「好きなことで生きる」に悩むあなたへ
こんにちは。宇田川寛和です。料理人とコーチを生業としています。
<自己紹介noteはこちらに貼る予定です>
「宇田川さんは、好きなことで生きていますよね」
スパイスカレー屋をしていると、時々こんな言葉をいただくことがある。
好きなことをどう仕事にできるんですか?やりたいことがわかりません。
コーチとして社会を歩いていると、こんな言葉を呟く方と出会うことが非常に多い。「ライフワーク」「やりたいこと」という言葉を日常生活で見ることが増えた今、そうではない自分に悩む人は多いのでは無いだろうか。
そこにダブルパンチで加わる言葉がある。
「何悩んでいるの。悩んでいても何も意味ないよ。」
こうして人は悩むことをやめる、といったことを経験している人は少なく無いんじゃ無いかと思っている。悩むことを諦め、気付いたら心が閉じて「悩まない人間」へとなっていく。
そんなみなさんに伝えたい。悩むことは素晴らしいことだ。悩むことは悪いことじゃない。むしろ才能だ。その人固有の何かと紐づくからこそ悩みが生まれるから、悩みの奥には大切な願いが埋まっている。あなたは人生でいろんなことを経験している。だから悩むことやめないで欲しい。
大切なことは、どう悩むか。せっかく出てきてくれた悩みの扱い方を考えていくことだ。「何悩んでいるの」と、悩みを消すばかりで、悩み方を教えてくれる人は学校にはほとんどいなかっただろう。だからこそ僕は、悩み方を共に考え、共に悩む存在であろうと思っている。
さて、冒頭の「好きなことで生きる」というテーマに戻ろう。この悩みを抱えている人は多いのではないだろうか。就活生、社会人1、2、3年目の方々からは、この声をよく聞く。
そんなあなたに伝えたい。悩んでいるのは素晴らしいことだ。悩む力は才能だ。このnoteでは、「好きなことで生きる」というテーマで「悩む」上で、僕が指針としていることを書き留めておこうと思う。
①「やりたいことをやる」という言葉を捨てよう
「やりたいことをやろう」と考えている人は、まずその言葉を捨てることから始めよう。「好きなこと」は頭で考えることではない。心が反応し、身体が教えてくれる。頭で「好きかどうか」なんて考えている暇はない。大事なことは身体が知っている、と僕は思っている。
だからこそ「やりたいことをやる」という言葉を捨てて、身体と心が教えてくれる自分の純粋な欲求を見つけて、叶えてあげよう。理由もなく、気付いたらやってしまうことを、ただ形にしてあげよう。純粋意欲を叶えてあげた先にこそ、あなたの大事なものが詰まっていると思っている。
②あなたの内側でブレーキをかけたがる「悪魔」を見つけて仲良くなろう
純粋意欲に従って動いてみると、今までにない軽やかさを感じることがあると思う。その一方で、軽やかに動くあなたにブレーキをかける悪魔のささやきが聞こえてくるだろう。
「そんなことしてたら、周りから評価してもらえないよ」
「本当にして大丈夫?そんなことよりやることあるんじゃない?」
「ベキ論」といった言葉に言い換えられるかもしれない。ただ、「べき論」という言葉に集約するのは好きではない。
こうした悪魔は、あなた自身が作り出したものだ。今までの嫌な経験や痛みによって、ある種自分を「守るため」に生まれてきてくれた悪魔だ。嫌なことをいうやつなので、「どっかに行って欲しい!!!」と思うかもしれないが、そう思えば思うほど悪魔は暴れだす。
悪魔にも心はある。怖いこともあれば、喜ぶこともある。大事なのは悪魔がなぜ生まれる必要があるのか、何が嫌で、本音は何なのかを聴いてあげることだ。そうすることで、自分の中に悪魔がいることを許すことができ、共に入れるようになっていく。悪魔が暴走しないようにケアしつつ、悪魔の強みを生かしていく。かわいらしい悪魔の声を聴いてあげることで、新たな関係性をはぐくんでいくことがとても大切だ。
③あなただけの物語を見出そう
あなたの恐れも願いも悪魔も、あなたが歩んできた道のりから生まれてきてくれたもの。
「どうせ私は価値がない」と悩み続けてきたことは、「自分にはどんな時でも価値がある」という願いを感じるために必要だったことかもしれない。
孤独に痛みを感じるのは、本当のつながりを味わうための布石なのかもしれない。
あなたの周りの家族、友人、学校、仕事、社会との関係性によって、あなただけの物語が育まれている。そこに何一つ同じものはなく、一人一人に固有なもの。そして、そこに良し悪しはない。
物語にはテーマがある。葛藤、おそれ、伝えたいメッセージが必ずコメラテている。あなたの物語にも確実にテーマがあるはずだ。人生の中で繰り返し起きていること、たびたび突きつけられている壁やメッセージが必ずある。
そのメッセージから、あなただけの物語を見出そう。あなたはどんな物語を歩んできましたか。そしてその物語はどうなっていくのでしょうか。あなたの人生の主人公になれるのは、あなただけ。
④あなただけの真実を見つけよう
誰に言われようと、間違いない。そう思うことは、あなたの中にどんなものがありますか。社会的には非常識、不自然、おかしい、と思われる。でもあなたの世界にとっては真実であることが、必ずあるでしょう。
我々は社会に生きる生き物。社会に適応するために「常識」「一般的」と言われることを、自分自身の中に取り込んできたかと思う。
時にそれによっていきやすくなるかもしれない。でもあなたは気付いているはず。適応しかしない先には、自分が心から追い求めていることはないことを。あなただけの真実を、真実と認めたくないかもしれない。でも、勇気を持って真実とすることで、あなたの色は輝きだす。
自分だけの真実は、あなたの物語から生まれてくる。あなたが歩んできた道のりは変わらないものその道のりが伝えてくれることは、諸行無常の世の中であっても変わらない。誰に何を言われても、これだけは間違いない。自分にも他社にも社会にもメッセージングできることは、何がありますか?
