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2023年に読んで面白かった小説7冊

この記事は#バレンタインアドカレ 7日目の記事となります.

2023年に読んだ小説の振り返り記事です.
こういうのは年末に出すのが普通な気もするんですが,書こうと思ったのが年明けだったので二週間ほど寝かせて会社のアドカレ記事として出すことにしました.
アドカレは一応会社に関係のあることを書かないといけないらしいですが,会社 Slack に生やした小説部チャンネルで募ったおすすめ本からのランクインもあるということで許されました.
趣味はとりあえず Slack にチャンネルを作っておくのが良いですね.


部活作って五分くらいでおすすめもらえた
自分が普段手に取らないタイプの作品も多い

2023年に読んだ小説は多分 40 冊で,そこから特に印象に残っているものを抜き出すと7冊だったので7冊紹介します.
面白かったことだけ覚えていて中身は忘れていたりするのであんまりきちんとした紹介は出来ないかもしれません.
なるべくネタバレは避けるつもりです.

市川憂人『ジェリーフィッシュは凍らない』

名作『十角館の殺人』に挑戦していることがはっきりと伝わってくる一冊.
新技術の飛行船の中で繰り広げられるクローズドサークルもので,技術を巡る諍いを紐解く地上側と殺戮事件勃発中の飛行船側が交互に描かれる.
作品固有の科学技術や魔法が登場する世界での本格ミステリが元々好みなこともあり,綺麗なドラマパートと合わせて非常に面白かった.
『そして誰もいなくなった』→『十角館の殺人』→ 本作の順で読んで欲しい.

朝井リョウ『何者』

昔映画化もした有名作品.
同期数名と「就活対策本部」を組んだ大学生の主人公が,それぞれの就活への向き合い方の差に思いをめぐらせる話.
SNS で就活成功者の話が次々目に入ってくるなか各々自分の見せたい部分だけを発信する描写が非常にリアルで,就活当時今ほど SNS がなかった世代ですら共感できる部分があるだろうと感じる.
就活経験や年代を問わず様々な人に刺さりそうな一冊.

辻村深月『傲慢と善良』

小説部で名前が上がっていた作品.
失踪した婚約者を探しながら婚活周りの自他評価を鑑みる人の話.
相手が自分に相応しいかをジャッジする時の人間の不遜さを刺してくるセリフが随所にあり,かなり心を抉られた.
『何者』もそうだが,自分が隠し通せているつもりだったりそもそも自覚さえしていない醜悪な部分をしっかりと言語化して眼前に突きつけてくる本に弱い.

伊坂幸太郎『マリアビートル』

新幹線内でこっそり起きるごちゃごちゃ殺人作品.
伊坂幸太郎らしい複数人の予想のつかないはちゃめちゃな絡み方と個々人の理念が軽やかな文体に載っていて非常に面白い.
偶然にも新幹線で読むように買った本だったので,実際に今この車両で起きている出来事なんじゃないかと感じながら読むことになりとても没入出来た読書体験になった.
内容の面白さはもちろん,乗り物や都道府県,ホテルなど,読む場所に合わせた舞台の本を今後意識的に選んでみたいなと思わせられた作品.

米澤穂信『インシテミル』

自然とクローズドサークルでの殺し合いが発生するよう設計された館に閉じ込められてしまった大学生の話.
クローズドサークルは「どうしてそのような状況になったか」「なぜそのような本来殺人を犯すのに不都合なタイミングで殺人を犯したか」などの説明責任を果たすのが難しいが,この作品は「悪趣味な人間がそういう状況を作りたくて頑張ったから」で全てのご都合主義設定が片付いており,純粋にサスペンスとトリックに集中出来る.
複数のトリックがどれも分かりやすく綺麗で,さらに物語としての起承転結もしっかりしていて非常に面白かった.
登場人物ほぼ全員にスポットライトが当たる少し長めのミステリ.

知念実希人『真夜中のマリオネット』

これも小説部で知った作品.
目の前の美少年が自分の婚約者を惨殺した殺人鬼か,それとも冤罪をかけられた無実の子供なのか,逡巡しながら調べまわる女性救急医の話.
こんなイケメンが無実だったら小説としてつまらなすぎるのでどうせ殺人鬼だろ!と思って読みたくなるが,そこは当然一流作家の作品なのでそう言う読者こそ裏切られまくる波瀾万丈な展開で最後まで確信が持てずずっとハラハラドキドキだった.

今村昌弘『屍人荘の殺人』

2023年マイベスト.
読了後に知ったが,当時の国内ミステリーランキングを総舐めにして漫画化・映画化もした大人気作品.
ネタバレ一切したくないのであまり書けることがないが,これも作品固有の科学技術が登場する世界でのクローズドサークルという感じ.
独自の設定で前提を捻じ曲げた上で理不尽のない本格ミステリは他の作品と全くの別角度から展開を広げてくるので大変面白い.
シリーズもので現在4冊出ており,それぞれオリジナルのファンタジー要素を含むミステリとしての完成度が非常に高い.

終わりに

だいぶ著名な方の作品が多いですね.
伊坂幸太郎と米澤穂信の作品は特に自分の中でハズレが少なく,毎度感心させられます.

2024年は司馬遼太郎などの歴史小説を10冊以上読みたいなと思っています.
達成できているかは年末のアドカレで答え合わせしましょう.

宣伝

ここから会社の宣伝に繋げるの難しいんですが,いろんな部活動が流行っていて楽しいよ!みたいな感じでしょうか.
このアドカレだけでも7日目にしてすでにガジェット部と書道部の記事が出ており,ある程度活発であることが確認出来ると思います.

他にも卓球やスマブラ,競プロなど数十の部活が動いておりここでは紹介しきれないので,気になる方はぜひカジュアル面談などで聞きに来ていただければと思います.
その際ついでにおすすめの小説を数冊挙げてくださると,僕が喜びます.

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