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黒夢「feminism」

1995年5月10日にリリースされた黒夢のメジャー3作目のアルバム。
いきなり個人情報をさらすようでアレですが、自分の誕生日に発売されたという勝手なシンパシーと完全なる人生初のジャケ買いをした作品。

広島の片田舎で暮らしていた中学生時分の自分の音楽との出会いのソースはもっぱら「裕司と雅子のガバッといただき!!60分」だった自分が黒夢というバンドの存在を知る訳もなく、ジャケ買いしたダケのこのアルバムによって、鳥肌実先生のネタのごとく、「黒夢のファンでございます」というようになってしまうとは思いもしなかったといふ。

この作品をきっかけに、中高時代(男子校)、ほぼV系とメタルしか好んで聴かなくなっていったことを考えると、ある意味、ターニングポイントになった作品といっても過言ではないかと。

まず度肝を抜かれたのが、3曲目の表題曲である「feminism」にいたるまで、「心臓」の鼓動を主体としたSE、声も音の一部のような扱いをした
「解凍実験」と、J-POPで慣れ親しんだ、「Aメロ→Bメロ→サビ」みたいなわかりやすい構成を完全に取っ払った楽曲構成。

そしてようやく訪れた「feminism」の疾走感はあるけれども、何か物悲しいメロディーに心臓をひとつきされまして、アルバム1枚を聴き終わる頃には、過去作を探してしまうほどにはファンになっていた訳で。

今、振り返って、改めて聴いてみると、臣さんが抜けた作品ということもあり、ギターのフレーズが歌謡曲的であったりと、いろいろと、一般的に言えば、聴きやすい仕上がりになっており、オリコンのアルバムチャートで1位を獲得するだけの仕上がりにはなっていたのだなぁと。

「ベースを弾きたい!」と思うきっかけになったのは、MステでみたB’zのサポートのベーシストさんだったのですが、バンドを組むようになってから、一度も転向せず、ベースを弾き続けたのは、このアルバムの影響が少なからずあったのではないかと思う。

それなりの年月、ベースを弾いてきた今の自分が思うのは、この作品から「人時さんのベースだぁ~」ってのがグイっと出てきたんじゃないかなぁと。もちろん、逆順でたどっていったインディーズの頃の作品も大好きだったりする、というか、高校生の頃の自分は、遡って知っただけなのに、インディーズの頃の黒夢の方がカッコイイ!!なんて思っていたもんだなぁと。

黒夢好きで、バンドやってんなら、さぞかし、黒夢のコピーしてきたのでは??そして、手癖も人時さんのフレーズに寄っちゃってるのでは??なんと思われそうなものなのですが、学園祭で演奏したり、みたいな形である程度、ちゃんとベースを耳コピしたことあるのは以下の楽曲くらいだったり。

・親愛なるDEATHMASK
・Miss MOONLIGHT(本作収録)
・Suck me!
・MARIA

自分でもびっくりするくらい少ない(笑)

それはともかくも、中高生の頃は、テンポが速くて、激しければ、大体カッコイイ!!みたいに思う節もあった自分が、今もって、「feminism」好きだなぁって思い続けている要素の一つとして大きいのが、「LOVE SONG」、「Happy Birthday」といった、タイトルだけから曲調を想像すると、まぁ、明るい曲なんだろーなーってなるはずの楽曲が割と暗い(笑)

おそらくそういった天邪鬼な要素がどっぷり中二病に浸かっていく少年の心に刺さっちゃったんじゃないかなぁと。

「feminism」リリース以降は、シングル・アルバムとわず、リアルタイムに聴いていき、きっちりとその時々の自分の中での黒夢の最高傑作が上書きされていったのですが、今、あらためて聴きなおすと、「feminism」が一番好きな作品となっているかもしれません。

今とリリース当時のこの作品に対する印象として違いが大きいのは、当時はシンプルすぎると感じていたそうる透さんのドラミングが、今は、タイトで小技が要所要所に効いていてスゲー!!ってのと、当時は割と捨て曲寄り認定していた「眠れない日に見る時計」が、今、この場(カラオケボックス)にいる人が誰も知らなくてもいーから、カラオケで歌いたい!!って位置づけの楽曲に昇華されているあたりかなぁと。

また、10年後に聴くと、また、印象がかわっていそうな気もするので、10年後とかに追記できればなぁ、なんて。



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