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宝塚RRRの感想② 幕開き~森

ネタバレとか配慮しないので気になる方は閲覧しないでくださいね。
写真ももういいかなと思ったけどあるものははってみよう…

★幕開前

開園5分前に緞帳が上がり、「RRR」ロゴ入りの映像幕が登場。撮影可能なのでみんな撮る。この時点で超楽しい。
こっちゃんありちゃんの顔のRRRロゴももう見慣れた。顔がいいし画質もいい。色調の関係か、映像幕だと写真張り付けって感じが薄まり、よりなじんでレリーフに見える。
背景は青系の色調と森で、原作ファンはビーム感をばしばし感じると思う。夜明け前、夜明けの直前かなと思った。静寂な空気感がいい。
そうこうしているうちに映像の中で森の住人達が通りかかる。鹿⇒鳥⇒虎。これがワンセットで3回目の虎がでてくると始まる。
この3つの動物は比喩を含めると舞台本編で登場するので、予告というか、2回目以降は本編とこの映像のつながりを感じられてよい。そして映画でも登場する動物たちなので映画とのつながりも感じられる。

最後の虎の後開演ブザー、佐々田先生がひょこっとオケピから頭だしてご挨拶。こっちゃんの開演アナウンスより前。ヴィオレトピアに至っては変則始まりで佐々田先生にピンスポもあたらないので佐々田先生出番少ない。おれのしゅこ先生がすいません。
勢い余って東京で雪組さん見てきたから気づいたけど、星組は芝居もショーもオケの音合わせしてなかった。大丈夫なのかしら。大劇場は元々やらないの?慣れ親しんだ音合わせ⇒ブー⇒開演アナウンスの流れは美しいし、儀式のようでもあるので、あんまりすっとばさないでほしいなあ。
5回とも佐々田先生は黒のマスク着用でした。オケの皆さんもマスクなさってる方は黒だったと思う。黒子の美意識を勝手に感じた。東京も黒だったのでレギュレーションかな。

こっちゃんの開演アナウンス。100年前から聞いてる気がするけど実ははじめて聞いたんだ。感慨深い。
アナウンス終わりでふっとRRRのロゴが消える。いよいよはじまるという期待感と、始まったものは終わるという寂しさが入り混じった。あのゆらぎがよい。

★WATERRR

開演アナウンスが終わってからおなじみ「ドゥンタカ」の2拍目くらいで水ダンサー登場。最後の倒立リフト、みんな言ってるけどやっぱりすごいし、幕開きでぶちこんでくる谷先生は鬼か。ラストのポーズ、特段意味はないんだろうけど、2階のかなり上手側からみたとき「☆」に見えてちょっとびっくりした。でもそのあと1階で見たら全然そう見えなかったので偶然か、勝手な脳内創作だと思う。「水」か…?ってのも脳内審議中だけど、違う気がする。あえてこじつけるならナタラージャ、踊るシヴァ神とした方がきれいかもしれない。
そして「炎と水が愛と死でした」で通じるオタク強いね…愛と死より団体戦なのもインドっぽくてよかった。

コナッコールもがんばってくれてて涙…初見はここで既に涙腺が緩んでいてまずかった。
歌詞(歌詞?)は原曲通りです。ただ日本語話者がやる以上どうしても子音が強調されて、日本人の耳にはなにがしかの言葉に聞こえてしまうのがアレンジと誤解されたかもしれない。っていうか私も「ルービールービー」って聞こえて「ルートビームって言ってる??」って思ってはいた。けど原曲聞き直したら原曲でも言ってた。「タカヤ」って言ってるっていうのも面白いけど、ここで自分の名前を出したら完全にエゴなので、それはやってないだろうなと思う。ここは原曲に忠実である必要がある。
ところで「ドゥンタカではじまりエッタラで終わる」を「全部やった」と表現するのは若干違うと思った。ツインロゴのジングルやジャヤジャヤは仕方ないとしても、「あ~ああああ~あ~」いやこれ伝わらないな、いわゆる「ニザリザ~」で終わるコナッコール前の男性ボーカル部分はカットされている。

