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日本酒と温豆腐な夜。

昨日も雨、今日も雨。

梅雨空とはまさにこんな天気が続く日の空のことをいうのだろう、なんて思うと、どんよりとした空色がいつも以上に鬱陶しく感じる。

そんなヤル気をそがれるような天候とは関係なく、重めの仕事が次から次へと降ってくる訳で、片っ端から打ち返しているうちに、気が付いた時には午前様という訳で、心の癒しが必要に。

もちろん胃袋も満たしたいところだが、ろくすっぽ昼飯も食えていない胃袋にガッツリ飯は少々リスキー、というか、気持ち的にも受け付けない。

冷蔵庫をあけてみると、絹ごし豆腐が中段に。

たしか、3~4日前にスーパーの特売で、なんとなくかごに入れたような気が。

昆布があれば、湯豆腐で・・・と思ったものの、出汁用のこぶなどあるはずもない。

おもむろに野菜室をのぞいてみると、ぶなしめじが1パック。

もう深く考えるのはよそう。

鍋に水を張り、だしパックをドボン。

火にかけて、ブナシメジもドボン。

ひと煮立ちしたら、火を弱火にして、絹ごし豆腐をどぼん。

白湯スープの素みたいなのがほんの僅かに残っていたので、それもぶち込んでみたものの、本格的に僅かだったので、ポン酢をかけて食べることにする。

ただ、ほんの僅かながら、白湯の存在感は確かにある、というか、ちょっと食べ応えのある湯豆腐といった感じで、今の胃袋具合にちょうど良い。

適当につついて寝るつもりだったが、一丁、全部いってしまおうという気になり、冷蔵庫の中から純米大吟醸とかかれた四合瓶はひっぱりだしてくる。

なんかもっとちゃんとした日に開けようと思っていたのだが、案外、こんな感じに気楽に開けるのも悪くないような気がする、、、なんてことを思っているうちに半分以上あいており、圧倒的な飲みやすさに驚く。

気づけば、日本酒と共にするりと胃袋の中へ絹ごし豆腐が流されていき、あっと言う間にただの残り汁を残すのみとなる。

日本酒は、あと、1合半程度残っている。

肉体的には、このまま寝てしまうのがベストなのだろうが、心的には、癒され足りない。

もう一度、冷蔵庫をあけてみる。

食材らしきものは、皆無だが、チューブ状の中華スープの素が目に入ってきた。

おもむろに、残り汁を火にかけ、適当に中華スープの素をにゅるっとぶち込んで、醤油を垂らして、かき混ぜて再沸騰。

汁で飲む酒、プライスレス。

空が明るみ始めたような気がするが、気にしない。

そして、日本酒が尽きるのとほぼ同時に、寝落ちする。

案外、独り者のささやかな幸せって、こういうものなのかもしれない。

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