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【ドローン申請レポート03 】:人口密集地域・イベント会場上空の飛行申請(係留)

久々に血の気が引いた。
撮影ではなく、申請で。

「人口密集地域のイベント上空」・・・ハードル高めの予感はあった。事故のニュースをたびたび目にしているだけに、規制が厳しいのは容易に想像できる。


◾️撮影40日前

申請の提出から認可が出るまでの期間は、平日計算で10日前後と言われている。
何をどう書いても必ず補正指示は来ると思っていたので、時間に余裕のあるうちに一旦提出することに。
DIPS内の地図に、立入禁止区域や補助者もできるだけ正確に記入し、申請した。


◾️撮影32日前

来た、補正指示。どれどれ。

・プロペラガードは純正or無し
・現場の住所、飛行理由を具体的に
・緊急連絡先を携帯電話に
・現場の地図は正確な縮尺で。スケールバーも必要。

プロペラガードについては、もう一つの仕事と同様の指摘。これの対応は問題ない。
現場の地図については、DIPSの地図では正確な縮尺率は難しいと判断し、別途添付ファイルを用意した。

イベント上空を飛ばすには、最低でもドローンを中心とした半径30mの立入禁止区域が必要。高く飛ばそうとするなら、その半径はどんどん広くなる。
はたして当日、ドローン専用でその広さを確保できるのか不安になる。

検討の結果「係留」することに。高度が低ければ、同条件で普通に飛ばすよりも「規制空域」が狭くなる。
安全性も格段に上がり、申請もきっとすぐに通る・・・と思った。

係留なし:ピンクが立入禁止 係留あり:ブルーが立入禁止
※国土交通省の資料をもとに作成。間違いがあればご指摘下さい。


先のことを考えて、購入前提で係留装置を物色するが・・・
20万もするの?これ。迷わずレンタルに決定。
係留の場合、申請時に係留装置の画像を添付しなくてはならない。そのために一度レンタルするなんて、絶対に嫌だ。レンタル会社のwebサイトの画面のスクリーンショットを撮って添付することにした。


・プロペラガードあり→無し
・飛行→係留
・詳細を記した現地地図を作成

これでどうだ。
地図作成・係留への変更・レンタル手配・関係各所の承認に要した期間は13日間(撮影19日前)。そして再申請。


◾️ 撮影17日前

補正指示。

・修正を依頼した項目について、修正が反映されていない。

そんなはずは・・・。
問題の箇所は「機体情報」。またしてもプロペラガード。DIPS2.0では、再申請で機体情報を変更する場合、一度機体を削除して再登録しないと情報が更新されない。それをすっかり忘れていた。
「不親切な仕様」についての補足を一読し、さっさと直して再申請。

【余談】申請は、一連の情報入力後の最後の「一覧表」の内容で送信されるため、再申請などで変更した箇所はここで一度ダウンロードして確認することを強く勧めます。更新されていない場合、中断、削除&再添付などを行うと反映されます。


◾️ 撮影11日前

再申請から6日が過ぎ、上長から「申請は大丈夫?」と指摘を受ける。たしかに、気になる。

状況確認のために「無人航空機ヘルプデスク」へ電話。ここは絶対につながらないという噂だが、意外にも1回でつながる。問い合わせしたところ、「個別の審査終了時期については答えられない」とのこと。
人と揉めるぐらいなら真っ先に土下座する僕だが、今回は少し粘った。「大きなイベントのため、認可がどうしても必要なんです」
しかし、最後まで申請番号を聞かれることは無かった。

この日、電話の効果があったのか不明だが、DIPSからメールが。

補正指示。

まじか。11日前・・・やばい。

・【立入管理措置について】催し場所の上空は「立入り禁止区画の設定」にチェックする。
・【飛行マニュアルについて】係留装置による係留を行う場合は以下のとおり項目を分けて記載。
(以下、記載例が続く)

チェックマークは一瞬で済むからいいとして、次のは何だ?

飛行マニュアルの項目を分けて記載・・・?


理解不能。「飛行マニュアル01」で申請したが、「分ける」とは何だ?
補正指示の記載例を読むと、係留についての文章が増えており「飛行マニュアル01」とは若干違う。マニュアルを修正して、記載例の文章のようにしなさい、ということか?

10ページほどあるPDFをダウンロードし、その一部を大急ぎで修正することに。しかし、飛行マニュアルに手を加えるということは、すなわち独自マニュアルを作成するということ。

「独自マニュアル」。以前の包括申請では時間がどれぐらいかかるか予測できず、諦めたやつだ。それを・・・

たった1日でやるのか。


撮影まで残り11日。平日計算だと10日を切っている。次の提出で何が何でも「絶対に」通さねばならない
藁にもすがる思いで、ドローンスクールに相談した。

事情を説明し、補正指示画面のスクリーンショットを送り、アドバイスを受けて修正。
念には念を入れて、ヘルプデスクに電話。考え方や修正に間違いがないかを確認した。

そして再申請。
もう後はない。祈るのみ。


◾️ 撮影10日前

補正指示。終わった。

・「航空局標準マニュアルと同等の水準ですか」は【いいえ】にチェックし、変更した事項を全て記載して下さい。(以下、記載例が続く)
・非常時の連絡体制に「別表のとおり」と記載があるが、別表が添付されていない。(以下、記載例が続く)

間に合うかどうかはともかく、一刻も早く出さねば。

記載例にならい、飛行マニュアル選択欄の備考欄に、何をどう修正したのかを箇条書きにした。

「別表が付いていない」については、国土交通省のホームページからダウンロードした最新の飛行マニュアル01(令和4年12月5日版)には、たしかに付いていない。しかし、ひとつ前の令和4年6月20日版には付いている。

確認ミスと言われればそれまでだが、
修正は、そちらの仕事では?
と言いたくなる。


◾️撮影9日前

申請確認画面の表示が、変わった。

「許可書発行」

間に合った・・・心臓に悪すぎ。

◾️撮影6日前

「手続き終了」となり、許可書をダウンロード。


考察:なぜこんなことになった?

こんな思いは二度としたくないため、検証する。
40日前:申請
19日前:係留に変更
17日前:修正未反映のため再提出
11日前:飛行マニュアル修正指示
10日前:別表不足
9日前:許可書発行
6日前:手続き終了

補正指示が続くのは、修正した箇所に不備があるからと感じている。地道につぶしていけばゴールへ到達するはずだが、途中で飛行条件を係留へ変更したため申請がリセットされてしまったのではないか?
仮にそうだとすると審査開始は17日前からとなり、あまり余裕はない。

スクールに相談した時に「再申請のたびに10日かかるわけではない」と言われ、実際最後の追い込みは早かった。とはいえ直前まで不安を抱えるのはキツイ。
今回もそうしたが、補正指示は全て保存して次に生かそう。

11月18日付のニュース記事の最後に「来年度から申請は1日で認可を出すことを目指す」と書いてあった。頼みますマジで。心臓がいくつあっても足りない。

(元記事は「TBS 飛行申請緩和」で検索)


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