なぜ忠実な「ドゥンタカ」が必要かというと、「ドゥンタカ」であのどでかい「S.S.Rajamouli」を幻視しつつるりはなちゃんの「鳥はうたい~」に行く流れをやるため。原作映画の幕開きそのままのトレースであり、谷先生はそれを完璧に取り入れたかったのだと思う。原作ファンに開幕ストレートパンチ。あの幕開きはみんなひれ伏すやろ。まじで。
あ、でも「マッリー!」はなかった。軽くネタバレだしロキさん板付きだから入れづらかったかね。

★アーディラバードの森

このシーンも最高。映画そのままで殴りに来た、を明転した一瞬で分からせに来る。
るりはなちゃんマッリの澄んだ歌声は映画マッリよりちょっとお姉さんな感じもして、だからこそ大人びた少女の類まれな歌声として奪いたくなるキャサリンの気持ち、わかる~~~(わかるな)
Xでもつぶやいたけど、私の観測範囲でマッリがキャサリンに書いてあげてるヘナアートは2種類見つけた。青と、緑~灰色のラインの変則ボーダーみたいなやつと、木の枝に丸い赤い実がついてるみたいなやつ。2階じゃないとほとんど見えなくて、最初は書いてないと思ってた。そこ変えてくるのいいね。

先にイギリスチームいこうかな…
提督スコットは狩猟服ではなくなんと黒制服で登場。公務なんか?狩猟公務なんか?スコット出番多くないので、記号化のために狩猟服ではなく黒制服にしたのかな。黒制服といいつつ原作のドルビーブラックではなく紺でしたね。舞台照明あてると深みがでるのでこれはわざと紺にしたと思ってます。
エドワードはマッリのお歌になごなご、しない。いらっいら。えーあそこのエドワードかわいいのに…ちゃりおさんのエドワード、しごでき感やばい。原作と似たスーツだけどポケットチーフが足されてておしゃれ。ロキに投げるコインはちゃんと2枚。このコインは殿堂入りしますかね…細かく見たい。
キャサリンは歌劇の座談会で仰っていた通り、傲慢に咲き誇っていて素敵。そして「あなた?」の一言で分からせる演技巧者小桜ほのかよ…!

アーディラバードはニザーム圏内なので使者がここにいるのはいいですね。通訳さんの役割も兼ねているのかな。(宝塚版は言葉通じるバースだけど)そして使者さんのシャルワーニーの再現度やばい。小物も含め完璧だと思いましたね。本作で一番好きな衣装を聞かれたらこのシャルワーニーです。

そしてまさかの鹿。
超でかい逆吊りの鹿。
けっこう一瞬のために作ったよ鹿…
この鹿、映画でも確かにインパクトがあるのだけど、観客をぎょっとさせてスコットのキャラクターを示す効果、のほかに狩られる獲物の立場も示している。この場面の獲物はマッリ。そしてゴーンド族の抵抗できない弱い立場を生々しく際立たせている。効果的でした。鹿…レビュールームに飾ってくれたら絶対見に行くんだけどな…絶対触らないから置いてもらえないもんか…

