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2万円で始めるアコギの湿度管理

アコースティックギターを筆頭に、木できた楽器の天敵、湿度
(ヘッダは今は無きホワイティうめだの泉の広場…)

湿度管理を怠ると、弾きづらくなる(モチベーション低下)、最悪の場合大掛かりなリペアが必要になる(追加コスト)など、悪いことがいろいろ起こりますが、良いことはあまりないです。
稀に「音が良くなった」という話を聞いたことがあります、弾き辛くなるリスクの方が高いと思います。

ギターの上達だったり、腕前などに直接関わるものではないですが、好きな楽器は大切に使って、長く付き合っていきたいです。
私が普段どのようにギターの保管をしているかを、述べたいと思います。
はじめに書いておきますが、力技の物理的な対処しかしていません。

最適な湿度とは?

基本的に、我々が快適だと感じる湿度がギターにとっても良い環境です。
つまり、ギターにとって良い環境づくりに努めることは、自分が生活するのにも心地良い環境づくりへも繋がるわけです。
また、体感温度という言葉もあるように、温度が下がれば、エアコンの温度調節にも融通がききます(同じ温度でも湿度が高いと暑く感じる)。

概ね50%が心地良い湿度です。
また、これらを保つ為には、室温に急激な変化を与えないことが重要になります。
湿度は温度によっても変化する相対的な数値ですので、急激に暑く・寒くなると湿度管理が困難になります。
(冬場のメガネなんかが良い例かと)

室内での湿度管理

四季の変化による気候の変化からは逃げられませんが、部屋の中であれば逃げられます。

必要なものは、測定するものと除湿 or 加湿するものです(当たり前だろと言われそうですが)。

湿度管理といいますが、部屋の中の湿度が、50%前後になるように、除湿機の強弱を切り替えるという、シンプルな使い方です。
正直な話だと、これだけで十分です。
2年間リビングにおいてあるギターでもトラブルは起こっていません。
後述しますが、加湿は簡単で、除湿は少し面倒です。
なので、夏場の湿度を乗り切ることに焦点を当てていきます。

まず必要なものが、湿度計です。

デジタル式の時計や温度計に付いていたりするので、人によっては買わなくても良かったりします(1,000円くらいです)。

リビングにギターを置いている方へのおすすめは、2つ買って、目に見えるところとギター近くに置くことです。

部屋の中でも温度のばらつきはあるので、目につくところで確認、ギター周辺はどうか?といった使い方です。
また、湿度は相対的な数値であり、正確には測りにくい印象ですので、測定点が多いほうが信頼できます。

そして、マストになるものが除湿機です。
(シャープ製の除湿機を愛用しています)
2万円程度で購入できるものなのですが、最近の長梅雨のおかげか、価格が高騰していますね。

各社様々で除湿機を出しているので好きなのを選べば良いと思います。
おすすめとしてはデシカント式です。

冬場の洗濯物を乾かすのにも良いです。

室温が上がりやすいという問題こそありますが、エアコンとの併用をした際に丁度よい印象です。
エアコンの除湿は寒すぎるという方の救世主です。

ホースをつけて自動排水にできるタイプだと2万円を超えてくると思いますが、手動でタンクの水を捨てるタイプだと2万円以下で買えます。
タンクに水を入れっぱなしだと、カビたり雑菌が繁殖してしまうので、こまめに水を捨てたり、中をアルコール消毒して、乾燥・掃除したりが必要ですが、大事なギターのためだと思えば…
とまぁ正直面倒なので、水を捨てたらキッチン用アルコールタンクの中に吹きかけて、ひっくり返して乾燥させてます。
フィルターはたまに綿棒とかで掃除します(掃除機の弱で吸い込みながら)。

湿度をキープするのは、基本的に閉め切りで除湿機をかけていればいいのですが、昨今のコロナ事情から閉め切りで除湿機かけっぱなしというのも少し気になる方が多いと思います。
換気をする際には、天気予報の湿度(外の湿度)も合わせて確認しています。
良い天気だとあまり気になりませんが、雨の日は少し気をつけないと湿度がすぐに上がってしまいます。

最後に加湿ですが、タオルを濡らして干す、これで加湿はできます。
冬は洗濯物の室内干しが増えるので、室内干し×除湿機でこれまで乗り切れています。

なので、湿度を測って適度に洗濯物を干して除湿するのが最も簡単です。

ちょっと気になる方は、霧吹きとかで部屋を加湿してあげれば良いかと。
加湿機能付きの空気清浄機は、広い部屋でも効率的に加湿できますので、予算に余裕のある方はご検討ください。
前述したように、他の方法でも加湿はできるので、お財布と相談して、その分他のギター用品を買うかとかでいいと思います。

ただし、加湿のし過ぎはギターの鳴りに影響を与えるので注意してください(音が籠もる、濁るなど)。
なので、サウンドホールに蓋するタイプの付けっぱなしはよくありません。
音の変化は一時的なものなので、適度な湿度の中においておけば元に戻ります。

まとめると、夏も冬も、湿度を測ることが大事です。
快適な湿度の中で生活すると、肌でなんとなく湿度もわかるようになりますが(10%刻みくらい)、何よりも湿度に対して敏感になることがトラブルを避ける一番の近道です。

外での湿度管理

外の湿度は管理できないのですが、移動時や運搬の際のトラブルを避ける方法です。

みんな大好きドライキーパー
ハードケースとこれでなんとかなります。

また、加湿用にoasisという製品があります。
楽器店さんの展示ギターについている、青色のアレです。

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中に水を入れておくと、適度に加湿してくれます。

あと最後にケースですが、ハードケースが一番安心できます(重いですが)。

ソフトケースでも、クロスでネックを覆って外気に直接触れないようにするなど、ちょっとした部分で多少は対策できます。

保管時の注意点

ハードケースは、温度湿度を保ってくれるので、長期保管に適します。
なるべく毎日弾きたいですが、出張や旅行などの際にはハードケースがあると、非常に役に立ちます。

また、加湿のし過ぎはなどで調子の怪しいギターは、ドライキーパーを入れたハードケースに入れて数日置くと良くなったりもします。

ハードケースは付属があれば十分ですが、保管目的で購入する場合、ドレッドノートサイズのものがあれば大抵のギターは入ります
ジャンボサイズや特殊タイプのギターは厳しいと思うので、採寸して選ぶか楽器店さんに相談にしましょう。

おわりに

大事なギターと長く、いい音で付き合っていくためにもメンテナンスは必要です。

なるべくお金をかけずに、つまり修理を少なくするためには、湿度という観点からギターを良い状態に保ちましょう。

トラブルは付き物なのですが、先行投資で回避できるものは避けていきたいです。

皆様のギター管理の裏技があればぜひ教えてください。

お付き合いいただきありがとうございます。

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