジェクトの紹介動画等を作る

という仕事で、今その準備を進めている。

どれだけ需要があるかなんてわからない。
しかし、昨夏行ったモニター企画や、昨年末に初めて費用をいただいて作ってみたことで、はっきりと認識したことがあった。

依頼してくださった方を応援したり、その方の思いや魅力を周りに伝えようとすることが、自分のやりたいことで、使命なんじゃないかと。

勝算もないし、安定もない。
それゆえに、加藤社長からの提案に一瞬グラッと来てしまったが、
今ここで、以前の仕事に復帰することは、
間違いなく私にとって「保険」だ。
この保険を取るくらいなら、自分のビジネスなぞやる必要もなく、就活したほうがいい。

それに、この1年間で受けた自己啓発、ビジネス講座などがすべて無駄になる気がした。
自分の可能性を信じ切れないなら。

22時過ぎに帰宅した夫に、話を聞いてもらった。
「せっかくの話だし、やったらいいのに」という夫に対して、私は自分でも思いもしなかったことを口にしていた。

紹介動画を作る作業はね、魂が磨かれるような気がするの。
私は魂が喜ぶ仕事だけしたい。

ドン引きしたり、呆れるかなと思っていたが、
意外にも夫は、

「そこまで考えが固まってるなら断るしかないでしょ」と淡々と言い、子どもたちをお風呂へと連れて行った。


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