ゴーンド族は原作同様にひとところに座っている。
最初は見分けられなかったけどペッダイヤ、ジャング、ラッチュのトリオは最初からいる。ペッダイヤは2列目で客席から見やすい。ところで隣のSINGERRR女で大活躍の都さんとの距離感、近い近い近い。肩をだいてるよこのペッダイヤ。嫁か。嫁なんか。妻帯者ペッダイヤか。やさしくて無謀さはないけどちゃんと強くて女子供をまもる若くて美人のペッダイヤ(妻帯者)か。いいですねえ…いや嫁でも恋人でもそうじゃなくてもいいんだけど。ペッダイヤは本来目上の男性への敬称で、この若さでペッダイヤと呼ばれるのは多分におかしいし、そうであればクレジット通り名前の「チーマ」にした方がいいのだろうけど、そこは字幕やファンダムでの定着具合から割り切ったかな。日本人的には全く違和感ないし、クレジットにしか出てこない名前より原作でビームが何度も何度も呼ぶ「ペッダイヤ」の方が愛着があるのは事実なので、本国には申し訳ないけどこの使い方許してください。
ジャングとラッチュは後ろの方にいるので1階だと物理的に見えないってこともあるかも。2階だと見えます。見えました。
「お前の娘は買われた!」はしっかり原作と同じくジャングのセリフ。いいねいいね。実は最初から英国への反発を隠してないし、村長が別にいてこのジャングからはリーダーの役割がはがされているので、直情型で血の気が多いキャラクターに仕上がっていると思います。ひたすら耐えているペッダイヤとは好対照。マッリを連れて行こうとしている悪意に気づかない村人の困惑、に対してこいつらむかつくなあと思ってよく見ていたジャングが最初に気づくという必然性もある。
ラッチュの見せ場はまだまだ先だけど、このトリオでやってくよ!という押し出しは見て取れる。かわいい顔した短髪の子がラッチュです!素直でいい子っていうのが伝わってきました。
髪の長さはペッダイヤ>ジャング>ラッチュ。ペッダイヤはウェービーなアッシュグレイのロング。ウィッグですね。見ようによっては優男風で、柔らかい雰囲気がぴーすけさんによくお似合い。白髪まじりだった原作のペッダイヤの髪型を、若返らせるにあたって元々の髪色ですというかんじに変えましたね。ジャングは地毛の黒。あまとくんちょっと伸ばしてくれたかな。後ろ髪もしっかりうなじまであるんじゃないかと思います。直情型は黒髪多いよね。よきよき。ラッチュは短髪の茶色、これはウィッグかな…?バンダナに隠れているところもあってちょっと脳内審議入ってますが、ショーの時の髪色はもうちょっと明るかったと思うので、ウィッグ説を採用しておきたいと思います。

ゴーンドトリオのお洋服はストリート系?というかんじであんまりゴーンド感ないんですが、他のゴーンドチームを見ると衣装での差別化もがんばってるなと思いました。特に女性陣なんですが、白系のゴーンドアートっぽい柄入りの大判の布を、いわゆるサリーっぽい着付けはしないでゆるめに着ています。片方の肩の上で結んで流すだけとか。当然ながらアンダーは着ているんですが(原作のゴーンドの女性はチョリを着ていないので、そこもデリーの女性たちとの差別化になっている)きっちり着ないで纏っている感じにとどめることで、最低限の都会のサリーじゃないよ感は出してるのかなと。あと、マッリは子供の装束なので、きっちりサリーを着てしまうとおかしい、ということになるのですが、これも他の女性陣同様ゆるく纏うことと、おさげ髪にすることで「ゴーンドの子供」の記号化をがんばっているなと思いました。あとこのゆるい着方がゴーンドトリオのストリート系ファッションともまあまあ馴染みがよいので、さすがですね。マッリがさらわれた後に髪型も洋服も変わらないのは、これも記号化で致し方ないなと思いました。濃いドーランも使っていないし、あそこで洋服着ちゃうとたぶん普通にイギリス人の少女に見えちゃう。

舞台の情景としては、車も殴打にちょうどいい枝も出せないけど、いい感じに原作通りにテンポよく進んでいく様子にもう脳が大混乱。あ、これでいけるんだ…すごいな…えっすご…って思っているうちにロキさんが退場してしまった。その前にこっそり連れていかれるマッリがキャサリンとめっちゃ仲良く話してるのがいい。どんな甘い言葉をささやいていたの。おしえて。

なんとまだビームさん出てきてないのですが、いつ書き終わるかも分からないペースになってきてしまったので、小出しにしていきたいと思います。続きはまた。

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