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簡単料理・その3

 前に、新しいカテイカの活動で、30代の主婦の方々に家事についてうかがったことがあります。幼い子どもを抱え、幼稚園への往復で昼前後の時間をたっぷり取られてしまうと話す彼女たち。何しろ、子どもは目的地に向かってさっさと歩くことをせずに、寄り道が大好きですから。

 そんな彼女たちにとって、自分のためだけの昼食は、できるだけつくらずに済ませたいのだそうです。午前中に買いものをするついでに、総菜を買うこともあるし、おにぎり一個で済ませる場合もあると話す彼女たちは、お互いに「お昼はつくらないって決めているんです」とうなずきあっていた。

 主婦の昼ご飯は興味深いところです。私も結婚してわかりましたが、家族のために料理することが日常になると、自分だけのための料理って、できるだけやりたくないし、いかに手を抜くかが大事になるんです。一人暮らしのときは、一人分をわりとちゃんとつくっていたのに。

 前置きが長くなりましたが、今日は家族がいる人が、一人分をどうつくるかを考えたいと思います。

一人分の定番を決める

 夫はフリーの物書きであると同時に、専門学校講師でもあります。学校へ行くときは、ご飯がいらないときもあります。もちろん、別の仕事で出かけるときにお昼がいらないときもあります。私ももちろんお昼を外で食べることもありますが、私のほうが家で食べる機会は多いようです。

 夫がいない昼ご飯。前日の食事で三人分の炒め物などをつくり、残しておいたものを電子レンジにかけることもあります。スープなどは必ず2~3回分つくるので、それを温めて食べることもあります。でも、メインは残っていないことが多いのです。

 一人分だけのために、魚を焼いたり、肉を焼くのは面倒だと思います。魚を前日に三匹買って残しておくこともありますが、一人分焼いて魚焼き器を洗うのは面倒なのです。肉は一人分焼くのはもったいないように思います。家族がいると、こういうとき面倒です。一人暮らしのときは、そうやって食べることが当たり前だったのに、二人になると、そういうことがしづらくなてつぃまうのですから。

 たいてい私が使うのは卵です。トップの写真は、一人の昼食のヘビロテ料理です。キャベツと卵を炒めただけ。中華鍋で卵を軽く焼き、火が通ったら卵を溶いたボウルに戻します。キャベツはザクザクと数センチ角に切っておき、空いた鍋に入れ、塩コショウを振って炒めます。だいたい炒め終わったところで卵を再投入し、両方を混ぜ合わせて完成です。

 これが意外とおいしいんですよ。キノコやピーマンなどが残っていたらちょっと加えたりもします。ほかのおかずがないときは、キャベツを多めに切ってこれだけにしてしまいます。

 わが家でキャベツは冬場以外、冷蔵庫に常備するようにしているので、たいていこれで済ませます。小さめのトマトがある場合は、前に紹介したトマト切っただけを並べることもあります。

 冬はキャベツの替わりに、白菜を使います。ラー油や豆板醤で辛くするのもおいしいです。どちらの野菜も意外にお腹がふくれるし、おいしいので助かります。食材をいくつも使ったちゃんとした料理は、二人で食べる夕食ですませるからいいのです。

 ときには、小松菜やホウレン草を使うこともあります。うちの近所のスーパーでは、普通の三倍ぐらい入った小松菜を二倍や一・五倍ぐらいの値段で売っているときもあるので、それを買って、三束ぐらいで料理したりします。全部卵炒めです。

 もちろん、夫が何日も家で食べないときは、一人暮らしのときのように、ちゃんと食材をいくつも使って二品、三品用意します。炒めものを二人分つくって昼夜食べたりね。そうやって、使い分けています。

 野菜と卵の炒めものは、肌寒いときや汁ものが欲しいときには、インスタントラーメンの上に載せて食べることもあります。ご飯が残っていないときは、こういうのも重宝しますし、ラーメンライスにしてしまうこともあります。この食事で栄養のバランスをきちんととらなくてもいいんです。

 栄養のバランスは一日で、あるいは一週間でとれれば十分だと思いませんか?

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