まずはどんな粒度でも構いません。
ごはんはうまい。人は寂しがりや。酒は大切。
あなただけの真実を握りしめて進もう。それがあなたの軸になってくれるから。
⑤そして、表現しよう
あなただけの真実を握りしめたら、それを表現してみよう。
仕事でもいい。コミュニケーションでもいい。何かアートな方法を使ってもいい。あなたが間違いないと思うことを、自分の外に表現してみよう。
あなただけの真実には、必ず届けたい人がいる。真実が生まれた物語に共鳴してくれる人が、世の中には必ずいる。
その人たちに表現が届いた時、真実が真実であることを再び感じる。それがあなたの生きる喜びの1つなはず。
僕がカレーをつくっているのは、緩みが起きて欲しいから。
カレーという曖昧な世界観が、あなたの心を緩ませてくれる。スパイスの効能が、あなたの身体を緩ませてくれる。そして人と共にカレーを食べることで、あなたの存在が緩んでいく。緩むことでまだ見えていないあなただけの可能性が出てくると信じている。
仕事で何をメッセージングしたいですか?生き様で何を届けたいですか。あなたの作品で、どんな蠢きが起きて欲しいですか。
小さなことからでも構わない。あなたが大事にしているものを表現してみよう。
⑥大丈夫をつくる。あなたは生きていけるを体感覚に
表現してみると、不安になってくる。
自分が表現したものは受け入れてもらえるのか。受け取ってもらえないんじゃないか。
内側から生まれたアイデンティティが受け取ってもらえないとなると、どうしようもない不安が生まれてくるはず。
あなたが表現していくことは、自分の旗を掲げて世の中を歩き始めるようなもの。自分の生身を晒すのだから、時に挑戦になることは間違い無いはず。
さて、そんな時に伝えておきたい言葉。
「挑戦に必要なのは、勇気じゃなくて安心だ」
バンジージャンプを飛ぶのは、「この縄はちぎれない」「とんでも大丈夫だ」という安心があってこそできること。ここの安心がない分には、どんなに「いくぞーーー」と勇気を起こしても飛べるはずがない。安心してこそ挑戦はできるものだ。
挑戦するときは、勇気にフォーカスがいきがちだが、ぜひ安心に目を向けてみよう。あなたが「表現」という挑戦をする上で、どんな安心が必要だろう?今はどこに安心していないだろう?
安心すると「大丈夫」という気持ちが浮かんでくる。「〜をしても最悪大丈夫」と。大丈夫は、表現を始めたてのあなたの心の炎が、そのからの風によって消えそうになるのを守ってくれる。
大丈夫の作り方は様々だ。それはコミュニティかもしれない。家族とのつながりかもしれない。自分だけの空間を作ることかもしれない。
会社を辞める時、僕の周りに「会社をやめても大丈夫」という人が95%くらいはいた気がする。いったん辞めて生きようと思っても、周りが「やめたらやばいよ」とコメントする人だらけだったら不安になっていたことは間違い無い。別に「やめたらやばいよ」とコメントする人が悪いのでは無い。以下の自分に生まれた炎を守るために、一時そういった人たちと触れない時間をつくることが必要だっただけ。
あなたはどこまで大丈夫と言えているか。その気持ちを守るために、どんな環境を周りに作り出すか。
⑦複職、そしてコアキナイ
あなたが表現したいことを、「仕事」として形にしてみよう。
「別に仕事にする必要はないのでは?」と思うかもしれない。でもおそらく、このnoteをみている人は、仕事になっていることが理想な方が多いのでは無いだろうか。
そもそも仕事とは何だろう?お金をもらうのが仕事?価値を体感してもらえるのが仕事?業務委託やアルバイトになるのが仕事?
それぞれの仕事観があると思う。ただ、一つ伝えたいのは、あなたは思っている以上に仕事をしているということ。あなたの魂が潤うことからスタートする表現は、既に誰かにとっての仕事になっている。あなたの純粋意欲が誰かに伝わることで、その人は既に価値を受け取っている。たとえお金という見える形ではなくてもだ。
そんな人にお勧めしたいのは、コアキナイ。
自分が表現したいことを、小さく無理のない範囲で「仕事」に落とし込んで受け取ってもらう。マーケットに載せるのではなく、小さなコミュニティ+αの範囲で、「大丈夫」を感じながら商いをする。
「好きなことを仕事にする」と思っても、いきなり本業でそれをチャレンジするのは難しいはずだ。だからこそ、小さく早く、無理のない範囲で、自分がやりたいという炎が燃え続ける状態で続けてみる。そうしていくことで、周りが共鳴し、あなたのアキナイが磨き上がっていく。
*コアキナイは、コーチングだけではなく、まちづくり・シェアハウス・飲食店という形でもサポートしております。詳しくはこちらへ。
⑧続けよう。小さく早く無理なく。
小さくやるのが大事。続けることで見えてくる。
大きくするといろいろ変数が増える。純粋意欲がなくなるかもしれない。
別に大きくすることを否定するのではない。純粋意欲を大事にしようというのがポイントだ。
頑張ってもいい。でも頑張らないといけないわけではない。
続けたほうがいい。でも続けないといけないわけではない。
徹底的に、あなたの純粋意欲が沸くように。それだけを考えて欲しい。
自分でデザインしよう。これなら純粋に続けられる。
周りもデザインしよう。こんな場所なら安心して表現できる。
小さな炎を燃やし続けるために、小さく早く無理なく続けよう。
⑨葛藤を味わい、分かち合う。
みなさんの内側から出て来る存在意義が見えてきたら、それを何かしらの形で表現してみよう。そうしていくと、存在いきが身体に充満して、身体的にも腑に落ちるものへと磨かれていく。
でも、次第に葛藤が生まれてくる。自分の恐れや以前のOSが、悪魔のささやきを行ってくる。揺り動くと、戻りたがるように、曲に触れるとその逆にもいきたがる。
本当にそうなのか、これでいいのか、むかしのほうがいいのでは、こんなことやっても。
そんなささやきが来たときに、葛藤がうまれる。
その葛藤を歓迎しよう。それはあなたが変わろうとしているサインだから。
葛藤を味わおう。すぐに答えは出す必要はない。なにがいいのか。どうなのか。自分に問いが降ってくる葛藤を噛み締めよう。そこにあなたの大事な感情が眠っている。
その葛藤を分かち合おう。一人で揺れるのは、すこしばかり器に負担がかかる。一緒に揺れてくれる。安心して揺れられるようにコーチや仲間、コミュニティと共にいよう。あなたの葛藤を分かち合うことで、共鳴してくれる人が集まってくる。そのためのコーチ、仲間、コミュニティが、あなたの周りにはあるはずだ。
⑩葛藤の先にある願いを握りしめよう。そこに変わらないものがある。
葛藤していると、あなたの真なる願いが浮かび上がってくる。それはあれかこれでもない、あなたにとって間違いない真実だ。それがいわゆる「願い」と言えるかもしれない。
あなたが葛藤した体験は間違いない事実。それは感覚として残り続けるはずだ。
そこにあるのは、あなただけの真実。あれかこれかが統合された、全く新しい世界観が待っている。
諸行無常の世の中でかわらないものがあるとしたら、過去の体験と、そこから可能性が浮かび上がってくること。あなたの葛藤の体験は揺るぎのない軸となり、そこからあなたの素晴らしい物語は始まっていく。
その時あるものが、あなたの新しいアイデンティティだ。それは役割や所属といった外的なものによって形作られるものではなく、内側から浮かび上がる、大抵のことでは揺るがないものだ。それを握りしめることで、あなたは人生の手綱をより握りしめることができるし、地に足をついて今を生きている感覚を味わえるはずだ。
コーチングのクライアント募集しています
現在コーチングのクライアントを数名募集しております。こちらのnoteを見て、宇田川寛和の世界観にピンときた方がいましたら、お気軽にお声がけください。
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